飲食店経営者の今 第2回 大山 泰正氏


イーストン社長
大山 泰正氏
(おおやま・やすまさ)1962年札幌市生まれ。専修大学卒業後に渡米。ロサンゼルスなどのレストランで働き、帰札後、86年に第1号店「アルズ・バー」をススキノにオープン。99年から現職。2020年一般社団法人日本フードサービス協会副会長に就任し、外食産業の発展に尽力している。


外食産業の発展に尽力
新業態の出店を加速

ススキノのはずれのビルで、24歳の時に「アルズ・バー」を開店しました。店内にはDJブースを設け、音楽と酒場を融合させたバーとして営業し、多くの若者に利用していただきました。当時としては目新しく、札幌のヒップホップグループ「THE BLUE HERB」の歌詞にも店名が引用されるなど、1つの若者カルチャーとなったのではないでしょうか。
今はイタリアン店「ミアボッカ」や焼鳥居酒屋「いただきコッコちゃん」などを全国でチェーン展開しています。コロナ禍の中、昨年は脱アルコール路線の新業態として、生パスタ専門店「下川六〇酵素卵と北海道小麦『麦と卵』」を東京都内に3店舗出店しました。

同店では、2016年に当社が事業承継した北海道下川町の「あべ養鶏場」のブランド卵と道産小麦を用いたパスタの麺を使用し、製麺も店内でおこなうなど出来たてを提供し、ご好評いただいています。「北海道ブランド」は、やはり強いと感じています。
今後はアルコール提供が主体の都心型店舗に偏らず、「麦と卵」のような食事をメインとした郊外型の店舗展開が必要になるとみています。

また、並行して物販の強化も図っています。あべ養鶏場では「えっぐぷりん」を開発し、ECサイトや物産展で販売しており、売れ行き好調です。〝不易流行〟の精神のもと、6次化チェーンレストランとして前進しています。

一方、コロナ収束後のニューノーマルに対応すべく、無人決済やオンライン注文といった「フードテック」の導入準備も進めています。
コロナ禍で飲食業界からの人材流出が目立っていますが、コロナがトリガーになっただけで、飲食業界には雇用面を含め、かねてから課題が山積していたのが現状です。遅かれ早かれパラダイムシフトが起こったでしょうから、これを前向きに捉え、飲食業界が変革するきっかけになればと感じています。

「食を通じて日本を元気にする」というミッションのもと、社外活動にも力を入れています。その1つが一般社団法人「日本フードサービス協会(JF)」での活動です。昨年3月には同協会の理事として総理官邸にコロナ禍の現状を訴えに行き、5月には副会長として農林水産省と「GoToイート」の意見交換をしました。

外食産業の従事者は全国に450万人もいると言われています。飲食業界を守るため、日本経済を守るためにも、引き続き現場の声を代弁していきます。


「ミアボッカ」和光店


「麦と卵」三鷹店


あべ養鶏場が販売する「えっぐぷりん」