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Interview

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政府・与党一体で「地方創世・女性の活躍」に全力掲載号:2014年11月

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伊達 忠一 参議院自民党幹事長

 参議院議員・伊達忠一氏が、内閣改造に伴う党人事で、参議院自民党幹事長という要職に就き「参議院の実力者」として一段と存在感を高めている。 安倍改造内閣の目玉である「地方創生」「女性の活躍」を中心に、伊達氏に聞いた。

国対委員長としてらつ腕ぶりを発揮

2013年7月の参議院選挙で3選を果たした伊達忠一氏。この1年は自民党参議院国会対策委員長として大いに汗をかいてきた。
14年度総予算が3月20日に参議院本会議で可決したが、可決日では歴代3番目、審議時間(67時間56分)では歴代1位の早さだった。
また、通常国会では提出法案81本のうち79本を成立させ、法案成立率97・5%と、きわめて高い水準を記録し、国対委員長としてらつ腕ぶりを見せつけた。
伊達氏は、派閥の親分である森喜朗元総理の側近として知られている。青木幹雄氏(額賀派)、古賀誠氏(宏池会)ら、議員を引退したいまなお政界に隠然たる影響力をもつ大長老からも目をかけられてきた。
国対委員長は、与野党を超えての顔の広さや、交渉力、調整力など根回し能力が求められるが、伊達氏は野党時代から国対の筆頭理事や副委員長を経験。
党内のほかの派閥の議員と渡り合ったり、公明党、民主党など他党とも太いパイプを築いてきた。
「人の和」を大切にするというのが伊達氏の変わらぬスタンス。すでに党内では「参議院の実力者」と目されてきた伊達氏だが、参議院自民党幹事長就任で一段と存在感が高まっている。
SP・警護車つきのVIP役職。本道選出の参議がこのポストに就くのは初めてのことである。
◇    ◇
――法案成立率97・5%。国対委員長としてずいぶん奮闘しましたね。
伊達 事実上100%だったんです。新聞に「たるんでる厚労省」と書かれたように、厚労省の法案の資料に誤記があるなど、信じられないような単純ミスが続き、廃案にした。それで97・5%になったんです。
条約は100%通しましたし、安倍総理の外遊については私は110%だったと言っているんです。
例えば総理がG8に行きたいとか、国連に行きたいというのを、全部予定通り出発させました。
――110%とは。
伊達 それはですね、予算委員会の集中審議が入ったりすると、総理が拘束されるので外遊できなくなってしまう。
ちょうど補正予算の時に、総理がソチへ行ってプーチン大統領とどうしても会いたい、となったんです。
それで補正予算を1日早く上げて、総理を予定より1日早くソチへ送り出したんです。
こんなケースはいままでなかったことなんです。それで110%と。
安倍総理も大変喜び、高く評価してくれて、何回も公邸に招かれました。また、森元総理からも「こういうことができたのも伊達さんの人間性のたまもの」とおほめをいただきました。

国主導ではなく、地方が自ら提案

――「アベノミクスは地方には届いていない」という声が高まっています。
伊達 国民の大きな関心事はやはり景気対策です。
アベノミクスは都市部ではいいけれど、地方はいまひとつで、地方が末端までアベノミクスを感じるような対策が必要です。
じゃあ、地方の人たちがどうしたらアベノミクスを肌で感じるようになるのか。それに取り組もうというのが、改造の最大の目玉である「地方創生」です。
東京一極集中に歯止めをかけるとか、地方の活性化とか、地方再生というのは、われわれも聞き飽きるぐらい、歴代の内閣でもさまざまな政策が打ち出されました。しかし、十分に成果が出ていないのが実情ではないでしょうか。
これまで目に見えて成果を上げた内閣はないんです。
今回は安倍政権がいよいよ腰を上げて、地方創生の司令塔となる「まち・ひと・しごと創生本部」を立ち上げ、総理みずから本部長に就任。地方創生担当大臣を新設して、石破茂大臣を任命しました。
歴代内閣の姿勢からは一歩も二歩も踏み込んだもので、人口減少や超高齢化といった地方が直面する構造的な課題にどう対処するか、まさに内閣を挙げて取り組む構えです。
――先頃、増田寛也元総務相らの有識者グループが、2040年までに、全国市町村の約半数が消滅する可能性がある、というショッキングな予測を示しました。
伊達 多くの自治体では、若者だけでなく高齢者も減り始め、人口が本格的な減少期に入っていることはまぎれもない事実です。
消滅という強い言葉には賛否両論がありますが、ショック療法としてはよかったのでしょう。地方の側にも強烈な危機意識が芽生えたことは確かです。
創生本部では「長期ビジョン」と「総合戦略」を年内にも決定することになっていますが、私はぜひ地方の声を積極的に聞いてほしいと思っています。
地方の切実な声にもとづいた、各地域の特色に応じた戦略でなければ、決して実効性のあるものにはなりません。水産の町の浜が過疎になっていくのと、産炭地が過疎になっていくのとは、おのずと特色が違う。
同時にまた地方のほうでも、国からのバラマキを安易に期待するような姿勢でいてはならないことは、言うまでもありません。
これまで、そうした姿勢が中央への依存を生み出し、地方が自立できない一因となってきたことも否定できない事実です。
国主導ではなく、地方が自ら提案し、行動し、実現することが地方創生の本旨と思います。専任大臣を置いたということは、いままでと違う、片手間ではないということです。これで成果が上げられなかったら大変なことになります。

20年までに管理職の3割を女性に

――5人の女性大臣が誕生し「女性活躍担当大臣」も任命されました。
伊達 安倍総理は今年1月に開かれた世界経済フォーラム年次大会(ダボス会議)で、「2020年までに指導的地位にいる人の3割を女性にすることを目指す」と表明し、今回の改造で女性活躍担当大臣を新設しました。
女性が輝く社会の実現は、わが国にとっては大きなチャレンジです。女性が職場でも家庭でも、能力や情熱を開花させられる社会をつくらなければなりません。
しかし、あらゆる分野で2020年までに指導的地位にいる人の3割を女性にするという大きな目標に対して、女性管理職の割合が1割にも満たないというのが、わが国の現状です。
国際的にも、米国では4割、欧州各国では3割を超えており、日本の少なさが際立っています。
先ごろ、経団連が主な会員企業47社の女性登用計画をまとめたところ、約6割にあたる27社が数値目標を設けているそうです。
今後は、男性でも女性でも、親の介護をする人も増えます。仕事と家庭を両立するための工夫は避けて通れません。
管理職に占める女性比率の数値目標を経営トップが掲げれば、こうした改革の推進力になり、日本企業の風土や文化にも確実に変化をもたらすでしょうね。
安倍総理は、先日、東京でおこなわれた「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」に出席して、「女性がいつでも誰でも夢にチャレンジできる社会を2020年までに実現すべく、切れ目なく政策を打ち出す」と発言しています。
今後、女性登用の目標や行動計画の策定などを内容とする新法案を提出する構えです。日本企業、特に大企業は、終身雇用や長時間労働を前提に成り立ってきました。その結果、世界でも有数の生え抜き男性中心の組織になっているという見方もあります。
そうした日本型雇用に総合的な見直しを進めるのは大変なことだと感じます。
しかし、近年では、多様な人材を生かす組織でなければグローバル競争を勝ち抜けないとされており、安倍総理の目指す「女性の活躍推進」は、中長期的に見れば、日本企業の競争力強化にもなるはずです。
女性の活躍には雇用や子育てなどの環境整備が重要です。この点についても政府・与党一体となって全力で取り組んでいきます。

耳を疑った唐突なJA全中廃止提言

――集団的自衛権の行使容認で、一時期、自民党の支持率が落ちました。
伊達 安倍政権は、これまで歴代内閣がなしえなかった大きな課題を次から次へとなしとげてきた。憲法改正手続きの整備とか、特定秘密保護法、集団的自衛権の限定的な行使を可能とする閣議決定などです。
総理の信念と実行力は本当に大したものです。
これが安倍政権のいいところですが、一面では国民にとってわかりにくい場面も出てくる。例えば集団的自衛権の行使容認のように、グレーゾーンがあって、党内議論もあったし、公明党もずいぶん悩んだ。
7月に、新しい安全保障法制の整備のための基本方針が閣議決定され、以前に比べ国民の理解も進んできたと思います。
次期通常国会に出す関連法案に向けて、引き続き国民に対して丁寧に説明し、一層の理解を得るように努力していく必要があると、私は思っています。
――総理は農協改革に強い意欲を示しています。
伊達 今年の5月に、政府の規制改革会議が、全国農業協同組合中央会(JA全中)の廃止を唐突に提言した時には、われわれは耳を疑いました。  時代に合ったJAに変えていかなければならない、それは誰もが思っていることです。しかし、それはあくまでも地域の現状を踏まえた、自発的な改革でなければなりません。  規制改革会議のメンバーをみると東京の大学の教授だとか、大企業のトップばかりだ。そんな人に地方のことがわかるのか、机上の空論だけで地域に大きく貢献しているJAの姿を上から変えてしまうことなど、許されない、という声が吹き上がりました。
私も国対委員長だったから、こんな地域が崩壊するような法律は通せないと。
その後、われわれ自民党との協議の結果、廃止ではなく「自立的な新たな制度に移行」ということになりました。来年の通常国会に農協の改革法案が提出される見通しですが、法案策定にあたっては、現場の意見を十分に踏まえて、農業者が将来への希望と安心感を持てる制度となるよう、強く申し入れしています。
――統一地方選挙まであと半年あまりです。
伊達 アベノミクスで都市部では景気が回復しました。景気回復の波を全国に届け、地域のみなさんに実感してもらうことが安倍政権に課せられた大きな使命です。そのために来年の統一地方選を勝ち抜いて、政権をさらに安定させなければなりません。参議院幹事長としても統一地方選勝利に向けて全力を尽くします。
――ありがとうございました。

=ききて/干場一之=