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2012/05/07(月) 鯛は頭から腐る

 昨年、あれだけの大事故を起こし、さらには現職社長が死に追いやられたというのに、相変わらず続発するJR北海道のトラブル。体制が変わり心機一転、利用者の信頼回復に努めるはずが、逆に不安感を増大させる結果となっている。そんな旧態然の無責任体質に、怒りの1通が届いた。ある程度、内部の事情にも通じていると思われる人物からの投書全文。

 JR北海道は、昨年5月27日に石勝線で脱線炎上事故起こして、まもなく1年が経つ。
 マスコミなどの報道で知る限り、JR北海道は本当に安全対策がしっかり進んでいるのかという疑問を感じている。
 5月27日の事故以降、今も多発を続けている車両故障。今冬期、豪雪とはいえ、駅の途中で列車が停止するトラブルなどで2000本以上の列車が運休。同時に、岩見沢、函館、滝川、宗谷地区などで利用者を8時間以上缶詰状態で閉じ込めてしまうという再三の大失態。どのトラブル1つをとっても、昨年5月27日の石勝線脱線炎上事故を彷彿とさせるもので、反省も教訓も国土交通省へ届け出たというマニュアルも全く生かされている感じはない。
 石勝線の事故後1年を経過するに当たり、その背景と原因は一体どこにあるのかを知りたい。
 今冬季の1月に入り、トンネル内でレールの敷石が飛び、安全上ということで、特急列車の速度を100㎞/hに落とした。そのこと自体は、安全対策として許容できるとしても、雪が解けても未だに減速運転は元に戻らず、このゴールデンウイークも10~20分遅れのままである。先日の報道では、今度は路盤の傷みがひどく、乗り心地が悪くなっているので、抜本的な対策を取るため、しばらくこの状態を続けるという。専門的なことはわからないが、鉄道の路盤というのはそんなに急に悪化するものなのだろうか。石勝線の乗り心地が悪いのは、利用者の1人として数年前から感じていたし、車掌にも何度かお話したこともある。いまさらこのようなことを言い出すのは、これまでに路盤の整備に手をこまねいていたということではないのか。問題のすり替えで、利用者を騙し討ちしているようなものだ。聞くところによると、先日、夜間に、線路の傷み具合や乗り心地を実測したとの話がある。5月27日の事故の脱線の原因となったのも、線路の悪化による振動が一因ではないかという噂もある。
 先日は、数年前起こった福知山線の事故を受けて、国土交通省の指導を受け、営業を開始していた新しいATSの使用を停止したという報道があった。その数日後の4月16日には再度使用を開始したという報道に変わった。どうして安全のためにやっていることが、いとも簡単に中止になったり、再開されたりしているのかわからない。噂では、新聞報道を見た国土交通省の役人から「使用停止は法令に違反する行為だ」と言われ、再度開始したという話もある。こんな安全の取り組みで本当に大丈夫なのか。国の指導も気になるところだ。
 今までの一連の事故、それに対する取り組み、その後の問題対応などを知るにつけ、JR北海道は、背景にもっと大きな問題を抱えているのではないかという疑念を持つ。その本質は一体何なのか。トップのリーダーシップなのか、労使の問題なのか、経営の問題なのか、それとも社員の問題なのか、それを知りたい。
 昨年12月「重圧に耐えられるのは私しかいない」といって、会長から社長に再就任した小池社長。その結果は、今冬季の事故とトラブルの連続で、会社発足以来の最悪の状況になった。先日の道内の雑誌に「退任という責任論の話もある」と書かれている記事を見た。今回の冬の状況を見る限り、社長のリーダーシップで改善が進んでいるとはとても感じられない。過去の社長時代からのツケが回っているとすれば、期待することが無理だったと言いたくもなる。
 社員の中では、こんな噂もある。
 社長は、マスコミ向けのパフォーマンスが優先している。社長就任以来、マスコミで報道される内容を知る社員は、発言と現実の差に唖然としているという。4月から新しい年度が始まっても、いまだに現場へ周知するための現場長会議も開催できないで、現場からも不信の声が上がっているという。その理由は、今冬季の減速運転を解除する手立てと、次冬季へ向けての輸送の対策ができていないからだという。
 一方では、先日4月12日の各紙に「今冬、大雪の影響で列車が立ち往生するトラブルが相次いだことを受け、悪天候でも運行の継続を目指す従来の指令体制を改め、事前に悪天候が予想される場合は、早い段階で列車の運休を決める仕組みを4月から導入したことを明らかにした」と報道された。しかし、この内容については、部内では誰も聞いた者も、導入のための社内の検討もなく、新聞ではじめて知ったという。さらに「鉄道人の性として、列車を運休させてはいけないという強い潜在意識が、立往生をまねいた」との発言に至っては、われわれの苦労をこの程度にしか考えていないのかと、関係する社員の不信と失望を招いているという。
 先日、4月27日の朝日新聞の記事をみた。輸送部門の責任者で、鉄道事業本部長の会見記事だ。これを読むとJR北海道は、一体だれが責任者なのだろうかと、ますます不信感が深まった。確か、昨年9月だったと記憶しているが、国土交通大臣に提出した「安全向上のための行動計画」がすでに形骸化しているという。提出して半年にも満たない中で、JRの最高の責任者が、このようなことを口に出すなど、組織の指導者としてとても信じられない。「社員の現場に対する把握力が不足、現場で生じた問題に適切な指導、支援が行なえない場合があった」などの発言は、社員の目に入れば悲しくなるだろう。自らの反省はないのだろうかと目を疑いたくなる。さらに感ずることは、このような鉄道事業本部長をそのまま半年以上居座り続けさせる社長のトップとしての責任感だ。やはりJR北海道はここまで腐ってしまっているのかと気になる。「鯛は頭から腐る」というが、その通りのようにも感じる。
 一方では、労使の問題もあるのではないかという。
 5月27日の事故以降、安全に対する組合の対応が厳しくなり、それに会社側がしっかり対応できていないという。すべてが後手・後手に回っている。部内の体制がバラバラで、統一がされていない。特に鉄道の部門はひどいという組合の話もある。一部では、組合のほうが安全には熱心だとの声もある。加えて、36協定の違反問題で、残業についての組合管理が厳しく、一部の業務が滞っているという社員の声もある。
 さらには、鉄道を維持するための資金はあるのかという経営上の疑問、社員の意識、技術力など、さまざまな問題が想定されるが、その事実については全くわからない。

 いずれにしても、この1年を振り返り、利用者としては、JR北海道がしっかり情報を公開して、安心して利用できる会社になってほしいと願っている。そのためには、マスコミの側からもさらに深く、JR北海道の実態を明らかにしていただくことをお願いしたい。

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