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藤女子中学校・高等学校

中学1年生と高校3年生の交流の様子

自分自身と向き合う6年間が、将来の財産となる

カトリックの精神に基づき、国際的視野をもった教養ある人間形成を行う「藤女子中学校・高等学校」。2025年度より高校3カ年コースを設置するが、中高一貫にこだわる理由は、生徒たちの可能性を十全に開花させるためだ。

石川直美校長は「中高の6年間は、自分の将来をじっくり考えて過ごしてほしい。将来のビジョン無く漠然と良い高校、良い大学に入るための勉強と、〝なりたい自分〟になるための勉強とでは、学習意欲は当然異なります」と中高一貫のアドバンテージを強調する。

中学生活では、敷地内の姉妹大学「藤女子大学」との中大連携や全国から約70もの大学を招いた大学説明会などから、目指すべき道の〝ヒント〟が得られる機会を数多く設けている。また、中学1年生のロールモデルである高校3年生との交流も活発。下級生は近い将来を連想しやすく、学習面を含むさまざまなアドバイスを受けられる。上級生にとっては、自身の経験や知識をアウトプットできる絶好の機会であり、他者を受け入れ寄り添う心を育むというカトリック教育にもつなげている。

男女別学のメリットについて石川校長は「世間のジェンダーバイアスから離れた女子校ならではの環境で、じっくり6年間かけて〝本当の自分〟を見つけてほしい」と説明する。

〝中身〟にこだわる授業は、ティーチングやディスカッション、リサーチなどバリエーション豊富。1コマ65分という長めの授業時間も〝藤流〟で、集中力や考察力、想像力を高めている。また、女子校は文系のイメージが強いが、同校は理系コースも充実。指定校推薦で海外の名門大学に進学する道も用意するなど、文系・理系問わず進路を選べる。来年は天使大学との法人統合を控えており、生徒の選択肢はさらに拡大する。

23年度は国公立大学に27人が合格。藤女子大学をはじめとする道内私立大学に172人、早稲田や慶応、上智など難関大学を含む道外私立大学に68人が進んだ。

こうした進学実績を残す同校だが、進学至上主義とは異なる。

「難関大学に進学できる学力があっても、夢に向かって別の選択をする生徒もいるでしょう。生徒一人ひとりの〝なりたい〟を尊重し、全力でサポートしていきたい。生徒と向き合う教員の〝熱さ〟も我が校の自慢です」と石川校長。

理科の授業では観察や実験など体験型教育を重視
永田淑子理事長(左)と石川直美校長