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Interview

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謙虚な姿勢で一つひとつの
選挙を勝ち抜く
掲載号:2016年3月

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稲田朋美 自民党政務調査会長

安倍内閣は「一億総活躍社会」を掲げ、女性の活躍を推し進める。4期で自民党4役の1つである政調会長に抜てきされた稲田朋美氏は、その象徴的な存在だ。また、日本初の女性総理に最も近いといわれる。そんな稲田氏が大いに語った。(取材日=2月3日)

女性が活躍する福井は私の誇り

稲田朋美氏は1959年2月20日、福井県今立町(現・越前市)生まれの56歳。早稲田大学法学部卒。弁護士時代は「百人斬り」報道名誉毀損訴訟などに携わる。2005年の衆院選に福井1区から出馬、初当選。その後、10年に自民党副幹事長、12年に行政改革担当大臣として初入閣。14年9月から党政務調査会長を務める。現在4期目。
だてメガネと網タイツ姿がトレードマーク。福井県の名産を身につけ、地元をPRしている。

――共同通信社が1月30、31両日におこなった世論調査では、安倍内閣の支持率は53.7%でした。昨年12月の前回調査より4.3ポイント上昇しました。この間、甘利明経済再生担当大臣(当時)の金銭授受問題がありました。この結果をどう受け止めていますか。

稲田 甘利前大臣はずっとアベノミクスをけん引されてきた非常に重要な閣僚でした。今回の疑惑についてご自身の問題と秘書の問題に分け、第三者に調査を依頼した上で、事実関係をわかっている範囲でしっかりと説明された。

その上で、大臣を辞任し、けじめもつけられた。甘利前大臣の責任の取り方について、理解をしていただいた国民も多かったのかなと思います。また、甘利前大臣のこととは別に、経済政策、外交問題など、安倍内閣のさまざまなことを評価していただいているのではないでしょうか。

――安倍内閣は政権運営の看板政策として「一億総活躍社会」を掲げています。その実現の鍵は「女性の活躍」としています。稲田さんは3期目で政調会長に抜てきされ、その象徴のような気がします。

稲田 実は福井県の女性は働き者で、3世代同居もけっこう多くて、共働き率も前回調査で全国2位です。女性が働くのが当たり前なんですよね。公民館と学校の校区が一致していて、地域全体で子どもを育てようとしています。子どもの学力・体力調査も秋田にならんでトップです。

福井県は地域社会がしっかりしているんですね。そういう土地柄が選挙区というのは、私自身の誇りです。安倍総理の女性活躍の政策は、必ずしも女性が外で働くべきだというのではありませんが、働く女性が増えることは女性活躍の1つの指標になります。

私も安倍内閣を支える党の立場として、バックアップしていきます。

「空」という政治信条で本質を見る

――稲田さんには、日本初の「女性宰相」の最有力という呼び声もあります。

稲田 夢を大きくということですね。政治家であるなら誰でも、最終目標は総理でしょうから。ただ現実的には、能力・経験ともにまだまだ勉強しなければいけないし、たとえ能力、実力が伴ったとしても、タイミング・運もありますよね。

私は「空」という言葉を大切にしています。弁護士になるとき、哲学者だった叔父がこの言葉を送ってくれました。

これは「保守だからこうすべき」という固定概念にとらわれず、自由な発想、魂で本質を見る。そして目標は高く、しかし目の前のことを自然体でしっかりやっていきたいですね。

――4月に道5区補選がおこなわれます。自民党本部として、この選挙の位置づけを教えてください。

稲田 今年は「選挙」という意味で、とても重要な1年です。1月に沖縄の宜野湾市長選がありました。その次は北海道5区の補選です。夏の参院選につなげる意味でも、私が所属する派閥(現・細田派)のトップだった町村信孝会長の選挙区という意味でも、しっかり勝っていこうと。いま、自民党の役員会、役員連絡会でも心を1つにしているところです。

――自民党は町村さんの娘婿である和田義明さんを擁立します。

稲田 和田さんは非常にさわやかですよね。スポーツマンで、商社時代に外国での勤務経験もあります。誠実で真面目な印象も受けますので、いい候補者だと思います。

――鈴木宗男さんが代表を務める新党大地が、和田さんに推薦を出しました。

稲田 鈴木先生の新党大地は、北海道で大きな影響力を持っていらっしゃいます。今回、和田さんに応援をいただけることは、とてもありがたく、心強いです。

――さらに7月の参院選、次期衆院選でも、自民党は新党大地に選挙協力を求めるという話もあります。

稲田 その点は承知しておりませんが、党と党の関係ですので、安倍総裁、そして谷垣禎一幹事長がご判断されると思います。

党役員会の合言葉は「謙虚になろう」

――その参院選ですが、北海道選挙区は、自民党から現職の長谷川岳さん、新人で道議の柿木克弘さんが出馬します。

稲田 長谷川先生とは派閥も同じで、若くてエネルギーのある方だと思っています。まだ柿木さんと親しくはお話していないのですが、北海道のことをすごく理解されている方で、道議としてTPPの問題や北海道開発に取り組んでこられました。地元のさまざまな課題に取り組んでいただけると期待しています。

――次の衆院選の時期については、どう分析していますか。

稲田 私にはわかりませんし、申し上げる立場でもありません。しかし、衆議院は「常在戦場」、前回もそうでしたが、いきなり解散が来ますから。現在の心構えを福井弁で表現すると「へいぜい、ごうぜぇ」(平生業成:へいぜいごうじょう)でしょうか。「日ごろの行いが大切」「毎日を大切にする」ということです。

いま、自民党の役員会では「みんなで謙虚になろう」と声を掛け合っています。たとえば、今回、心配していた内閣支持率が下がりませんでした。
こういうときだからこそ、気を引き締めてしっかりやっていこうと。常に執行部では、それを合言葉にして党運営をおこなっています。

やはり下野し、野党を経験したことが大きいと思います。決しておごることなく、一つひとつの選挙を確実に勝っていくことが、何より重要になります。

2月には前田一男先生(道8区)のセミナーに出席するため、函館に行きます。北海道新幹線で行きたかったのですが、まだ開業していないので残念なんです。私も5区補選、参院選と、全力で応援させていただきます。

札幌延伸前倒しに必要な地元の熱意

――道新幹線が3月26日に開業します。与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の座長だった町村さんが衆院議長に就任し、稲田さんがその後を引き継ぎました。

稲田 北海道は待ちに待ったという心境ですよね。私もその気持ちがわかります。よく似た状況が北陸でもあって、昨年、金沢まで新幹線が開業し、ものすごくにぎわっています。

当初、金沢まで新幹線が来たら、福井が取り残されるという見方もありました。ところが、いざ開業してみると、金沢から芦原温泉や恐竜博物館まで足を延ばす人も多くいるんです。経済効果は絶大で、誰も新幹線はムダと言わなくなりましたよね。

本州から函館まで新幹線一本で行けるというのは、すごく魅力的です。北関東の人たちが羽田空港から飛行機で北海道に行くことを考えたら、とても便利になりますよね。函館は観光名所も多く素敵なまちです。
函館に限らず、北海道は憧れの地でしょう。実は私も住みたくて、北海道大学に行きたいと思っていた時期もあるんですよ。本が好きなので釧路もそうですが、北海道には「氷点」や「挽歌」などロマンチックな小説の舞台になっている場所がたくさんありますから。

――札幌延伸は2030年度が予定されています。さらなる工期期間の短縮を求める声があります。

稲田 15年1月に札幌延伸を5年前倒しさせていただきました。これは、私の地元の福井県も同じですけれども、早く新幹線が来てほしいという思いは共通しています。

伊達忠一参院幹事長をはじめ、北海道選出の国会議員のみなさんは「なるべく早い開業を」とおっしゃっています。財源確保が一番の問題になりますが、地元の方々の意見を聞きながら、進めていくことになります。

――いま、札幌五輪の招致運動を進めていますが、30年の開催が現実的です。今後、五輪招致と連動させた札幌早期開業実現の運動も考えられます。

稲田 札幌五輪の開催が決まれば、海外から来られた方の観光もあるので、そういう機運は盛り上がってくるでしょう。地元の皆様がたの熱意がどこまであるかに関わってきます。

――北海道新幹線の運行時間の短縮問題については。

稲田 いま、木村太郎先生(青森4区)がワーキングチームをつくられて、貨物列車との共用区間である青函トンネル内の課題解決のため、熱心に議論をしています。新函館北斗―東京間の最速は4時間2分ですが、なんとか4時間を切って時間を縮めていきたいと。

安全性の確保が一番重要になりますので、技術開発と同時に考えていかなければなりません。いま、3つくらいの案が出ていますが、一つひとつ検討していくことになるでしょうね。

=ききて/前田=