都市間バス事業を積極的に展開。利便性高め新たなニーズを創出
道南バスは1925年(大正14年)の創業時から室蘭市内をはじめ、胆振・日高・後志管内の40市町村に及ぶ路線バスのほか、札幌、函館、新千歳空港など、道内交通要衝を結ぶ高速都市間バス、団体向け貸切バス運行が中核事業。今年6月には、室蘭と岩手県の宮古市間に就航したフェリー(川崎近海汽船)へのアクセスを、既存路線の延伸で実現した。
8月1日からは浦河と新千歳空港・JR南千歳駅とを結ぶ直通バス「特急ひだか優駿号」の運行を開始。日高地域から時間帯の早い本州向け航空便の利用を可能に。また、JR特急を利用できる南千歳駅へのアクセスも利用者に好評だ。
「これからもバスの利便性を高めることによって、新たなニーズの創出・拡大が可能になる」と石橋博信社長は展望を語る。
同社は従来より営業地域の観光振興、イベントへの協力にも積極的な姿勢を見せている。
このところ人気が高まっている室蘭の工場夜景では、見学・撮影をツアーの商品化に成功。10月から本格的な観光アイテムとして期待されている。夜景バスを運行してきた同社としても「室蘭観光協会をはじめ、関係機関との連携・協力体制を整え、地域の観光振興、活性化に貢献していきたい」(長谷川義郎取締役営業部長)としている。
室蘭は映画やテレビドラマのロケ地となることも多い。夜景のほかにも、地球岬をはじめとする変化に富んだ海岸景観なども人気がある。こうした各ポイントへも短時間でのアクセスが可能で、インバウンドなどとも関連づけて多様なバス利用につなげたいとしている。
安全面については、バス事業の原点である輸送の安全性確保を第一に、徹底した社員教育を実施する一方、NEXCO東日本と連携して、高速道路における旅客安全にも万全の配慮を払っている。さらに、沿線の樽前山、有珠山の噴火時の安全確保についても関係自治体との連携体制を緊密なものとしている。
同社の営業状況は、2018年3月期決算で6期連続の黒字を達成。今後もさらなる飛躍に向けて前進していく。