アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

矢貫俊之選手

ファイターズの前半の戦いは、矢貫俊之選手なしには語れないだろう。チームが低迷する中、幾度となくピンチを救い、ときにはロングリリーフもこなした。まさにフル回転の活躍だ。
「プロ入り後、一番強く思っていたのは、チームの勝ちに直結する働きをすること。重要な役割を与えてもらっているので、充実感があります」
昨シーズン、先発から中継ぎに転向したことが転機となった。長身から投げ下ろすストレートと落差のある変化球が武器。矢貫選手といえば、投球中、帽子が脱げてしまうのが特徴だ。
「昔からのクセで、緊迫した場面など、力が入ると帽子が飛んでしまいます。頭を必要以上に振っているということなので、投球フォームのブレにつながっています。改善を試みていますが、ファンが喜んでくれているので、売りにしようかなとも思っています」
幼稚園児で野球を始めた。父親の仕事でフィリピンに住んでいたときだ。
「毎週日曜に、現地の日本人が集まり野球の試合をしていました。父に連れられて行ったのを覚えています。小3までフィリピンにいましたが、テレビで日本のプロ野球を見ていた記憶もあります」
中学では通っていた学校に野球部がなかったため、ソフトボール部に入った。
高校は強豪・仙台育英に進学。
「甲子園でエースとして活躍し、プロになるのが夢でした」
現在、札幌では寮暮らしをしており、ドームまでは基本的に地下鉄通勤。歩いて球場入りすると、季節の変化などを感じることができ、リラックスして試合に臨めるようだ。
変装はしていないが、あまり気づかれないという。唯一気づかれたのは、昨年のファンフェスタのときだ。
 「ちょうど開門時間とぶつかり、中年の女性に声をかけられました。福住駅から話をしながら、一緒にドームまで来ました。喜んでくれていたので、僕もうれしかったです」
前半戦の活躍が認められ、オールスターにも初選出。今シーズンの目標は、ケガなく、1年間を乗り切ること。
「チームは巻き返しに向けていい状態にあります。僕も勝利を呼び込めるピッチングを続けていくので、何度、帽子が脱げるかを数えに、球場へ足を運んでください」
(竹内)

◎幼いころ好きだったチームは 「ジャイアンツです。桑田・斎藤・槙原の3本柱が好きでした」
◎ラッキーカラーは 「黄色です。昔、生年月日の占いの本を読んで信じています」
◎仲のいい選手を教えてください 「谷元圭介選手と宮西尚生選手」

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(やぬき・としゆき)1983年12月15日生まれ。福島県白河郡西郷村生まれ。B型。身長190センチ、体重88キロ。右投げ右打ち。仙台育英学園高校、常盤大学卒業後、三菱ふそう川崎に入社。08年のドラフト3位で北海道日本ハムファイターズに入団。昨シーズン、先発から中継ぎに転向し飛躍。今シーズンはセットアッパー、クロ・ザーへとつなぐ重要なポジションを担う。背番号33