アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

【斉藤こずゑのファイターズじゃないと♡】江尻慎太郎氏

ビジネスマンに転じて昔の仲間に「勝ちたい」

ホークス広報として営業活動を

斉藤 現役を引退してからビジネスマン、プロ野球解説業など、いろいろなことをされているんですね。

江尻 引退後にソフトバンクコマース&サービス(C&S)の社員となり、現在、福岡ソフトバンクホークスに出向しています。業務としてはホークスの広報です。このほかに解説業や講演活動などをしています。東日本放送(KHB)のスポーツ番組「もえスポ」ではメーンキャスターをやらせてもらっています。

本業はホークスの広報。ホークスの全国的な知名度向上が僕のミッションです。活動の中身は、「事業案件」といってイベント、サービスなどの自社事業活動の露出獲得が8割、選手の露出獲得が2割といったところでしょうか。野球に関心のなかった層を野球ファン、ホークスファンにするために、こちらからメディアさんに売り込んでいくといったところですね。たとえば、若いファン、女性ファン獲得のため、野球とは関係のない女性誌の出版社に営業に行ったりもします。

斉藤 どの仕事が一番面白いですか?

江尻 やっぱり本業のビジネスですかね。自分として、最も勉強になるし、成長できると感じています。

斉藤 ビジネスマンに転じて、一番の苦労は何でしたか?

江尻 モチベーションの低下です。ビジネスマンになって4年目になりますが、働くようになって半年ほどで、一度辞めたくなってしまいました。仕事内容よりも、ビジネスマンという職業は必死にならなくてもクビにならないということに気づいたんです。クビにならないのに、どうモチベーションを上げたらいいのかと、悩みました。

斉藤 プロ野球は勝負の世界ですもんね。極端な話、結果を残さなければ、いつクビを切られておかしくはない。

江尻 そうなんです。転職活動をしたときもありました。その際、ある人に「一番頑張っていた時期はいつですか?」と聞かれ、「あと少しでプロ野球選手になれるかもしれないという時期だったので、大学4年のときです。14年前のことです」と答えました。

すると、その人から「14年間、死んでいたんですか?」と言われたので、「プロ野球選手になってからもめちゃめちゃ頑張っていました!」と言い返しました。

その時、プロ野球選手・江尻に比べて、ビジネスマン・江尻は頑張っていませんと、自ら認めてしまったのです。

それから、高い目標を設定して、チャレンジしまくろうというマインドを見つけたんです。目標を設定する難しさもありますが、それに気づいたことで成長できたかなと思っています。

斉藤 ストーブリーグは各球団の補強にカラーがあって、面白いですね。ファイターズも頑張っています。

江尻 金子千尋(登録名・金子弌大)獲得は鮮やかでした。金子は練習に量を求めないと聞いています。自主性に任せられているファイターズは合うはずです。12勝はすると思います。

斉藤 頼もしいお言葉ですね!

(構成・竹内)

……この続きは本誌財界さっぽろ2019年2月号(1月15日発売)でお楽しみください。


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(えじり・しんたろう)1977年4月30日、宮城県仙台市宮城野区生まれ。O型。右投げ右打ち。早稲田大学卒。01年ドラフト自由獲得枠で日本ハムファイターズ(北海道日本ハムファイターズ)に入団。10年にトレードで横浜ベイスターズ、12年シーズンオフにトレードで福岡ソフトバンクホークスに移籍。14年シーズン限りで現役を引退。現役時代はサイドスローを武器に、先発中継ぎでフル回転した。引退後はソフトバンクコマース&サービスに入社。現在は福岡ソフトバンクホークスに出向し、広報を務める。ビジネスマンとして働く一方で、解説業、テレビ出演などの活動もおこなう