アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

【斉藤こずゑのファイターズじゃないと♡】建山義紀氏

五輪に向けて人材発掘の1年に

メジャーの先輩として大谷に助言

斉藤 解説者として一緒に仕事をさせていただくこともありますが、インタビューするのは現役時代以来かもしれません。

建山 そうですね。僕ももうすっかりインタビューをする側になりました。

斉藤 解説業をされて何年がたちました?

建山 3月で丸3年になります。現役時代は解説者への転身はまったく考えていませんでした。引退するときもその後の生活のことは決めずに決断しました。まー、路頭に迷うだろうと思っていたら、解説の仕事をいただいたので、ありがたかったです。

斉藤 建山さんの解説を聞いていると、技術面を伝えることがお上手なので、将来的な解説者転身を考えてプレーしていたのではないかと思っていました。

建山 いま解説をしていて思うのが、メジャーに行った経験が生きていると。実は現役時代、あまり話すことが得意ではありませんでした。アメリカでは通訳がいなかったので英語力もそうかもしれませんが、とにかく話しかけようと、会話力が身についたと思っています。

斉藤 建山さんがメジャーに行かれたのはキャリアハイを残した翌年でした。一方、大谷翔平選手は成長過程での挑戦となります。

建山 僕と一緒にするのは彼に失礼かもしれませんけど、僕は35歳で海を渡りました。そのとき、行くのなら1年でも早いほうがいいと感じました。

大谷選手が23歳で渡米することに大賛成です。しかも彼はプロとしての力をつけてからのメジャー挑戦です。ファイターズ入団はプラスだったと思います。

斉藤 大谷選手とメジャーの話をしたことはありましたか?

建山 球場に足を運ぶ際、いつも彼とは言葉を交わしていました。登板時の質問を僕が投げかけ、彼が答えるというのがパターンでした。

でも、メジャーの話をしたときだけ、彼から逆質問がきました。テレビでは見ることのできないクラブハウスの雰囲気などの話題はとくに興味を持って聞いていたように感じます。

斉藤 メジャーでは4、5人の投手で先発ローテーションをまわすのが一般的です。加入したエンジェルスでは、大谷選手の負担を減らすため、6人でまわすことも考えられます。ほかの先発投手の登板回数が減るなど、チーム内やファンから不平不満が出る可能性があります。

建山 それはあると思います。二刀流はいろいろな選手に迷惑をかけることになりますからね。

でも、そのために大切なことは結果はもちろんですが、その一歩手前においても、彼がどういう人間なのか、クラブハウスでどういう振る舞いをするのか――が問われると思います。

(構成・竹内)

……この続きは本誌財界さっぽろ2018年2月号(1月15日発売)でお楽しみください。


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(たてやま・よしのり)1975年12月26日、大阪府大東市生まれ。O型。右投げ右打ち。 東海大学付属仰星高校卒。甲賀総合科学専門学校、社会人チーム・松下電器をへて、98年ドラフト2位で日本ハムファイターズに入団。サイドスローが特徴で、現役時代は主に中継ぎとして活躍した。その後、FAでメジャー移籍、テキサス・レンジャースなどでプレーした。14年シーズンで現役を引退し、解説者に転身。17年秋、日本代表「侍ジャパン」投手コーチに就任し、野球競技の復活する20年の東京五輪に向けて奔走中。HBCラジオ「建山義紀のほな、ウチおいで!」でパーソナリティーも務める