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News&Files 2019年8月号
取材日:2019年6月

写真大 「北海道の企業や自治体のために役立ちたい」と熱く語る越智文雄氏。コストダウンや防災セミナーでも活躍している。

写真 体育館の天井は水銀灯が多く使われている 写真 数千万円台の予算で、1町村の主要施設のLED化が可能

蛍光灯に続き、水銀灯も生産終了 LED化の費用負担と工期遅延が自治体と道民生活を直撃する

 LEDの流通に伴い、今年3月末で蛍光灯を用いた照明器具の生産が終了。2020年には水銀灯も生産が終わる。急速なLEDへの切り替えに伴い、現在も従来型照明を使用している自治体や企業に多くのトラブルが予想されている。

蛍光灯の生産終了でトラブルが続出 

 LED照明は、白熱灯や蛍光灯に比べて長寿命で、省エネ性能が高いので普及が進んでいる。

 LEDの普及にともない従来型の照明は相次いで生産が終了。今年3月31日には照明器具メーカー最大手のパナソニックも、蛍光灯を用いる照明器具の生産を全て終了した。 

 蛍光管の生産は今でも継続されているものの、灯具に内蔵されている安定器が故障するといつ不点灯がおきてもおかしくない状態。中でも公共施設などを有する自治体や病院、教育機関や生産現場ではLED化が急務だ。

 だが、多数の照明器具を持つ業務用施設のLED化は容易ではない。

 これまでのように電灯が切れたタイミングで個別にLED化をしていくと、一括工事に比べて膨大なコストがかかってしまう。

 自治体では、あらかじめLED化の予算を計上する必要があったが、生産終了の予告がされなかったことからほとんどの自治体は予算化していない。年度途中で多額の照明の改修費を捻出するのは困難だ。

 また、仮に予算が確保できたとしても、全国で発生する駆け込み需要でLEDの生産が追いつかない事態や、工事費の高騰が予想されている。首都圏でLED化のラッシュが起きるとメーカー在庫はすぐに払底し、慢性の人手不足にある電気工事業界も納期に応えられない事態が危惧される。

来年6月には水銀灯の球の生産も終了に

「生産終了を受けて今年は全国の企業、自治体、政府機関が一斉にLED化に取り組むことになります。そのため下半期にはLED化が間に合わない事態が頻発する可能性がある。そうなれば企業の生産活動はもちろん、市民生活も影響を受けることになります。自治体が守るべき住民の安全や生命にかかわる事態もおきかねません」と危機感をあらわにするのが越智文雄氏。

 越智氏は北海道大学卒。北海道電力に入社後、危機管理対策課長、広報課長などを歴任した人物。電気事業連合会では新設された企画部の初代副部長に就任した。2008年の「北海道洞爺湖サミット」では環境総合展の事務局長も務めた電力・環境問題のスペシャリストだ。

 現在は、東日本大震災の翌年に政府が閣議決定した照明にかかわる節電対策「あかり未来計画」に賛同。12年に「あかりみらい」(本社・札幌市)を創業すると全国に先駆けてLED化推進に尽力している。

 同社では、北海道の企業や自治体が情報不足で出遅れることがないように自治体やマスコミに対して啓発活動をおこなってきた。今回の生産終了の問題についても数年前から警鐘を鳴らしている。

「急速なLED化にともなうトラブルについて経済産業省や文部科学省、厚生労働省など関係省庁は何の通達も出していません。企業経営者や首長、施設担当者レベルにも周知されておらず、憂慮すべき事態です」と越智氏。

 越智氏によれば全国的なLED化ラッシュによる問題が発生する可能性があるという。そのひとつの要因となるのが2020年の「水銀水俣条約」の発効だ。これによって同年6月には水銀を多く含む水銀灯の球の製造も終了。海外からの輸入なども禁止される。

 水銀灯はその性質上、街路灯、体育館、工場、スキー場、トンネル灯などで使用されており、製造終了になりLED化が間に合わなければ、安全上、防犯上の問題も指摘される。

 越智氏はこれまでの経験を生かしLED化の照明設計、省エネ試算、見積もりから調査、施工、補助金の申請代行のコンサルティングまで請け負っている。LED化に関するあらゆる業務を蓄積されたノウハウと独自プログラムによりワンストップで対応する。

 これまでに公共施設や病院、学校、ホテル、漁協、放送局、工場など1000件近くのLED化の提案を手がけており、昨年度は自治体では富良野市をはじめ8市町村250施設をLED化したという実績を誇る。

「予算を計上していない自治体でも長期分割の低利リースを活用すれば、LED効果による電気料金の削減範囲内でLED化の費用が自己負担ゼロで実行ができます」と越智氏。

 また、LED化は電気料金の大きなコストダウンにもなる。自治体ならば照明をLEDに切り替えるだけで、リース支払いをしながらも電気料金予算は年間数百万円から数千万円の削減が可能。

「今年度はすでに道内20を超える自治体からLED化の相談を受けています。北海道の企業や自治体が全国のLEDラッシュに巻き込まれて高い買い物をすることのないように具体的なアドバイスや提案をしています。ご相談を」と越智氏。

 問い合わせは電話番号011・876・0820。または同社ホームページまで。