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東京農業大学 生物産業学部
取材日:2019年5月

写真大 吉田 穂積学部長(よしだ・ほづみ)大阪府東大阪市生まれ。1987年東北大学農学研究科博士後期課程中退。東京農業大学助手、講師などを歴任。94年同大学網走寒冷地農場栽培部主任、教育研究部主任を経て2018年4月に生物産業学部学部長に就任。日本植物病理学会所属。博士(農学)。

写真 道東の大自然の中に立地する「北海道オホーツクキャンパス」

学部開設30年を機に、実体験型教育・研究の充実図る

 ──昨年は学部開設30年を迎えました。
 吉田 昨年12月に記念式典を挙行しました。高野克己学長が式辞で「北海道オホーツクキャンパスが世界の農の拠点となるべく、さらなる一歩を踏み出す」と決意を述べました。また、私も「新たに進むべき方向を考える契機としたい」旨の挨拶をしました。
 ──地域創生の一端を担う専門教育の場として定着しました。
 吉田 30年を機に本学部が地域にもたらす経済効果を調査機関に委託して調べました。対象地域は網走市内とオホーツク沿岸としました。すると本学部が存在し、学生・教職員が生活することによって、年間32億円の経済効果があることがわかりました。また、学生のアルバイトなど、地域での活動により、農漁業生産や飲食関係の売上高が約200億円に達するとの結果も出て、改めて地域における本キャンパスの存在意義を再認識したところです。経済効果ばかりでなく、地域の人口減少による人的資源を補う面でも貢献度は大きいと思います。
 ──入試にも「北海道」や「自然」のタイトルが使われています。
 吉田 受験の段階から北海道オホーツクの豊かな自然環境の中で学ぶ目的意識を強く持ってもらうために「大自然に学ぶ北海道AO入試」を実施しています。また、本学創設者・榎本武揚から受け継ぐアドミッションポリシーであるフロンティア精神、チャレンジ精神を持った専願者に実施してきた「地域リーダー育成入試」を、20年度からは「私の夢、北海道AO入試」と名称を改めます。雄大な北海道で自分の夢に挑戦したいという志願者もおりますので、ぜひ挑戦して夢の実現につなげてもらいたいと思っています。
 ──ユニバーサル化時代が目前の中、本学の取り組みは。
 吉田 やはり多様化の傾向が見られますので、教養科目が多い1、2年次生への方向づけ、アドバイスが欠かせません。その1つが週末の授業を教室での座学から離れて、実習や学外研修中心としていることです。地域に農漁業の現場があり、現地実習の場には事欠かないわけですから、まずキャンパスの外にも学びの場があることを、実体験から気付いてもらうわけです。また、上級生が1、2年生に教える場も設けています。
 今の学生は多くの面で実体験が少ない世代と言われていますので、週末の教室外授業は自ら考え、学ぶ力を養い、地域の人たちとの交流からも課題を発見していく機会になっています。
 ──豊かな自然が教育の場になるわけですね。
 吉田 そうです。以前の「地域産業経営学科」を「自然資源経営学科」と改めたのも、一般的な経済学、経営学を学ぶのではなく、オホーツク地域の産業と連携した実体験型の学び、研究が可能だからです。人口減少、地域経済の低迷といった厳しい現実の一方に、豊かな生物資源や環境の開発・利用の可能性を見出すのも、この地域ならではの学びです。
 例えば観光もかつての名所旧跡めぐりから体験型ツーリズムへと転換しています。この地域には世界自然遺産の知床をはじめ多くの観光資源がありますので、体験学習からより新しい次世代型観光の開発・提言も可能です。
 ──新たに漁業団体との連携協定も結ばれました。
 吉田 本学部には海洋水産学科があり、大学院にもアクアバイオ学専攻を設けています。そこで海洋魚介類を主体とする網走漁協と、湖水や河川で汽水性魚介類を対象に操業・養殖事業をおこなっている西網走漁協の2漁協と、より積極的に交流をして、ともに地域創生を目指すための連携です。
 ──就職状況は。
 吉田 学年に応じた就職講座のほか、進路に応じたガイダンスなどキャリアサポート体制を整えています。求人は全国平均のほぼ3倍で、伝統的に強い食品関係をはじめ、広い分野に人材を送り出しています。また、終身雇用制度が崩壊する中、変化に対応できる力を養うための支援も検討しています。1万人を超える卒業生も大きな存在となっています。

基本データ

企業名:
東京農業大学 生物産業学部
住所:
網走市八坂196番地
TEL:
0152・48・3814(入試課)
URL:
https://www.nodai.ac.jp/
教育:大学