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Interview

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3度目の挑戦で小樽市長に当選
「溺れかけたマチを救う!」
掲載号:2015年6月

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森井秀明 元ライフセーバー

 統一地方選第2ラウンドで最も注目されたのが小樽市長選。元ライフセーバーで元小樽市議だった森井秀明氏が、主要5団体から支援された現職を破り初当選した。市長選に2度落選し、8年間の浪人生活を経験した新市長を直撃した。

IR誘致に代わる経済活性化策

――1万5000票という大差で現職を破りました。
森井 この票差には私自身も驚きました。小樽市長選では長らく5団体(自民党、民主党、公明党、商工会議所、連合)による相乗り体制が続いてきました。このしがらみによって、市民の声は二の次というか、5団体の思惑で、マチが動いていたという側面もありました。私は8年間、この古い体制を批判し続けてきましたが、今回、予想以上に多くの市民に賛同してもらえたと感じています。
――新市長として、まず何から取り組みますか。
森井 小樽は厳しい財政状況、人口減少問題など、課題は山積みですが、まずは市政の現状を市民に伝えることから始めようと思っています。お金の流れを含めた財政状況や市にかかわる公共工事の入札など、すべてをオープンにしていきたい。これまでの取り組みが本当に適正だったのかということも含め、しっかりと検証します。
また、行政サービスではいの一番に、市民が長年苦しめられている除排雪の改善をおこなっていきたいと考えています。
――公約にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致反対を掲げました。
森井 小樽の歴史、自然環境、街並み、市民の意識などを考えたとき、カジノはこのマチの風土に合いません。これからもIRの誘致は絶対におこないません。
――では、どのような経済活性化策を。
森井 主要産業はやはり観光です。小樽はとても歴史のあるマチで、運河やガラス細工、寿司など、どれをとっても大変素晴らしい魅力があります。それらをいま以上に発信していきます。体験できる観光をもっと増やして、このマチの深い部分も知ってもらいたい。
小樽のあまり知られていない魅力を1つあげると、市場です。小樽には三角市場や南樽市場、新南樽市場など、地元住民が利用している市場がたくさんあります。しかも店頭には後志管内の新鮮でおいしい食材が並びます。ただ、これらの市場のPRはほとんどされていません。みなさんが海外に行く場合、フィッシュマーケットに行きますよね。そのような流れを小樽にもつくりたい。
――人口減少問題にはどう取り組んでいきますか。
森井 小樽は特に子育て世代の人口が少ない。ですから当然、子育て支援体制を今まで以上に充実させていきます。基本的なところから取り組んでいきたい。
高齢者対策は、例えば、老朽化が進んでいるJR銭函駅や南小樽駅の改修を検討しています。これらの駅では反対のホームまで行く方法として階段を使うしかありません。エレベーターを設置するなど、バリアフリー化に取り組んでいきたい。JR北海道との協議も必要となりますが、高齢者が安心して暮らせる街づくりを目指します。
特に銭函駅の改修は、地域経済の活性化にもつながるとみています。銭函は札幌に隣接していますから、小樽中心部と札幌の双方向からの利用客も増える可能性があります。銭函は海岸線が良好で、山もあり、自然環境が整っています。この地域に力を入れていくのは、今後の小樽を考えたとき、必要になってくると考えています。当然、銭函だけではなく、小樽駅を含めた市内中心部の再開発も検討していきます。
――政策を実行するための予算をどう捻出しますか。
森井 財政状況がいいとは決して言えません。ですから、冒頭で言ったようにいちから見直して、いままでの収支のやり方が本当に適正だったのかを、検証したい。支出に関しては削減できる部分も出てくるはずです。また、大きな金額になるとは思っていませんが、ふるさと納税をもっと活用して収入アップにつなげたいとも考えています。

懸念される議会、経済界との関係

――ライフセーバーから小樽市議に転じ、1期務めました。市長選に2度落選し、8年間の浪人生活。市内には政治に対する経験不足を指摘する声もあります。
森井 確かにそうかもしれません。しかし、私は浪人生活をしていた期間、くまなく地元をまわり、市民の声を直接、聞かせていただきました。地域の課題を自分の目で確認する有意義な時間でもありました。
まだまだ若輩者ではありますが、市議と浪人生活を合わせると、地元での政治活動は12年以上やってきたという自負もあります。粛々とやるべきことをやっていこうと思っていますので、不安はありません。
――5団体相乗りを批判してきましたが、市議会の多くが野党議員です。議会対応は。
森井 私は思想や考え方が違うところが、一緒になって市長を支えていることがおかしいと訴えてきたわけで、個々の団体の取り組みについて、批判してきたわけではありません。
ですから、どの党が与党だからとか、野党であるからとか、そのような考えはまったくありません。どの党とも平等に対応していきます。今回の選挙で、勝手連的に応援していただいた共産党においても当然そうなります。
私が取り組むべきことは、今回の選挙で訴えた政策を懇切丁寧に市議の方々に説明し、活発な議論をして理解と賛同してもらい、実行していくだけです。
――経済界との連携は。
森井 議会対応と同じです。一企業うんぬんではなく、どの企業とも幅広く、小樽の発展のために連携していきたい。そのためにもまずは連携できる環境づくりから取り組んでいければと思っています。根気強く、私の考えをお伝えしていくだけです。仮に一部の企業だけが儲かるような仕組みになっているのであれば、そこは変えてもらわなくてはならない。
――あらためて抱負をお願いします。
森井 小樽は本当に長い間、停滞しています。一部の人間しか恩恵を受けられないとの声もあり、市民の間にはどこかあきらめというか、冷めた雰囲気が漂っていました。私は8年前、このように沈んでいくマチを黙って見ているわけにはいかないと強く感じました。ですから、この現状を打破するため、市長選に立起したのです。マチのトップが変わらなくては、すべては変わりません。
今回の選挙で、私と一緒になって声をあげてくれた市民がたくさんいます。必ず小樽はよくなります。そのために全力を尽くします。

=ききて/竹内=