飲食店経営者の今 第3回 小川 宏氏


SMILE SOL社長
小川 宏氏
おがわ・ひろし/1980年せたな町生まれ。調理専門学校卒後、プロスノーボーダーを目指し海外へ。帰国後、飲食の道に入り居酒屋店長を経て独立。2010年同社設立、代表に就任。現在は札幌・ススキノを中心に15店舗の飲食店を運営する。

ウィズコロナを乗り切るため「筋肉質経営」目指す

居酒屋の店長を経て独立を果たしたのは、世の中がリーマン・ショックから立ち直ろうと苦闘していた真っ只中でした。経済環境に左右されやすい外食、飲食業だけに、当時は低価格の大衆店が増え、激しい価格競争が繰り広げられていました。
単に価格だけの勝負ではなく、お客さまへのサービス、例えばお料理を提供する際のひと言でも「エビマヨです」とお出しするか、「プリプリのエビマヨです」としてお出しするのかでもおいしさが変わると思います。そうした楽しい時間を過ごせる酒席で、お客さまに笑顔と感動を提供したく、「笑顔と元気、ノリと愛嬌」をビジョンに掲げて店舗運営を開始しました。

お客さまに楽しんでいただくためには、まずスタッフ自身に、元気良く楽しみながら取り組める前向きな姿勢が必要です。社名にも込めたとおり、とにかく笑顔を絶やさない意識を創業時から説き続けてきました。
現在、「大衆酒場さぶろう」「大衆串横丁てっちゃん」など、手頃な価格帯の居酒屋業態を中心に運営しています。観光や大人数の宴会需要に頼らず、使い勝手の良い店として評価をいただいております。地元のお客さまメインで展開していたこともあり、昨秋の自粛明けにはリピーターのお客さまがいち早く戻って来てくださいました。スタッフとお客さまとの程よい距離感が奏功したと、経営理念の強みを如実に感じました。

とはいえ、売上は前年に比べて当然落ち込んでいます。昨年はデリバリーやEC事業にも乗り出しましたが、やはり出前専門店にはかなわないと痛感し、即座に撤退しました。その後は感染防止対策を講じながら、短時間でも楽しんでいただけるよう、接客重視の原点に立ち返っての店舗運営に注力しています。
幸いなことに、にぎやかな店舗の評判を聞きつけてお声かけをいただき、アンパンやチョコレート、揚げたて串カツ販売の出店機会をいただきました。さらに、他業態の仲間と共に、昼夜で別業態の飲食店構想も練っています。居酒屋では使っていない昼間の店舗・設備を有効活用し、客数と売上の拡大を目指しています。

今後のウィズコロナ時代は、従来と比べ確実に経済規模は縮小します。これまでの70%の売上規模でも十分に利益が出せるよう、コストの見直しと資産やノウハウの有効活用に取り組み、筋肉質な経営体制を整えることが直近の目標です。
また、我々の最大の武器である接客技術とお客さまを楽しませる姿勢に磨きをかけ、飲食に限らずどのような業態でも運営できる柔軟な販売のプロ集団として伸ばしていく所存です。


大衆酒場「NEON COLOR」


にぎやかな大衆酒場「さぶろう」