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Interview

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誰もが輝いていられる社会づくりを手伝いたい掲載号:2014年1月

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安倍昭恵 内閣総理大臣夫人

 森永製菓元社長のご令嬢で聖心女子専門学校卒業。電通に入社後、25歳の時に現総理の安倍晋三氏と結婚。その飾らない人柄で「アッキー」の愛称で呼ばれることもある安倍昭恵さん。夫との生活、新たなファーストレディー像、原発問題などにも言及する。

居酒屋の女将として接客を1年

――全国いろいろまわられているようですね。
安倍 呼んでいただいているところには、うかがうようにしています。
――北海道のほうには。
安倍 北海道は親しい方がいまして、年に1回か2回は来ています。
――お忙しい毎日。
安倍 そうですね。最近は主人とゆっくり一緒にいる時間がほとんどなくて。ちょっと主人には申し訳ないなって感じです。
――総理の健康状態はどうですか。
安倍 多少、風邪をひいたり疲れたりということはありますが、持病に関しては、まったく大丈夫です。
――妻として気をつけていらっしゃることは。
安倍 いろんな方から聞かれるんですけど、なかなか行き届かないところが多くて。家で食事をするわけでもないですし、いまは朝食もきちんと食べられるわけでもありません。主人の健康管理といえることは、ほとんどできていないのかなって感じです。
――話ができる時間もあまりないと。
安倍 主人が家に帰っても、お互いに他にやることがあったりとか。週末も結構、お互い地方に行ったりしますので。普通のご家庭がどの程度なのかわからないですけど、ゆっくり話をするということは本当に少ないかもしれないですね。
――テレビなどでは一緒にゴルフをやっているようなところが映りますが。
安倍 それは夏休みの時だけですね。主人はゴルフに行っていますけれども、それは友人たちとか、親しいお知り合いの方たちで。私は全然誘われないので別行動しています。
――昭恵さんのきれいなスイングを週刊誌で拝見したことがあります。
安倍 ちょっとその写真を見ていないので、どんなフォームが載っていたのか知らないですけど(笑)。
――ゴルフはよくやられるんですか。
安倍 一時、好きでよくやっていたことがありました。でも今は、あまりやりたいっていう感じでもないので、すっかり下手です。
――「新しいファーストレディー像をつくりたい」といった趣旨の発言をされていますね。実際に農業をやったり、居酒屋の女将さんをやったりしています。
安倍 でも、パーフェクトにやっているわけではありません。今は人まかせみたいな感じなので、偉そうには言えないです。
――農業はどちらで。
安倍 山口県下関の安岡というところでお米をつくっています。
――きっかけは。
安倍 直接のきっかけは東日本大震災だったのかもしれません。でも、以前から自給自足の生活のようなことに興味はありました。3・11があって、東京のスーパーやコンビニから物が消えていくのを見て、やはり食料は大事だということを思いしらされました。自分でやらないと説得力もない。そこで、下関の農家の方にお願いして、無農薬のお米をつくりはじめました。
――では米づくりを始めて3シーズンが終わったというところ。
安倍 そうですね。12年末に主人が総理になり、13年はやったといえない感じです。田植えはしましたけど、その後は草取りもほとんどできなかったですし、稲刈りの時期が害虫の発生で早まってしまって、私のスケジュールがほとんどあけられなくて、本当に少ししかできなかったんです。
――居酒屋の女将さんはいつからですか。
安倍 12年10月にオープンして1年が過ぎました。
――こちらのきっかけは。
安倍 山口県から東京に出てきた、割と若い人たちと食事をするような機会が多くて、そういう人たちが集える場所がほしいなあと。また先の通り、無農薬のおいしいお米もつくっているので、それも多くの方に食べていただきたいということもありました。そういうコンセプトを仲間と語り合っていく中で、国産、無農薬、無添加みたいなものにこだわっていこうという方向性で東京・神田に居酒屋「UZU」ができました。食の安全を考え、安心して食べられるものを提供したいと思っています。
――店にはどれくらいの頻度で出られるのですか。
安倍 主人が総理になるまでの間は毎日のように出ていました。でも総理になってからは、やっぱりちょっとまずいんじゃないかということになって。今は接客という形では出ていません。店でやる勉強会や会合にお客として行っています。
――以前は接客もやられていたんですね。
安倍 いろんな方が来られて、いろんなお話しをうかがえて、すごく楽しい場でしたよ。
――ほかにもラジオパーソナリティーとか月刊誌のインタビュアーなどもやられていますが、制約はないのですか。
安倍 とくにないです。いろんなご批判はありますけれども(笑)。
i2――総理は妻の行動に何か言っていますか。
安倍 主人は、私のやることに対して任せてくれているので、何もうるさいことは言いません。メディアですね。週刊誌とかネット上とか。そういうところでいろいろ書かれたりはしますが、最近はあまり気にしていません。
――アクティブに動かれているのは、国民の側からすると、新しいファーストレディー像だというふうに感じますけどね。
安倍 これまでにも総理夫人はたくさんいらっしゃって、それぞれのスタイルでいいと思います。日本の場合は、総理夫人がこれをしなきゃいけないとか、ほとんどありません。結構、好きに動けるんです。

原発以外のエネルギー政策が必要

――13年10月にはAPECの首脳会議でインドネシアに行かれました。その際、韓国の朴槿恵大統領と握手をして談笑している絵が世界に配信されました。
安倍 隣国ですから、仲よくするのは当然だと思います。私としては、とくに批判されるようなことをしているつもりは全くないんですけども。
――中国・韓国との関係は、今後どのようなものにしていったらいいと。
安倍 主人は「いつでもこちらは扉を開けている」と言っています。そうは言っても国と国ですから難しいところもあるのかもしれない。それでもやはり隣の国ですし、経済面であっても民間交流であっても、切っても切れない仲であることは間違いありません。草の根でつながっていけば、いい方向にいくのではないかと、希望的観測ですが思っています。
――この問題で総理とお話することは。
安倍 とくに何かということはないですが、9月に東京でおこなわれた「日韓交流おまつり」に私が参加したところ、フェイスブックに批判的なコメントが入っていたことは、一応主人の耳にも入っているようで、気遣ってくれました。
――ご主人の政治の師匠でもある小泉純一郎さんが「脱原発」を訴えて大きな反響を呼んでいます。あの発言はどう思われますか。
安倍 ちょっと唐突な感じはしますけれども。
――心情的には。
安倍 方向性としては、私もそちらに向かっていってもらいたいと思っています。ただ小泉さんの発言に関しては、今の段階ではちょっとよくわかりません。
――ご自身は原発問題をどう思われていますか。
安倍 福島の現状を見ていると、やはり原発以外のエネルギー政策が必要だと思います。もう少し、いろいろな技術が出てくるような。そういう土壌をつくっていければいいと思います。原発の影で埋もれているものがまだまだあるんじゃないかなと思います。
――原発問題について総理とお話しすることは。
安倍 あまり話していません。
――夫婦の会話でよく話題にあがるのは。
安倍 私が主人の代わりに地元・山口に入ることが多いので、そうした地元の方たちとのお付き合いの話とか、地元じゃなくても地方に行ったときに主人の関係者と会った時のことを話したりとか。そんな報告のようなことが多いですね。

お互いを認め合える社会こそが健全

――よく被災地にも行かれていますね。
安倍 定期的に何をしに行っているというわけではないんですが、できるだけ多くのところに行って、みなさんとお目にかかって、いろいろなご意見をうかがっているという感じです。
――秘密保護法案が衆議院を通過しましたけれども、国民は法案そのものに大きな不安を抱いています。昭恵さんは政府の進め方をどう思われますか。
安倍 私にはよくわかりません。わからないと言ってはいけないのかもしれませんが、必要だから法案が出たのでしょう。外国との関係において、そういう法律がないとスムーズに事が運ばないところがあるのだと思います。政治も外交も、きれい事だけでは済まないところがたくさんある。すべてを国民にオープンにしたほうがいいと言われればそうなのかもしれませんが、そう単純な問題ではないんだろうなあとは思います。
――ちょっと拙速すぎるという印象は持ちませんか。
安倍 そういうご意見もあると思いますが、それをわかった上で進めているんだと思います。ひょっとして「反対」と言わせたいんですか(笑)。
――いえいえ、率直な感想を聞きたいだけです。
安倍 そうですよね。ただ、主人の足を引っ張るようなことはしたくないと思っているんで。
――最後に、これから日本はどんな社会を目指すべきだと思いますか。
安倍 私は今の社会から少し外れてしまっているところに目を向けていきたい。どんなに違っていても、どんなに少数派であっても、みんなが光り輝いていられるような社会。誰もが神様から与えられた使命、役割があります。それをお互い認め合えるような社会こそが健全です。そんな社会をつくるお手伝いができればいいなと思っています。

=ききて/鈴木正紀=