次なるステップへ向け営業事務を集約。海外事業部も始動
全国主要7都市に拠点を置き、躍進を続ける菓子卸業大手。スーパーやコンビニなど本州大手流通との取り引きも順調で、2018年5月期の売上高は530億円に達する見込みだ。この数字は業界6位に位置し、独立系菓子専業卸としては全国トップを争っている。
こうした躍進は陣頭指揮を執る平公夫社長の経営手腕によるところが大きい。データを徹底的に生かしたリテールサポート型営業を先駆けて導入し、全国各地に拠点を整備。その後は本社に事務センターを開設し、本支店すべての事務業務を集約。コンピューターで自動処理するなどで販管費の大幅圧縮に成功した。
今後はこのノウハウを活かし、1年間をかけて営業事務の事務センター集約もおこなう。これにより人件費などを削減。利益の大幅増につなげる一方、営業マンは営業活動に集中できるため、売上増も期待できるという。
また、若手社員の海外研修や視察をおこなうなど人材育成にも定評のある同社だが、今春も新卒者15人を採用。一方、役員人事にも新しい風を取り入れるべく、〝次世代への継承〟を計画的に実施するなどブラッシュアップを進めている。
平社長は「次世代に向けて役員も世代交代を進める。新しい発想を積極的に取り入れて、5年後の売上高1000億円という目標達成につなげていきたい」と意欲的だ。
この目標達成に向けて新しい取り組みの一つとなるのが海外進出だ。そのため昨年入社し、取締役事業部長に就任した平社長の子息である元彦氏が海外事業部を新設。主にタイ、中国、台湾、香港などの東アジア・東南アジアへの進出へ向けて準備を開始した。
海外事業部は外資系企業で勤務していた元彦氏を中心に現在6〜7人で編成。同エリアで特に人気を集める北海道のお菓子の販売ルート確立を目指し、各国で商談を進めている段階だ。
平社長は「5年が一つの目処。リスクも伴うが、将来に向けてマーケットを拡大していくには大胆に舵を切ることも必要。保険をかけてリスクを最小限に抑えつつ、ナシオの将来につなげていきたい」と前を見据えた。