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美浪左官工業

技能五輪全国大会のようす

成長を続ける老舗左官企業。業界の発展にも尽力

「美浪左官工業」は旭川市に本社を構え、左官工事業で道北圏トップの受注高を誇る。多くの施工実績を有しており、その技術力は折り紙付き。1930年創業のいわゆる老舗企業だが、現状に甘んじること無く成長を続ける。

顧客は、地場や国内大手のゼネコンが中心。大型商業施設や高層マンションから一般住宅までオールマイティに手掛ける。近年は「北海道ボールパークFビレッジ」(北広島市)の建設やニセコリゾート開発にも参画するなど、道北エリア以外の大型案件も受注。自慢の技術力を武器に顧客から信頼を獲得している。

美浪利光社長は「当社は規模の大小に関わらず、すべての現場を同じ熱量で担うことが信条です。顧客満足や技術向上を念頭に据え、革新を続けることは、企業が成長するうえで大切なことだと捉えています」と話す。

自社の成長を加速させる一方、左官業界全体の発展や技術継承にも尽力する。

美浪社長は2017年に、全国技能士会連合会の認定を受けて、道内初の「左官マイスター」となった。

さらに22年には、日本左官業組合連合会の理事に就任。業界が抱える悩みや各地方区分ごとの課題を提起し、解決策を立案している。

8月には、帯広市で同会が主催する「全国左官技能競技大会」の開催が控える。左官職人達の技術力向上を図る全国大会で、各地から予選を勝ち抜いた11人の精鋭が集結。「業界全体のスキルアップの一助となる大会にしたい」と美浪社長は意気込む。

一方、北海道職業能力開発協会副会長の顔も持つ。

昨年、千葉県で開催された「第60回技能五輪全国大会」に、道内で選出された23歳以下の左官職人17人を引率する団長として参加。同会副会長の立場として、若手の技術力底上げにも心血を注いでいる。

美浪社長は「あらゆる建造物の現場は、さまざまな技能職がいて成り立つものです。ものづくりは生活をより良くするものです。若者には、左官業などを通してものづくりの素晴らしさを伝えていきたいです。自社の業容拡大だけではなく、業界の発展を促していくことも私の使命です」と先を見据える。

美浪利光社長
左官技能士を有する職人が多く在籍
現場で使用されるコテと原料