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向仁会

ユニット型介護医療院「喜郷」は道内初の介護医療院

医療、介護、リハを一貫提供。地域包括ケアの構築を推進

介護医療院や有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅やグループホームなど、幅広い形態の高齢者福祉施設を運営する。函館市や小樽市での展開がメーンで、全施設の合計は900床を超えており稼働率は98%を誇る。道内初となった介護医療院を開設した法人としても知られる。

阿部智哉理事長は「当法人のテーマは〝地域完結型経営〟と〝個別ケア〟です」と話す。

拠点となるのは、ユニット型介護医療院「喜郷」と介護医療院「喜郷Ⅱ」だ。両施設合わせて238床を保有しており、介護医療院としては全国でもトップクラスの数を誇る。

手厚いサービスも同施設の特徴。従来の施設介護は、30~50人を20人ほどの介護スタッフで見てきたため流れ作業のようなサービスになることも多かった。こうした問題を解消するため、入居者を10~11人のグループ(ユニット)に分け、固定の介護スタッフ4人を配置。小規模チームを編成してスタッフが密着することにより、入居者にあったきめ細やかなサービスを提供している。

また、約4000坪の広大な敷地内には「函館ファミリークリニック」「函館市包括支援センター よろこび」「指定(介護予防)訪問リハビリテーション 絆」を併設。函館ファミリークリニックには昨年、内科に加えて整形外科も新たに開設した。

これにより複合施設内で、看護と介護、リハビリまで一貫したサービスの提供が可能となり、生活支援型長期療養施設としても機能するようになった。介護施設利用者の健康管理、地域住民の治療を強化するのが狙いだ。

一方、生活困窮者や障がい者らへの困りごとの支援も行う。2022年に、市の委託による函館市地域包括支援センターを函館市桔梗に開設した。これは地域包括支援センター機能と自立相談機関を一体化させた福祉拠点で、国内初の試みとなる。

さらに、4月1日には北浜町会館(函館市)に2拠点目も開設。住民支援の充実や多世代交流への期待がかかる。

「後期高齢者が激増しており、重老齢社会が北海道にも到来しています。医療、介護、リハビリテーションを一体的に提供するためは、医療介護複合施設の拡充が必要です。今後も地域包括ケアシステムの構築を全力で推進していきます」と阿部理事長。

 

函館市地域包括支援センターではさまざまな人の支援を行う
阿部智哉理事長
住宅型有料老人ホーム「泰」