IT化と人材育成に取り組み、型枠工事業界をリードする
鹿住工務店は柱や梁、壁などの型枠工事を主事業とする専門業者。1948年に山形県鶴岡市で「佐藤組」として創業。62年に現社名に変更した。
当初は、大手ゼネコンの鹿島建設(本社・東京都港区)の下請けとして現場作業員の宿舎や事務所の建設を担い、戸建て建築や内装工事もおこなっていた。
現在は、型枠工事が売り上げの8割を占め、年間売上高は10億円を超える。型枠業界では道内5指に入る規模へと成長を遂げた。
施工実績は豊富で、オフィスビルから学校、病院、ホテル、マンションなど多岐にわたる。また、札幌芸術の森の各種施設や、札幌三井JPビルディング、北海道新幹線函館車輌基地など大規模建設にも携わったほか、サンデパート、札幌メディアパークスピカといった札幌の歴史を彩ったさまざまな建設にもかかわってきた。
そんな同社のポテンシャルを高めているのが人材育成だ。
「自社での教育はもちろんですが、若手社員を定期的に静岡県富士宮市にある『富士教育訓練センター』へ送り込み、技術指導を受けさせています」と佐藤裕幸社長。
同センターへの入学は道内の専門工事業者では珍しく、全国トップクラスの技術習得によって、将来を担う20代の若者や女性社員が成長しつつある。
このほか〝安全第一〟を掲げ、現場の安全管理の徹底はもちろん、定期的に安全管理にかかわる資機材納入業者を招き、各種法令の勉強会もおこなっている。
近年は業務効率化のため、IT化にも取り組む。業界に先駆けてスマートフォンを活用した勤怠システムを導入。建設現場での書類管理にはiPadとサーバーも活用している。また資材センター(江別市角山168番)には、高精度な積算ソフトも導入した。
「主にゼネコンなどで活用されている積算ソフトで、柱などの寸法や形状の割り出しから必要資材の数量算出はもちろん、図面の3D化や書類の作成まで対応しており、工事の迅速化に寄与しています。あらゆるニーズに応えられるように態勢を整えていきたい」と佐藤社長は意気込む。