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News&Files 2019年7月号
取材日:2019年5月

写真大 皆川伸社長

写真 本社エントランス 写真 「子どもたちが憧れる職業にしたい」と皆川社長

注目のビジネスリーダーに聞く 東日本工建の企業経営

 東日本工建(本社・札幌市、皆川伸社長)は、1998年創業の建設会社。特殊コンクリート工事業では道内トップ(帝国データバンク調べ)の実績を誇る。近年は建築一式工事の許可も取得し、さらに業容を拡大している。好調の要因をズバリ聞く。

幅広い業務と社会貢献活動で業界に先駆ける 

 札幌市に本社を構える東日本工建は、とび・土工工事、土木一式工事、建築一式工事を手がける建設会社。1998年に創業し、下請け主体の業界において2017度の売上高は17億円を超え、いまや特殊コンクリート工事業で道内1位(帝国データバンク調べ)の規模へと拡大している。

 主業の杭打ち工事のほか、商社機能も有しており、1級建築士も在籍。今年度から建築一式工事の許可も取得した。賃貸マンションの施工にも乗り出している。

 営業エリアは札幌圏のほか函館営業所(渡島管内七飯町鳴川1丁目1番16号)と東北営業所(仙台市若林区清水小路6番1号)の2拠点も有しており、道内外で事業を展開する。

 これまでに三井アウトレットパークやJR新函館北斗駅、新千歳空港などの工事をおこない、北海道を代表する施設の工事に携わってきた。

 さらに、業界では珍しくすべての従業員を正社員として雇用。未経験の若者も積極的に採用している。下請け企業や季節労働者が多く、就労条件が不安定。若い世代の担い手が少ないという業界にあって、強固な組織づくりをおこなっている。

 このほか、社会貢献活動にも取り組み、昨年から北海道日本ハムファイターズドリームシートにプレミアムサポーターとして協賛。子どもたちがプロ野球に触れる機会をつくっている。

 好調の同社を率いているのが創業者の皆川伸社長だ。1970年、旭川市生まれ。専門学校卒業後、複数の会社で営業マンとして勤務。その後、28歳で起業。今年で創業21年目を迎えた。

 以下、皆川社長との一問一答。

未来を担う次世代への認知度を高める

 ――なぜ起業を。

 皆川 実は、私自身は経営にも主業の杭打ちにも興味はなかったんです。ただ周囲に優秀な人間がいて、彼らと一緒に仕事がしたいと思ったのがきっかけです。

 ――強固な組織づくりを進めている。

 皆川 私は技術者ではないので、機材を自在にあやつる職人たちを誇りに思っているし、尊敬もしています。しかし、この業界は季節労働者に頼る雇用形態が主流です。優秀な技術者を雇用し続けるためには、組織が企業として安定する必要があると考えた。そこで、当社は非同族経営で法人成りをおこないました。従業員も正社員採用で企業の組織力を高めています。

 ――下請けや杭打ち業からの脱却を図っている。

 皆川 脱却を図っているわけではありません。経営者としてごく当たり前である利益の拡大に挑戦した結果です。企業は安定して収益を拡大する必要があります。杭打ちは主業ですが、そこにこだわりはありませんし、それだけでは成長に限界があります。そこで商社機能の確保や建築一式工事の資格を持つことによって、より幅広い業務や収益性の高い元請け工事ができるように取り組みました。

 ――丁寧な施工でリピーターも多い。

 皆川 建設現場は囲いに覆われ、外からは見えない。だからこそ信頼が第一です。当社は創業以来、価格競争はせず、施工品質にこだわり、なおかつ工期短縮も目指している。そこが支持されているのだと思います。

 ――創業から21年目です。

 皆川 公共事業の減少やリーマンショック、耐震偽装問題など経済状況や建設をめぐる環境が大きく様変わりした。しかし、経営者として「着眼大局」の視点を持ち、諸先輩が築き上げてきた技術、やり方を踏襲しつつも、今の時代にあった新たな形を常に模索してきました。固定概念に縛られず、柔軟な発想で取り組んだことが功を奏してきた。

 ――今後の展望を。

 皆川 売り上げを増やすことは簡単です。かといって、今後もむやみに数字を追いかけたり、建設分野から離れた多角化を強引に進めるつもりはありません。私はお金にはあまり執着がないので、従来からおこなっている組織や団体への寄付も続けていく。またわれわれは、未来を担う世代に向けて思いを残したり、伝えていく義務があると思っています。そのためには子どもが憧れる職業になれるように認知度を高めていく必要があります。そこに取り組んでいきたい。