飲食店経営者の今 第5回 佐藤 慎吾氏


エイムカンパニー社長 佐藤 慎吾氏
さとう・しんご/1976年北海道帯広市生まれ。高校卒業後に地元企業に就職後、友人の誘いを受け飲食店に就職。23歳で起業し、2007年に同社設立、代表に就任。居酒屋やバル、高級食パン専門店等、現在19店舗経営する。

新たな事業展開で北海道十勝の魅力を発信する

学生時代にバブル崩壊があり、自営していた父親が失踪、地元の進学校に通っていましたが、就職する道しかなくなりました。クラスの男子で進学しなかったのは自分だけで、地元の企業に就職するも長続きせず、職を転々としていた時、BARを経営していた先輩から「バイトしないか?」と声をかけていただき、接客業の楽しさに気づきました。
その後、同級生の紹介で飲食店に店長待遇で転職。約2年後に「自分でも経営できるのではないか?」と考え、23歳で9坪のBAR「Jail house」をオープンしました。
現在は「一心」と言う屋号で居酒屋店を中心に、バル、高級食パン専門店など帯広市と札幌市で19店舗経営しています。また、飲食業に特化した人材紹介業や不動産賃貸業、酒類・食材卸業などのグループ会社を運営しています。
コロナ感染拡大の影響により、弊社の主軸事業である繁華街立地の大型居酒屋店では一時期、約50%前後まで売上が落ち込みました。現在も時短営業やアルコールの提供禁止で本当に厳しい状況です。
ですが、このコロナ禍をきっかけに自社の問題点や課題が浮き彫りとなり、今後の事業展開や方向性等をしっかりと見直すことができました。昨年からデリバリー事業とテークアウト事業に注力しています。
デリバリー事業では、タクシー会社と連携し、地元産食材を使用した飲食店の料理をご家庭に配達するアプリ「ジモタク」を開発しました。このアプリを通じ、十勝・帯広の飲食店やタクシー会社、生産者、消費者の四方良しを目指します。
自社でも、既存の店舗に加え、客席のないゴーストレストランも運営し、お店の特色を活かしたデリバリー事業を始めています。現在では、会社全体売上の約20%をデリバリー事業で賄っています。
テークアウト事業では、昨年9月にオープンした高級食パン専門店「大地はドラムと優しい麦」を皮切りに、5月25日には新たにフルーツサンド店「大地はドラムと楽園の果実」をオープンしています。
私達は「北海道十勝の魅力を世界へ発信する」を企業理念に掲げ、22年間飲食店経営をしてきました。今後も我々の強みを生かし、地元北海道十勝産食材の加工品の卸業を展開していきたいと考えています。100年に1度の大きな危機を乗り越える事により、更に強固な組織になり、今後100年続く企業になると確信しています。
大変な時期かとは思いますが「止まない雨はない」と信じて、共にこの危機的状況を乗り越えていきましょう。



5月にオープンした「大地はドラムと楽園の果実」


「ジモタク」で販売する弁当