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News&Files 2020年5月号
取材日:2020年3月

写真大 J‐ティフコムの施工の様子。従来の半分以下の厚さで床版補強が可能となる

写真 三田村浩代表 写真 強靱化大賞にて、最優秀レジリエンス賞を受賞 写真 J‐ティフコムの断面。超緻密で高強度化を実現 移動式J‐Tミキサー。今後は全国での施工体制を整える予定

超緻密高強度繊維補強コンクリート J-ティフコムの普及で 国土強靱化に貢献!

 コンクリート補修補強材料の開発・製造の「サンブリッジ」(本社・札幌市、三田村浩代表取締役)の超緻密高強度繊維補強コンクリート「J‐ティフコム」が、2015年の開発以来50件以上の補修工事に使用されるなど、その認知度は全国に広がっている。

3年をかけコンクリート 補修・補強材を独自開発

 高度経済成長期に数多くの構造物が建設された日本。時は流れ、50年ほどが経過した現在、半永久的と謳われたコンクリートが寿命を迎えている。老朽化により強度に陰りが見られ、多くのコンクリート構造物で、建て替えや補修が必要となっている。国は2013年より「国土強靱化」と銘打って構造物の耐久性向上による減災・防災対策を積極的に進めている。橋梁などのコンクリート補強対策も重要な取り組みの1つだ。

 特に寒冷降雪地帯で凍結と融解を繰り返す北海道は、他の地域よりコンクリートの劣化が早いといわれている。こうした課題解決のために補修・補強材料を開発しようと立ち上がったのがサンブリッジだ。

 2014年の設立の同社は、橋梁構造物の補修・補強の技術提案をおこなっている。三田村浩代表はコンクリートの耐久性向上を図るために、13年に土木分野で有名なスイス連邦工科大学から技術指導を受け、コンクリート材料の開発事業をスタートさせた。さらに資材開発・販売の美和テック(本社・東京都中央区)と共同出資で高耐久コンクリートの材料配合を共同研究。3年の歳月をかけ14年に独自の材料配合にたどりつき、15年に超緻密高強度繊維維持補強コンクリート「J‐ティフコム」の開発に成功した。

大幅な工期短縮と コスト削減が可能に

 J‐ティフコムは、主に橋梁の床版補修を目的に開発されたコンクリートの補修・補強材料。原材料は専用のミックスセメント、鋼繊維、混和剤、水などで、何か〝画期的な新素材〟を開発したわけではない。すべて国内材料を使用し、その組み合わせや配合比率などの、ノウハウが同社の最大の強みだ。例えば水分量は一般のコンクリートの2分の1以下。2種類の補強用鋼繊維を4vol%以上含有し、超緻密で高強度化を実現した。

 これにより、長年の課題であったコンクリート内部への水の浸透を防ぎ、劣化を食い止めることが可能になった。このため橋梁施工では床版防水層を必要とせず、大幅な工期短縮が可能。

 また、従来のコンクリートの凝固時間が約28日間であるのに対して、J‐ティフコムはわずか1時間半程度で凝固するため、交通量の多い幹線道路などの工事時間も大幅に短縮される。交通規制の緩和にもつながっており、NEXCO東日本や各自治体の道路橋緊急工事を受注するなど、画期的な補修・補強材としていまや全国から50件以上の工事に使用されるなど、認知度が高まっている。

 強みは他にもある。高い流動性を確保しながら7%を超える急勾配にも対応。地形に左右されることなく施工が可能だ。打設は10㍉程度でも補強効果が期待できるため、死荷重(構造物自体の重さ)増を低減するとともに、高い耐久性を確保できる。

 既設コンクリート構造物の補修はもちろん、新設コンクリート構造物の材料としても汎用性が高い。例えば新設時に外面プロテクト材として適用すれば、劣化原因となる炭素や塩化物イオンの侵入が遮断され、構造物の長寿命化も図ることができる。 

 16年には「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)」(一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会主催)において応募総数218件の中から、最優秀レジリエンス賞を受賞。18年には特許も取得している。札幌の土木研究所で実施した試験より「100年間壊れない」という検査データも得ている。

協会を設立し 業界に革命を

 J‐ティフコムは、スチールファイバーなどを含む高粘性のため、施工時の練り混ぜには特殊なミキサーが必要となる。同社では専用の大型攪拌ミキサーや移動式ミキサー「J‐Tミキサー」の開発も手掛けており、今後は施工業者への販売も計画して全国での施工体制を整える予定だ。

 また、15年には三田村代表が中心となり「J‐ティフコム施工協会」を設立。本会員、賛助会員あわせて全国40社から成り立つ組織で、J‐ティフコムの施工、設計、研究や普及活動をおこなっている。

「J‐ティフコムは北海道の凍結融解を繰り返す積雪寒冷の過酷な環境下で開発されたことが最大の特徴。コンクリート構造物の補修・補強はわが国の大きな課題です。コンクリートの革命ともいえるJ‐ティフコムの存在を全国に発信し、普及させることで国土強靱化に貢献していきたい」と三田村代表は話す。

詳細・問い合わせはサンブリッジ

電話番号 011・768・7359まで。