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Interview

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国益を守るため
“反自民”の受け皿新党を
掲載号:2016年3月

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細野豪志 民主党政務調査会長

あの日本中を熱狂させた政権交代から7年。“安倍一強”と言われる中、最大野党・民主党への国民の期待感が盛り上がってこない。いったい何が問題なのか。細野豪志同党政調会長は、新党を立ちあげるべきだと訴える。(取材日=2月1日)

民主党が一人称で語られていない

細野豪志氏は1971年8月21日、滋賀県出身の44歳。京都大学法学部卒。三和総合研究所を経て、民主党の公募に応じ、2000年の衆院選に旧静岡7区(現・静岡5区)から出馬、初当選。以降、6期連続当選中。
民主党政権時代には、原発事故担当大臣と環境大臣を兼務。その後、党幹事長も経験し、15年1月から党政調会長を務める。

――マスコミの世論調査を見ても、なかなか民主党の政党支持率が回復してきません。

細野 今回の甘利明経済再生担当大臣の政治とカネをめぐる問題も含め、与党側にはかなり失策もあるわけです。だが、必ずといっていいほど、安倍内閣の支持率は下がっては戻ります。それは、民主党が政権の受け皿という認識をされていないからです。

民主党という政党が一人称で語られるのではなくて、自民党に対する反射的な存在になってしまっています。民主党は何なのかといった場合、語る言葉、売る商品がないんです。

――参院選に向けて自虐的なポスターを制作し、話題になりました。

細野 自民党に対してを意識しすぎています。これも民主党という政党を一人称で語っていない象徴です。

安倍内閣は憲法を解釈変更するような、立憲主義に反することをやろうとしています。そのため、安倍政権下での9条改正は、やめたほうがいいと思います。

一方、いまの憲法がすべて満ちているかというと、時代の変化に対応しているとは言い難い。そこに対して民主党として何も提案しなくていいのか。私はそうは思いません。

緊急事態を考えても、東日本大震災のような大きな災害があった場合、衆参が任期満了になっていたら、国が大混乱するわけです。

選挙期間中は、実質的に政権をチェックする機能がなくなってしまいますよね。

立憲主義のもと、憲法改正議論をしていくはずなのに、提起できないとなれば、民主党が責任を果たしているとは言えないですよね。

このまま批判勢力としての地位に甘んじれば、かつての社会党と同じ道を歩むことになります。

もう一度、民主党はどういった政党なのか。しっかり確認したほうがいい。私が言い続けていることは2つあります。内政における「多様性」や「共生」という考え方。外交については、安全保障を含めて現実的に対応していく。そして改革政党としてしっかり前に進めていくことです。

――発信力に問題があるのでしょうか。

細野 現実的な法案対応で言うと、政府が出してきたものには、8割くらいは賛成しているんです。どうしても国民が目にするのは、反対している場面じゃないですか。見え方、見せ方の問題もあります。

共産党とは目指す社会像が異なる

――細野さんは、野党勢力を結集させ、新党をつくるべきと主張していますね。

細野 衆議院は維新の党と統一会派を組みました。国会では機能しているのですが、国民からするとわかりにくいでしょう。私は新党ということを言い続けていますが、そこに至るプロセスについては、具体的に申し上げていません。岡田克也民主党代表を含めた選対執行部の判断になります。私があまり立ち入ったことを言わないほうが、前に進むと思っています。

とにかく大事なことは、1つに結集できるような新党をつくることと、そのためのプロセスをしっかり描ききることです。

――共産党は「国民連合政府」を掲げています。

細野 もともと民主党ができた経緯を考えれば、「反自民」「非共産」からスタートしています。共産党とは目指すべき社会像、やるべき政策という点では、相当な違いがあります。両党の綱領を読み比べれば、明確です。そうした中で、選挙協力というわけにはならないでしょう。共産党とは考え方は違いますが、それ以外の政党の中で、民主党と比較的考え方の近いところと手を組んでいく。

それができない中で、共産党とどうすみ分けるかという議論が先行するから、国民からすると民主党はどうなっているんだとなる。

この点は、岡田代表も最近は気をつけて表現されています。選挙協力という言葉を使っていません。

――新党結成のタイミングは今年7月の参院選前ということでしょうか。

細野 それが望ましいです。国益を守るために国民に選択肢を示さなければならない。たとえば、財政、外交などいろいろなリスクがあります。それが顕在化したときに、政策を転換しなければいけない。政権を担えるのはここだけですとなれば、国益を損なう危険が高まります。

1月30日に開かれた民主党大会での岡田代表の挨拶からは、解党し、新党をつくる選択肢を排除しないという印象を受けました。しっかり決断してもらえると思っています。

成長の基盤に光をあてる政策を

――4月に道5区補選があります。

細野 5区補選は当然参院選の前哨戦にもなります。民主党候補の池田真紀さんも、党大会に来ていました。非常に発言もわかりやすかったし情熱も持っているので、なんとかして当選させたい。

――馬淵澄夫筆頭副幹事長が、党本部責任者として何度も応援に入る予定です。

細野 馬淵さんは何かミッションがある場合に、そこに突き進むエネルギーはすさまじいものがあります。選挙についてもそうですが、執着心がすごい。選挙対応は適任じゃないですか。

――そうした中、新党大地が自民党候補の和田義明さんを推薦しました。大地との今後の関係を、どのように考えていますか。

細野 新党大地に北海道を愛する気持ちがあり、北方領土問題も含めて、地域の抱える課題に正面から向き合っています。そうした思いは、われわれも見習っていくべきところです。

民主党がもう一度政権を目指すなら、誰にメッセージを出すべきかなんです。保守層の中にも、甘利前大臣の問題、定数削減すらできないことへの危機感があるはずです。それにも関わらず、受け皿がない。そこを取り込まないといけないときに、新党大地と協力できないとなれば、政権交代はおぼつかないです。

――宗男さんの長女・鈴木貴子衆院議員には自民への引き抜き話もあります。

細野 本人はとても冷静だし、私は心配していません。まぁ、いろいろな情報戦がありますからね。

――7月の参院選については。

細野 2人目を擁立することは明確に打ち出しています。北海道は歴史的に我々が強い選挙区ですから、2議席とらないといけない。

5区補選や参院選で国民に判断していただきたいのは、経済政策だと思っています。日銀はゼロ金利政策を進めて来ましたが、アベノミクスは金融政策頼りで、手詰まり感が明らかになってきています。

このまま進めて日本経済が浮上するかというと、もう答えが見えてしまったのではないか。むしろ、今は成長の基盤が壊れています。

われわれは、お年寄りの年金不安、子どもの貧困などに光を当てていくべきだと考えています。それを放置したまま、いくら金融緩和をしても、消費は伸びないですよね。政府は楽観的な予想を立てていますが、このままいくと、来年度の税収はかなり厳しいと思います。いまの経済状況はそんな甘っちょろいものではありません。

若い世代から魅力をもたれる政党に

――細野さんは15年1月の民主党代表選に出馬しました。党内の若い世代がもっと声を上げてほしいとおっしゃっていますね。

細野 前回の代表選に出馬させていただいたときも、新しいチャレンジャーが出てこないといけないと考えました。民主党はただでさえ議席数が減っていて、若手が当選しにくい状況です。

民主党には衆参合わせて所属議員が131人いますが、私ですら年齢でいけば下から数えて10番目くらいです。ダントツ貴子さんが若くて、30代の議員はほとんどいません。40代も何人かいる程度です。企業でも新入社員が入ってこない会社は、活性化しないというじゃないですか。

少なくとも、若い人たちが挑戦しようと思う魅力ある政党にしないといけない。そのためには頑張れば報われる選挙態勢をつくらないと。どんどん組織は小さくなりますよね。

私も若いといっても、今年で45歳になります。もう国会議員になってから16年たちます。あまり若手、若手と言っている場合でもない。いろいろな荷物を背負っていかないといけない世代ですし、そうした気概を持って活動していきます。

=ききて/前田=