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News&Files 2019年5月号
取材日:2019年3月

写真大 (ほうきん・きよひろ)1954年札幌生まれ。79年北海道大学医学部卒業。91年同大脳神経外科助手。2001年札幌医科大学脳神経外科教授就任。10年北大大学院医学研究科脳神経外科科学分野教授、同年北大大学院副病院長就任。13年病院長および大学副学長就任。99年日本脳卒中の外科学会賞(鈴木賞)、11年美原賞受賞。日本学術会議会員、日本脳神経外科学会理事、日本脳卒中学会理事など。

写真 時計台記念病院の改革を実施する寶金清博院長

時計台記念病院・寶金清博新院長が語る未来 目指すのは世界最高レベルの民間医療施設

 社会医療法人社団「カレスサッポロ」(札幌市・大城辰美理事長)の中核病院「時計台記念病院」の新院長に寶金清博氏が4月1日に着任した。前職は、北海道大学病院院長兼北海道大学副院長。脳神経外科の世界的権威であり、北大と札幌医科大学の両大学で教授を担った稀有な医師としても知られる。

北大病院長時代は積極的に改革推進

 ――就任おめでとうございます。時計台記念病院院長の他にも、カレスサッポロの理事兼COO(最高執行役員)も任されました。

 寶金 自分の経験を生かして患者さんのために、病院のために、法人のために尽力したいと思っています。

 ――6年間の北大病院長在任中に積極的な改革をしてきたと聞いています。

 寶金 財務改善、国際化の推進、積極的なCSR活動の3つを掲げてきました。

財務改善の1つは施設認定などの外部評価にあると考え、2018年3月には全国に11施設しかない「臨床研究中核病院」、12月に外国人患者受入れ医療機関認証制度「国際認証JMIP」、今年2月には厚生労働省の「がんゲノム医療中核拠点病院」の認定を受けています。

 ――国際化はどのように。

 寶金 いい意味で大学病院もブランド化が欠かせない時代です。例えば13年に開設した「スポーツ医学診療センター」では、通訳を導入し、海外にも門戸を広げています。

 ――CSR活動はどのようなことをしてきましたか。

 寶金 大学病院というと敷居が高いと思われがちですので、待ちではなく、地域に出ていくことが重要と感じました。北大病院で考案した健康メニューのレシピを地域に配布するなど、地道な活動を定着させています。

  ――札医大と北大の両方の大学で教授となった稀有な経歴をお持ちですが、専門分野は脳神経外科ですね。

 寶金 主に脳卒中の原因究明などを研究してきました。特に「もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)」では国際学会を開催するなど国内外で活動しています。最近は、脳梗塞の後遺症に対する骨髄間質細胞を用いた再生医療にも取り組んできました。

 ――時計台記念病院院長としても、北大で講座を持つようですね。

 寶金 「神経細胞治療講座」と「高次脳機能創発講座」を北大内に開講しました。神経細胞治療講座では米国・アシーシス社と提携しており、高次脳機能創発講座では軽症認知障害(MCI)について研究をしていきます。

 ――医療安全や医療倫理にも見識が深いと聞いています。

 寶金 1つの医療事故が病院全体の危機につながる時代です。大学病院はリスクマネジメントの意識も強い。そのノウハウをしっかりと時計台記念病院でも根づかせたいと思っています。

 ――「NPO法人北海道医療連携ネットワーク」の理事も務めています。

 寶金 病院の機能は急性期・回復期・維持期と分かれていますが、NPOでは、スマホのアプリ「あんしん連携ノート」を立ち上げ、個々人のカルテや薬の処方歴を一覧できるようにまとめ、切れ目のない医療サービスを受けられるようにしました。今後こうした役割も、時計台記念病院院長という立場で引き続きおこなっていく予定です。

新病院で近未来的な医療の提供を

 ――時計台記念病院は新院長を迎え、さらに大きな変革期にあると思います。

 寶金 JR札幌駅の隣接地へ移転リニューアルの計画が進行中です。

 ――どのような構想を描いていますか。

 寶金 ひと言で言えば「世界最高水準の民間医療施設」を目指しています。東京の聖路加国際病院のよに北海道にも世界の最先端医療を提供できる民間病院があってもいい。がんの先端治療はもちろん、脳疾患の分野ではAIやICTを導入し、近未来的な医療の提供を計画しています。また、「ペーシェントファースト(患者優先)」という従来の概念を一歩進めて「ペーシェント&エンプロイーファースト(患者と従業員優先)」に重点を置き、医師やコメディカルスタッフの職場環境やアメニティにも配慮した施設になります。その他、国連が提唱する「SDGs」(持続可能な開発目標)という概念がありますが、これには医療機関も取り入れる要素が非常に多い。先進施設の実現を目指し、期待に応えられるようにがんばります。