アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

木佐貫洋選手

取材ルームに訪れた木佐貫洋選手は、自身の投球シーンが写ったサインカードを名刺代わりに差し出し「木佐貫洋です。本日はよろしくお願いします」と深々と頭を下げた。評判通りの礼儀正しさだ。
今シーズンから日本ハムに新加入。巨人、オリックス時代も取材を受ける姿は、謙虚で真面目。
「でも、実はおしゃべりなんですよ。物静かな部分は僕の表面だけ。ファイターズの選手も、最初は僕を真面目だと思っていたようですが、徐々にバレてきています」と笑う。
チームにはすぐなじむことができた。鹿児島県出身。オリックスからともに移籍してきた赤田将吾を含め、鶴岡慎也、飯山裕志、榎下陽大の4選手が同郷だったことも心強かったという。春季キャンプには5人で「鹿児島県人会」を結成し、食事会を開いて親睦を深めた。
野球を始めたのは小学1年。父と2歳上の兄がしていたキャッチボールの輪に入るのが楽しかったという。小学3年時には地元で盛んだったソフトボールの部活動に熱中。プロ野球選手になりたいと思うようになったのは、このころだ。
開幕から先発ローテーションの一角を担っている。4月4日のロッテ戦では移籍後初登板初勝利。
「前夜は緊張で胃がキリキリしていたので、初登板で勝ち星がつき、ホッとしました。鶴(岡)のリードにも助けてもらい、鹿児島県人会バッテリーとしてはうれしい限りです」
個人目標はプロ入りから目指しているシーズン15勝。だが、それ以上に「とにかくチームの勝利に貢献したい」と力強く語る。
細かな作業に没頭することが好き。サインカードもすべて手書きだ。1日100枚のノルマを課している。ファンにサインができないとき、プレゼントするためにいつも持ち歩いているという。
「先日、大通公園と札幌駅周辺を散歩していたら、ファンに気づいてもらい、ここぞとばかりにカード を配りました(笑)。札幌ドームでも気軽に声をかけてくれるとうれしいです。選手のプレーを直に見てもらうほうが、野球の醍醐味が伝わると思うので、球場 へ足を運んでください。僕も北海道のファンに多くのカードを配りたいです」と笑顔で語った。
(竹内)

◎趣味を教えてください 「鉄道です。新型車両が導入される札幌の市電にも乗りたい」
◎好きな食べ物は 「北海道弁で言うとザンギです」
◎座右の銘は何ですか 「母がよく言っていた『実るほど頭を垂れる稲穂かな』です」

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(かぎや・ようへい)1990年9月23日、渡島管内七飯町生まれ。O型。身長177センチ、体重80キロ、右投げ右打ち。北海高校、中央大学卒。12年ドラフト3位で北海道日本ハムファイターズに入団。北海高校時代にはエースとして甲子園に出場。重心の低い投球フォームから浮き上がってくるストレートが持ち味で、MAX152キロを誇る右腕。背番号30