アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

再録!トークライブ〈函館〉西川遥輝・大田泰示

 ファイターズが毎年おこなっている、道内各都市のファン向けに選手が足を運んでのトークライブ。函館会場は西川遥輝選手と大田泰示選手の「イケメン」コンビ。2019年シーズンの裏話やプライベートに関する話題がてんこ盛り!チームの大黒柱・中田翔選手に対するクレームも……。司会はSTVの小出朗アナウンサー。なお、内容は財界さっぽろ2020年1月号掲載当時のもの。

西川遥輝選手 ©財界さっぽろ

西川からのお願い「楽に返らせて」

 小出 19年シーズンを振り返ってください。

 西川 ……。僕の記憶はソフトバンク(ホークス)に0.5ゲーム差まで詰め寄ったところまで。それ以降は記憶にないです。

 大田 ダメです!この質問は。

 小出 19年は西川選手がフォアボールで出塁して大田選手が返すというパターンが見受けられました。

 大田 (西川が)出塁するケースが多いから……。    

 西川 泰示さんが「ゲッツー打たないように必死だった」と言っていました。

 大田 必死になってやった結果が併殺打22個ですからね。リーグワーストです。

 小出 ホームランはキャリアハイの20本でした。

 大田 ホームランの数よりゲッツーの数が上回ってしまったので……。たまにバントのサイン出してくれよと思っていました。

 西川 サイン出ても絶対にできないでしょ!

(会場は爆笑)

 大田 失敗してもいいんだよ!1人だけアウトになって、ゲッツーはとられないですから。(攻撃的2番は)プレッシャーもありましたけど、好きにやらせてもらいました。札幌ドームでの試合だったら、左中間か右中間を抜けたら遥輝が返ってきてくれる。

 西川 めちゃくちゃしんどいんですよ。盗塁は1つの塁間しか走らないですけど、1塁からホームに返るということは3つの塁間を走らないといけない。

 大田 それで僕がベンチに帰ってくると、遥輝が「違う!もっと楽に返らせて」と文句を言ってくる。遥輝が出塁しているときに僕がホームランを打つと「そういうこと!」って言われます。

 西川 「それでいいんや。それが泰示さんの仕事や!」と褒めています。

 小出 ここからは質問コーナー。「野球を始めたきっかけは?」

 大田 野球をやっていた父親の影響ですかね。僕は3兄弟の末っ子なのですが、長男はサッカー。次男は途中で野球を辞めてしまった。その結果、父親の期待を一身に背負って「頑張ります」と……。

 小出 地元・広島県では小さいときから有名だったのでは?

 大田 体がデカかったので。ほかにもすごいやつがたくさんいました。その中で、とくに有名だったのがロッテの井上(晴哉)。アジャですね。

 西川 僕も父親ですね。物心ついたときには、家にバットとグローブとボールがありました。小さいときから野球に触れていましたけど、途中で辞めたくて仕方なかった。マンガがすごく好きで、バスケットやテニスマンガを読んでいるうちにいろいろなスポーツをやりたくなった。でも、「野球辞めます」とチームの監督に言うのが怖くて……。その結果、プロになっていました。

大田泰示選手 ©財界さっぽろ

3塁ランナーがいると打てない

 小出 次の質問はこちら。「打ちたい打順は?」

 大田 やっぱりクリーンアップを打ちたいです。自分自身もそうですけど、プロ野球の世界に入ったときからそういう期待を受けてやってきましたから。

 西川 そんなざっくりした答えでいいんですか?

 大田 4(小声)

 小出 大きな声で!

 大田 4!!僕の目標です。4番を打ちたいです。

 小出 19年シーズン、4番に座った試合がありましたよね。

 大田 (中田翔の)代わりにね。次の試合も「監督、4番にしてよ!」と思いましたけど(笑)。中田さんと競争できるように頑張ります。

 西川 僕は打順の希望はあまりないんですよね。

 大田 いや、ある!知ってるもん。本当は3番を打ちたいんですよ。

 西川 違うんです!打ちたい気持ちはあるんですけど、1番バッターの適任者がいなくなるんです。僕が3番に入っても、結局は1番の仕事をしないといけない。どの打順でも役割は同じになっちゃう。1番バッターを固定するのが一番難しいですよね。

 大田 どのチームも1番バッターに困ってると思うんですよ。走れて、打率も残せて、フォアボールを選んで出塁率を上げないといけない。そう考えるとファイターズの中では1番は遥輝ということになる。

 西川 質問と全然関係ないんですけど、僕がランナーで出塁してノーアウト3塁とかワンアウト3塁になると、なぜか泰示さんが打てなくなるんですよ。

(会場は爆笑)

 西川 僕が頑張って、ピッチャーゴロ・キャッチャーゴロ・内野フライ・三振以外ならOKという楽なシチュエーションをつくったのに……。

 大田 全然打てない!

 西川 とんでもないボール球を振っちゃうんですよ(笑)

 大田 遥輝が外野を抜ける当たりを打ったら、「2塁くらいで止まってくれないかな」と思っています。

(会場は爆笑)

 大田 それでも3塁まで行ってくれたら、「遥輝が頑張ってくれたわ。よし、絶対に打たなアカン」と思ってバッターボックスに入るんですけど……。

 西川 3塁コーチの川名(慎一)さんが、「泰示は3塁にランナーがおるとダメ

になるな」と言っていましたよ(笑)

©財界さっぽろ

アンブレラハルキ誕生秘話

 小出 次はこちら。「応援ボードは見えていますか」という質問です。「大田選手 髪切ってください」というのがありましたね。

(会場は爆笑)

 大田 あれは東京ドームです。「え?髪切れって書いてあるぞ。どういう意味なんだろう」と……。

 西川 昔はめちゃくちゃ短かったですもんね。

 大田 そうですね、あの頃(読売ジャイアンツ時代)は髪型に制限がかかり過ぎというか、ルールがあって(苦笑)

 小出 西川選手はどうですか?

 西川 小さい子どもがつくってくれたボードを見て、その子と会話したりしてます。

 小出 試合中にファンから傘を借りて「アンブレラハルキ」と呼ばれていましたね。

 大田 あれはダメ!!「おいおいおい!なにやってんだ!あいつ」と思って見てました。

(会場は爆笑)

 西川 あれはバッターが自打球を打って試合が中断となったんですが、雨が降っていたんです。グローブ濡らしたくなくて「どうしよう…」と思っていたら、外野スタンドのファンの人がみんなカッパを着てた。「傘はささないんですね」と声をかけました。そうしたら、「傘ありますよ」と言ってくれたから「貸してください!」って。

 大田 こういうことが許されるのがパ・リーグです。

 西川 広島(カープ)との交流戦でマツダスタジアムに行ったときに「おい!西川~!!」と怒鳴られて、ハッと振り向いたら「お前じゃない!龍馬じゃ~!!」ということもありました。

(会場は爆笑)

 西川 西川って呼ばれたら振り向くじゃないですか(苦笑)

 小出 ここからは1人ずつの質問。まずは西川選手に「盗塁の魅力は?」

 西川 盗塁にそれほど魅力を感じないです。魅力を感じるのはやっぱりホームラン。

 大田 やっぱり野球はホームランだよね!

 西川 そうですよ。盗塁は僕の“仕事”。いわば使命ですから。

 小出 続いては大田選手に。「マッスルポーズの誕生秘話を教えてください」

 大田 知らないですね。考えたの誰?

 西川 ……あれは多分、僕です。

(会場は爆笑)

 西川 レアードがまだいた頃のことですが、泰示さんがホームランを打って走る姿をレアードがすごいからかってたんです。「ベース回っているときこうやって走っている」って。(腕を横に大きく振りながら)

 大田 あ~、言ってた!

 西川 その腕の振り方が変化してマッスルポーズになったという感じですかね。

 大田 僕がホームランを打ってベンチに帰ってきたら、みんながこのポーズをしてたから「ん?え?何!?」みたいな感じで流れに合わせてやってみた。

恒例のファンへの“ハグ” ©財界さっぽろ

金のネックレス中田「首痛い」

 小出 次は2人に伺います。「気づいたらやってしまうクセはありますか?もしくはクセの強い選手は誰ですか?」

 西川 泰示さんはこう見えて“ド天然”です。

 大田 僕は気づいてなかったです。

(会場は爆笑)

 大田 ファイターズに来て遥輝に指摘されました。家に帰って家族に「最近、天然って言われるんだけど、気づいてた?」って聞いたら「前から気づいてるよ」って言われました。

(会場は大爆笑)

 小出 大田選手が思うクセの強い選手は?

 大田 山ほどいるでしょ。プロ野球選手はクセがある人しかいないですよ!

 小出 ファイターズの中では?

 大田 強いて言うなら杉谷かな。

(会場は爆笑)

 小出 続いては「1日違う選手と入れ替わるなら誰になって、何をしたい?」

 大田 中田さんになりたいですね。そしていっぱいお金を使いたいです。

(会場は爆笑)

 小出 お金の使い方がえぐいですもんね。

 大田 豪快ですね。

 西川 だって、もらってますもん。

 小出 中田選手のお金の使い方伝説はありますか?

 大田 やっぱりネックレスじゃないですか?

 西川 気づいたらネックレスが変わってますから。

 大田 あんなに長くなくていいでしょ!

(会場は大爆笑)

 大田 それを1週間ぐらい着けていたら、「首痛い」って言い出す(笑)。僕が「それ重たいからダメ」って言っているのに着けてて「痛いわぁ~」って。

 西川 そりゃ痛いよ。重いもん。

 小出 中田選手は西武(ライオンズ)の山川(穂高)選手にネックレスをプレゼントしていましたね。

 西川 ファイターズの後輩たちももらってますよ。

 小出 それはうれしいですね!

 大田 いや、アレもらってもさぁ……。

(会場は爆笑)

 大田 絶対に似合わないし、重いし、着けるシチュエーションない(笑)

 小出 西川選手が入れ替わりたいのは?

 西川 1日だけ(大谷)翔平を体験してみたいと思いましたけどね。160㌔を投げられて、誰よりも遠くに打球飛ばせて、魅力満載じゃないですか!そうなりたいなと思いますけど。むしろ逆に僕の体を一度経験してもらいたいです。どれだけ大変なのか。体がすぐ固くなっちゃう。

 大田 お手入れがすごく大変そう(笑)。誰よりも先に球場に来て治療するし、ストレッチとかにかける時間もすごく長いんです。だから遥輝と入れ替わる必要はない!

(会場は爆笑)

 西川 泰示さんに「体しんどくないんですか?」って聞いたら、「なんか寝たら治るんだよね」って言うんです。お風呂に入っても治るみたい。僕なんて球場に12時間くらいいるんですよ。「住んじゃえ」っていう話ですよね。

©財界さっぽろ

実姉から受ける理不尽な命令

 小出 続いては西川選手への質問です。「最近甥っ子に買ってあげたものは?」

 西川 もうすぐ2歳になる姉の息子がいます。よく洋服を買ってあげるのですが、姉に指定される待ち合わせ場所がいつもデパート。この時点で何かおかしい。

(会場は爆笑)

 西川 到着したら「買う物は決まっているから後はよろしく♪」って。僕は支払うだけ。一緒に選ぶ時間はもらえないんです。甥っ子の身の回りの物は全部僕のお金で買っているのに!!

(会場は大爆笑)

 小出 次は大田選手「(趣味の)釣りの魅力を教えてください」という質問です。

 大田 わかんないだろうなぁ……。魚は釣れたら楽しいんです。

 西川 釣れなくても面白いんでしょ?

 大田 僕の場合はその境地まで達しているからね。

 西川 新しい釣り道具を触っているのが楽しいんですって。

 大田 たまらないですね。僕は北海道にはいないブラックバスを釣りに行くんです。ルアーを自分で動かして、魚に食わせるという駆け引きがあるんです。どこに魚がいるのか考えて、誘い出して食わせる。これが醍醐味。水の中を想像しながら釣りをするんです。なんか空気がヤバいですね。

(会場は爆笑)

 小出 どれくらい趣味にお金をかけてるんですか?

 大田 海釣りではスズキをよく釣るんですよ。ヒラマサとかブリも釣れるんですけど、道具がめっちゃ高いんです。120万円くらいかかっちゃった(笑)

(会場がどよめき)

 小出 20年シーズンに向けての抱負をお願いします。

 大田 19年シーズンは7、8月に失速して順位を上げられず、優勝できなかった。クライマックスシリーズにも行けなかった。試合に出てる人間として20年シーズンは何かを変えないと勝ち進むことができないと思います。そういった意味で、小笠原(道大)さんと矢野(謙次)さんがコーチとしてチームに新しい風を吹き込んでくれるはずです。20年シーズンも一緒に戦って、最後に喜びを分かち合いたい。一生懸命頑張りたいと思います。

 西川 1年間、応援ありがとうございました。20年シーズンは東京オリンピックがあって試合日程が少し変更になります。僕自身、オリンピックに出る出ないにかかわらず、1年間通して結果を残して最後は笑って終われたらいいなと思います。応援よろしくお願いします。(構成・佐藤)


→Webでの購入はコチラ
→デジタル版の購入はコチラ

(にしかわ・はるき)1992年4月16日、和歌山県生まれ。智弁和歌山高校では1年次からレギュラーを奪取し甲子園などで活躍。2010年にドラフト2巡目で指名を受け、北海道日本ハムファイターズに入団。プロ2年目の12年、新任の栗山英樹監督の期待を受けて開幕戦でプロ初出場を果たす。14年から主に右翼手としてレギュラーの座を掴み、球団史上2人目となる最多盗塁(43個)のタイトルを獲得。リードオフマンとして活躍し、2度のリーグ優勝と16年の日本一に大きく貢献する。181センチ、79キロ、背番号7。

(おおた・たいし)1990年6月9日、広島県三次市生まれ。東海大学付属相模高校卒。08年ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。16年シーズンオフに北海道日本ハムファイターズにトレードで加入した。ジャイアンツ時代には恵まれた体格から右の長距離砲として期待されるも、なかなか才能を開花させることができなかったが、17年シーズンから外野手としてレギュラーの座を獲得。188センチ、95キロ。背番号5