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Interview

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自民党を闘志あふれる
“戦う集団”に
掲載号:2016年10月

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二階俊博 自民党幹事長

自民党本部幹事長室の椅子にドシッと腰を据える二階俊博氏。大物政治家が放つオーラの1つに“すごみ”があるが、二階氏はそれを感じさせる数少ない国会議員だ。8月上旬の自民党役員人事で新幹事長に就任。同党を“戦う集団”にし、安倍晋三総理を支える。

国会議員は自分で自分を磨かんと

――北海道は8月、相次ぐ台風による暴風雨で甚大な被害を受けました。自民党本部としてどう復旧対策に取り組んでいきますか。

二階 8月28日に深川市や美瑛町を訪れ、被害にあった現地をつぶさに拝見しました。

高橋はるみ知事もわれわれの調査に同行してくれましたので、道の意見も把握しています。今後、道にお願いしなければならないこともあると思います。

今日(29日)の午後4時から党本部で、北海道の災害に特化した委員会をつくり、問題がこれで解決だというところまで、しっかり対応していきます。もちろん「激甚災害」の手続きについても、しっかり政府の対応を急がせたいと思っています。道と自民党本部が手を携えて、問題解決に取り組んでいきたい。

――二階幹事長が派閥の会長を務める「志帥会」の夏季研修会が、8月26日から28日まで、北海道で開かれました。

二階 以前はいろいろな派閥でも、時間をかけて勉強会を開催しました。われわれは2泊3日ですが、本当はまだやりたいことがたくさんあるんです。

こうした派閥の研修会は、党の活性化のために競い合ってやればいい。夏に集中させる必要はありませんが、自民党としても若手の研修会、女性の勉強会もできるだけ開催する。

自民党とともに歩む政治の実態はどうなのか。みんながそこに確信を持って、ほかの同志に語り継げるような環境にしていかなければなりません。

実はこれまでの永田町を振り返っても、これだけ若い議員が出てきている時代はないんですよ。

地域からたくさんの票を頂戴して、推されて出てきた者として、その期待に真剣にどう応えていくのか。これが国会議員として何よりも大事なことだと思うんです。

私も初当選からその道をたどってきましたが、若いときに国会議員だということで、ちやほやされる場面もあります。そこで、自らどう鍛えていくのか。どう戦って、チャレンジしていくのか。それがなければ成長はない。

国会議員に教えてくれる人は少ないんです。自分で自分を磨かなきゃいかん。国会議員にまでなったら、誰かに教えてもらうもんじゃない。

そこは緊張感を持って、われわれも含めてしっかりやっていかなければいけないと思います。自民党所属国会議員全員が、そういうことへの心構えを持ち、自らを律することが大事でしょうな。

「戦う土地改良」で参院選に勝利

――二階幹事長は研修会の挨拶で志帥会を「戦う政策集団」と表現していましたね。

二階 やはり政策を戦わせないと。言っているだけではどうしようもないんです。実行し、実現するためには、それ相当の闘志を持つ。常に責任を持って自らに言い聞かせながら政策を前に進めていくことが大事です。

戦うという意味では、選挙も同じです。たとえば、7月の参院選全国比例区には、全国土地改良政治連盟の組織内候補として進藤金日子先生を擁立しました。土地改良は2010年、13年の参院選で候補を擁立せず戦わなかった。

今回の参院選前、関係者からは選挙のやり方がわからない、どうすればいいのか、という声が多かったんです。そんなことじゃ、自分たちが理想とする農業、土地改良を推進していくことはできない。

この際、進藤先生のためだけではなくて、この選挙は土地改良、農業を活性化するために必要だと位置づけ、そのためには闘志を持って立ち上がろうと。

私は昨年、全国土地改良事業団体連合会の会長になった際の挨拶で「戦う土地改良」と申し上げた。それを聞いた人たちは、びっくりしとった。

結果的に今回の選挙では、約18万票を獲得し、進藤先生は当選しました。ご本人も立派ですが、それを支えてくれた関係者の結束がモノを言ったんです。

戦う気力のないものはダメというのは、自民党の国会議員にも同じことが言えます。財務省に政策の説明に行っても、ひょろひょろして何も主張できなければ、官僚に予算を切ってもたいしたことないと思われる。

たとえば、こっちが真剣なまなざしで闘志満々、農業の近代化、農業の将来のためにこういうことがしたいんだ、と訴えれば、財務省だって理解しますよ。そうした戦う状況をあらゆる場面につくっていきます。

――現在、自民党員の獲得に力を入れています。

二階 いまは全国で98万人ぐらいで、あと2万人で100万になります。自民党として戦いながら党員をしっかり集める。そして多くのみなさんと議論を交わすんです。その上で、ご意見を頂戴し、またわれわれの考えもお伝えする。党員と一緒になってやっていくという気概がなければ、政策も何も実行できません。

国土強靱化推進本部は総裁直属機関

――二階幹事長は運輸大臣(現・国土交通大臣)、北海道開発庁長官を務めたことがあります。北海道ともつながりが深いです。

二階 北海道開発庁長官を務めていたとき、私は北海道のすべての支庁を訪問し、それぞれの地域の開発、発展への道筋を明らかにしていきたい、と考えていました。

北海道に関わる仕事をやっている間は、海外出張はしないと心に決めていた。

ところが、在任中の2000年に有珠山が噴火した。被災地の復興が急務で、それを横目に各支庁の行脚はできませんでした。北海道のみなさんには大変お世話になっております。いまでも、当時抱いていた北海道の新しい時代をつくりたい、という強い思いは、変わっていません。

――旧運輸省は北海道の主力産業である観光業も所管していました。

二階 財界さっぽろさんの創業者・薩一夫さん(元北海道観光連盟会長)がご健在の頃、「観光・北海道」をキーワードによく議論したものです。私は07年にご逝去されるまで交流を続けており、薩会長は北海道観光のためには、なくてはならない存在だと思っていました。

薩会長の北海道発展にかける情熱をいまでも覚えていますので、われわれも期待に応えていかなければならない。薩会長も天国で見ておられるでしょうから。

北海道は着いたときから観光で満ちあふれていますよ。それをいかに国内外で認めてもらうかに多少の工夫はいりますが、北海道のみなさんが取り組んでおられていることで、成果を収めていると思います。

観光で来た人は、北海道で誰と出会うかわからない。北海道全土で「さぁ、観光客を迎え入れよう」という意気込みを示すことが、大切ではないでしょうか。

――二階幹事長は国土強靱化推進本部長を務め、熱心に取り組んでいらっしゃいます。

二階 災害に強い国土づくりは最重要課題です。このたび、国土強靱化対策本部は自民党本部で、総裁直属機関を意味する党則「79条機関」になりました。これまでは同本部は党の政務調査会に属していましたが、今度は格上げされることになりました。

さらに真剣みを帯びた組織として、しっかり取り組んでいきます。やることはたくさんあります。これでおしまいということはありません。容易ではない長い道のりですよ。われわれは辛抱強く、粘り強く、この問題と対決していかなければなりません。

――16年度第2次補正予算案で、北海道開発予算は956億円です。その中に「21世紀型のインフラ整備」という枠で、豪華客船を誘致するための港湾整備が組み込まれています。

二階 これから大量の観光客を受け入れようと考えた場合、クルーズ船が一番適しています。一度に5000人、6000人が船から降りてくるわけですから。それは飛行機では何機分に相当するのか。比較にならない輸送量です。クルーズ船が着岸できるように港湾を整備していく必要があります。

“ポスト安倍”は安倍総裁の理由

――伊達忠一参院議員が参院議長に就任し、新しい自民党道連会長に吉川貴盛衆院議員(道2区)が就任します。

二階 私が経済産業大臣のときに、吉川先生には副大臣をやってもらいました。副大臣として全国各地をまわっていただき、大変ご活躍いただいた。

いまや吉川先生は、自民党の中心的な存在になりました。党本部の経理局長も務めています。いよいよ、彼の出番が来たな、という印象です。

――安倍総理の自民党総裁任期は、18年9月までです。二階幹事長は総裁任期の延長について、「大いに検討するべき」という立場です。

二階 第二次安倍内閣の実績、国際社会の評価を比べると、答えはおのずから明らかじゃないですか。総理大臣が1年でころころ代わった時期がありました。総裁が1年で代われば、名前も覚えきれない。

いま、安倍さんが自民党総裁、総理であることを知らない人はいないでしょう。これは総理自身のご努力も大いにありますが、同時に引き続いてそのポストで頑張っていただいているからこそです。総裁選をいつにするとか、そんな細かいテクニカルの話ではなくて、日本の総理大臣に誰がいいのかを心静かに考えると、そんなに数多くいるもんじゃない。

いま、安倍総理が懸命に頑張っておられる。われわれ党本部は、これを全面的にご支持申し上げることが大切です。あまり前後左右、思いめぐらすことはないんです。

先日、どなたかに「安倍総裁の後は誰なんですか?」と聞かれました。私は「安倍総裁の後は安倍総裁ですよ」と言ってあげた。これが私の総裁任期への考え方です。

――本日はお忙しいところありがとうございました。(取材日=2016年8月29日)

=ききて/前田圭祐=