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Interview

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鈴木宗男〝すべてに答える〟掲載号:2015年3月

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鈴木宗男 新党大地代表

衆院7区、統一地方選、地域政党、政界再編、北方領土…
昨年12月の衆院選でも注目を集めた新党大地。4月の統一地方選に向け、ますます目が離せなくなっている。言うまでもなく〝キーマン〟は鈴木宗男氏。誰よりも北海道を愛する男が、次にどう動くのか。気になることがらをすべてぶつけた。

選挙には勝ったが勝負には負けた

――旧聞に属しますが、やはり昨年12月の衆院選について、鈴木さんの総括をお聞きしたい。
鈴木 新党大地は民主党と選挙協力をしました。これは成果があった。2012年の総選挙ではゼロだった小選挙区の議席が、民主党として3つ獲得でき、7区で225票差の鈴木貴子が入っていれば、また1人増えていたわけですから。
とくに比例区では、12年の民主党の得票率は18・2%。今回は27・5%で、約10%伸びている。得票自体も20万票増えているわけですから、これだけでも選挙協力した効果はあったと思います。
――貴子さんが民主党から立候補し、比例1位に処遇されたと聞いたときは正直、驚きました。
鈴木 選挙協力は、お互いがよかったという結果でなければいけません。新党大地は国政選挙で常に35万から40万近い票を取っている。その実績を見るならば、当然それなりの処遇をするというのは民主党の判断。われわれが決める話ではない。党本部はもちろんですが、民主党道連の横路孝弘代表を始め、選対関係者が新党大地を評価してくれた。大変ありがたかったと思います。
――比例1位なので小選挙区の戦いは緩むのではないかと見られていました。
鈴木 比例1位は民主党の判断で、こっちが口を挟むものではありません。われわれはあくまで小選挙区で勝つと。225票差という結果は、選挙には勝ったと思っています。相手には安倍晋三首相、二階俊博総務会長、石破茂地方創生大臣、山口俊一北方担当大臣、それに小泉進次郎議員が3回も入っているんですから。これだけでも60代の大の男が戦う姿じゃない。だから選挙には勝ったが、勝負には負けたと思っています。でも、何も心配ない。時が解決します。
――民主党と選挙協力を結ぶ前に、自民党との話し合いもあったのですか。
鈴木 自民党の中にも、党本部あるいは総理経験者も含めて、いろいろな配慮なり呼びかけがあったのは事実です。ただこちらは受け身の立場。自民党関係者からは、伊東良孝さんと町村信孝さんが反対で、話はまとまらなかったと聞いている。私は、それはそれでよかったと思いますよ。
――自民党からの呼びかけは、いつごろの話ですか。
鈴木 12年のときもあったわけですし、さまざまな場面でずっとです。北海道において、それぞれの選挙区事情を考えたら、新党大地あるいは鈴木宗男を無視できない。今回の選挙結果を見て、伊東さんの判断がよかったのかどうか。まさに225票差という数字に現れているのではないでしょうか。
――民主党からのアプローチは。
鈴木 民主党の選挙責任者は玄葉光一郎さんで、いち早くアプローチしてきました。昨年の夏ですが、その時は12月に衆院選があるとは思っていません。統一地方選で協力できないだろうかという話です。
解散・総選挙の一報が私のところに入ってきたのは11月9日。何が争点で何が大義名分なのか不明のまま選挙に突入しました。いまやれば傷は浅くて済むという安倍首相の判断は、結果としては正しかった。野党は時間がなく選挙協力ができませんでした。もし東京と近畿で、民主と維新だけでも選挙協力できていれば、20選挙区で自民が4勝16敗だという。実際北海道2区は、松木謙公さんと池田真紀さんの票を足すと、吉川貴盛さんより2万票くらい多い。そういう選挙区が東京、近畿でも相当数あった。
――道2区の状況をどう見ていましたか。
鈴木 松木さんが維新に行くというのは、私にはまったく相談もありませんでした。仮に相談を受けていたとすれば調整はできたと思います。松木さんだって民主党に礼を尽くせば、横路さんも太っ腹に受け入れたと思いますね。
――昨年のスコットランド独立の事象を見ていて、やはり地域政党が必要だと思いました。
鈴木 日本は北海道から沖縄まで、多様な価値観を持っています。ドイツを見てもらうといいんですが、あそこは地域政党の集合体です。そこで連立政権をつくっている。北海道は北海道の特性を、エゴと言われてもいいからアピールしたほうがいい。沖縄は沖縄、東北は東北、九州は九州、それぞれの地域政党がきちんと地域に根を張って特長をアピールして連合体を組む。そのほうがより民主的で、日本全体のボトムアップになると思います。
――それが民主党北海道なのか新党大地なのか。いずれにせよ、まずは4月の統一地方選です。
鈴木 新党大地として道議会から札幌市議会、町村議会にいたるまで、積極的に公認・推薦をして、いい議員を応援していこうと思っています。
――具体的な戦い方ですが、道議選は。
鈴木 北見市は鳥越良孝、帯広市は山崎泉、この2人の現職が再選を目指します。留萌地域からは浅野貴博を出す。ほかにも選挙区が変わった網走のオホーツク西部から新沼透。根室市、根室地域は民主党と相談中です。石狩市からは上村賢を出します。
――北見市、帯広市は民主党の推薦を受けると。
鈴木 定数1ではありません。北見市は2、帯広市は3ある。民主党と組んで2つ取ればいい。われわれも民主党議員に対して、積極的に推薦していきたい。
――数値目標のようなものはありますか。
鈴木 道議候補は4人以上出し、4人以上当選させたい。4人いれば会派として独立できますから。

自民党の道政検証を表に出すべき

――首長選は。
鈴木 札幌市長選は秋元克広さんの支持を決めました。問題は知事選。私は、知事を4期もやるというのはもってのほかだと思います。権力の一極集中はいけない。道庁の中でも、みんな高橋はるみ知事の茶坊主になっていると聞きます。そして、風通しが悪いと。
北海道の財政は大変だといいながら、1期ごとに4000万円も退職金をもらう。今度で合計1億2000万円ですよ。もう1期やって、さっさと東京に引き上げるというのでは、誰も納得しません。
――いまのところ対抗馬は、フリーキャスターの佐藤のりゆきさんしかいません。佐藤さんについては。
鈴木 テレビなどで一緒になることもあり、よく存じています。佐藤さんの知名度を持ってすれば堂々たる戦いができると思います。
――支援を考えている。
鈴木 東京の言いなりで、上から目線の官僚手法よりは、声なき声を聞く下からのボトムアップ、庶民のリーダー、真の道民党を標榜している佐藤さんのほうがずっと人間的だし、なんと言っても北海道への愛着、思いやり、情熱が優れていると思います。
与党である自民党が高橋道政を検証していますが、その結果はマイナス点が多かったと、私は自民党関係者から聞いています。だから出せない。まずはその検証を表に出すべきじゃないですか。出せないところに、自民党議員の中にも、本当にこの人でいいかという疑問があるのだと思います。それを勝手に道連会長あたりが下とも相談しないで、現職ありきみたいな流れをつくったと、内部でも不満があると聞いている。
――7区の基幹都市・釧路市ですが、外から見ていると停滞している印象があります。
鈴木 市政の停滞はない。蛯名大也市長が一生懸命やっていますから。昨年の財界さっぽろ12月号に「釧路の停滞の原因は、蝦名の能力の低さによるところが大きい」と、あたかも私のコメントのように書いてありましたが、私はそんなことを言ったことはありません。私は蝦名市長を大変評価している。あとは政治家の使い方です。
――どういう意味ですか。
鈴木 釧路にはコールマインという国内唯一の炭鉱があります。その国の予算ですが、今年は4億円も切られている。率にすると25%のカットです。異常でしょう。与党の政治家がいないのかと思う。
――いますね
鈴木 与党の政治家が「与党でなければ仕事ができない」といいながら、何で25%も切られるのか。それは個人に力がないからですよ。私が現役のころは帯広、網走、釧路の開発予算といったら、釧路は最低でした。帯広の半分、網走には75%の差をつけられていた。でも私は3年で五分に並べましたよ。25%も切られて黙っているというのは〝政治がない〟ということでしょう。
――蛯名市長は行政の長として能力があると。
鈴木 いま何が必要か、何をしなければいけないか、そういう勘がいい。そして、人間関係を大事にしている。過去の経緯を忘れない。こういった資質が彼の一番の財産だと思います。
――どう培われて。
鈴木 そこは「鈴木宗男」の姿を見ているからですよ。私が逮捕されても収監されても、なぜ人が離れないか。私がいい加減な政治家だったり、信念のない政治家だったらとっくに消えてますね。しかし、私と付き合った人は絶対「鈴木宗男」なんです。松山千春さんを見てください。北海道が生んだ日本のスーパースターです。政治と宗教には口を挟むなと言われる芸能界にあって、そんなタブーを乗り越えて「鈴木宗男」といってくれるところに「鈴木宗男」の真実があると思っている。その生きざまを一番身近で見てきているのが私の秘書だった蛯名君です。市長として何が必要か、どういう立ち位置が必要か百も承知。分をわきまえた名市長です。
――秘書時代から光るものがあった。
鈴木 中川一郎先生が亡くなった後、根室・釧路を当時23歳の蛯名君が責任者で回った。34年前、私の1回目の選挙のときよく言われたのが「鈴木宗男は知らないが、この若い兄ちゃんが一生懸命やっているんだから、鈴木も何かいいところがあるんだろう」と。そういう声が聞こえてくるくらいだった。
――釧路市の命運は、政治家がいるか、政治力がつくれるかどうかだと。
鈴木 釧路市に政治家はいる。ただ、釧路市の発展のためには、与党だ野党だと色分けしてはいけない。ここでしょうね、伊東さんに足りないのは。オール与党で釧路をよくしようという発想を持てるか持てないか。少なくとも市民から圧倒的に選ばれたのは蛯名君です。同時に貴子にしても五分の戦いをしている。ここは謙虚に仲よくやって、釧路のために一枚岩になるくらいの腹を持ってほしい。

領土問題は首相がカードを切る番

――今年、北方領土問題は動きそうでしょうか。
鈴木 戦後70年の大きな節目の年。ここは安倍首相に頑張ってもらいたい。外交には相手があります。日本の主張だけが通ることはありません。とくに領土問題。国家主権にかかわる問題は、お互いの名誉と尊厳がかかっている。まず100対ゼロはない。こちらが4島返せといっても、そのまま返しますということにはならないのです。
ロシアは話し合いで解決しようと言っている。それを粘り強くやるしかない。プーチン大統領にしてもラブロフ外務大臣にしても、過去にまずは2島を返す義務があると言っているんです。ここは飛びつくべきだと思いますね。
――それをよしとしない勢力がある。
鈴木 はっきり言って、外交には相手があるということを知るべきです。
――プーチン大統領は来日できますか。
鈴木 来てもらわないと困りますね。プーチン大統領はロシアの世論調査でも80%の支持がある。安倍首相も50%を超えている。国家主権にかかわる問題は、最後は国の最高トップの判断ですよ。そういった意味ではプーチン大統領のときにしか解決できない。
――日本はアメリカに気兼ねしている。
鈴木 ウクライナ問題のとき、アメリカに引きずられて日本は失敗しました。何もアメリカの価値観、欧州の価値観を日本は鵜呑みにする必要はない。
――安倍さんがその決断をできるかどうか。
鈴木 できますね。安倍首相のお父さん、安倍晋太郎先生も日ソ問題に関心を持っていた。いまでも思い出します。ゴルバチョフ大統領が来日した1991年4月、晋太郎先生は入院していた順天堂大学病院から車椅子で迎賓館にこられて、ゴルバチョフ大統領と会いました。そのとき車椅子を押していたのが現首相です。お父さんの思いは頭に入っていると思います。今年はまさに安倍首相がカードを切る番なのです。

=ききて/鈴木=