新センターが稼働し、より安心・安全な食材を提供
肉や野菜、魚、冷凍食品、調味料など、学校給食や病院食を調理する際に必要な業務用食材を仕入れて顧客へ提供するのが「日本栄養食品」だ。創業は1953年。当時は食料不足の時代で「子どもたちに栄養価の高い食品を食べさせたい」という創業者の思いから、脱脂粉乳でつくった粉末スープを札幌市内の小学校に供給したのが始まり。
取引先は、市内および近郊の小中学校、給食センター、全道の保育園、幼稚園、病院など多岐にわたる。単なる卸売業にとどまらず、献立作成と食材発注機能を兼ね備えたオリジナルソフト「クックNAVI」などの付加サービスも提供している。
吉田隆社長は「1カ月の献立情報を画面に展開し、必要食材の原価計算ならびに一括発注が可能です。栄養価の高い献立作成をサポートしています」と語る。また、管理栄養士が顧客に代わって1カ月分の献立を作成するサービス「クック+(プラス)」も好評を得ている。
5月には食材の仕入れ、配送をおこなう白石センターが完成した。面積は旧センターの2・5倍となる7200平方メートル。これでより大きなロットの仕入れが可能になり、仕入れコストを抑制。取引先への卸価格にも反映させている。
食の安心・安全面も徹底。食材配送には、必要量を小分けにする必要があるため、2006年に道内食品卸業初の「クリーンパッキングルーム」を設置。室内には、エアシャワーや金属探知機などの設備を整えて、新センターでも稼働中だ。
16年には食品安全管理を実践する規格「ISO22000」を取得。こうした取り組みが顧客からの信頼を得ている。
【営業部】
1課と2課、さらに企画課に分かれる営業部には26人が在籍。1課と2課は日頃の顧客訪問を徹底しており、ニーズの変化にもいち早く対応できる態勢を整えているほか、連携も密に取り、情報共有にも余念がない。
献立メニューなどの提案もするが、そのバックアップをしているのが企画課だ。4人の管理栄養士が在籍しており、取引先に応じたメニューを考案。部内に管理栄養士を置くことで、同社ならではの効率的な営業体制が構築されている。