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Interview

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「新党は桜の咲くころまでに・・・」掲載号:2012年4月

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亀井静香 国民新党代表

 石原慎太郎東京都知事、亀井静香国民新党代表、平沼赳夫たちあがれ日本代表の3人が新党を結成しようとしている。ここに橋下徹大阪市長や大村秀章愛知県知事らも巻き込んでいく考えだ。キーマンの亀井氏を直撃した。

消費税アップに絶対賛成しない

――国民新党のアイデンティティーである郵政民営化法案の改正が、なかなか思うような方向に進んでいないのではないでしょうか。
亀井 明治時代からの国民的国家的財産をバラバラにし、アメリカに350兆円のカネで渡してしまおうという小泉さんの暴挙に対して、当時、私は自民党の中で60人の派閥を率いておりましたけれども、バッと捨てて全面対決を彼とした。日本がわれわれなりにやってきた生活を、市場原理主義で一挙に変えてしまうという彼の改革と称するものに、正面から立ち向かったわけです。その1つとして郵政民営化阻止に回ったが、やられてしまって地獄の底を見た。だが、それを契機にいわゆる小泉改革なるものをひっくり返すことを目的に5人で結党したのが国民新党。それが6年半前です。
政権交代後、小泉改革の1丁目1番地である郵政民営化を見直すということで民主党、社民党、国民新党が共同で見直し案をつくったのですが、民主党の背信行為があり、法案を成立させるチャンスも民主党が自ら見直し案を捨ててしまうような状況が続く中で、とうとう野田政権の今日まで来てしまった。
その間、参院選挙に敗れるということがあり、残念ながら民主党、国民新党、社民党だけでは数の上で成立させることはできなくなってしまった。
そこで国民新党としては、名誉も捨てる、名も捨てる、そうして実を取るということで、議員立法でもいいというところまで譲歩しました。しかし、幸いなことに公明党とたちあがれ日本が現在の郵政事業をほおっておけないという認識に立っていただけたので、いま公明党が前面に出て自民党との間で郵政見直しの調整をやっていただいている最中です。
――社会保障費の財源に関して、国民新党は消費税値上げに反対していますね。
亀井 消費税増税は絶対ダメだ。認めるわけにはいきません。経済がまた再び上向きになり、国民生活がきちっとデフレからも脱却して所得も伸びていくという状況になった中で、直間比率をどうするのかという税制上の検討はしてもいいと思う。しかし、いまは暴風雨が襲ってきており、雨具を用意して身を守らなきゃならないときに、暴風雨が去った後に運動会をやりましょうみたいに消費税率を8%、10%に上げましょうと準備をすること自体が間違っています。心理的な影響もありますからね。
私どもとしてはいま、政府の考えている今国会で消費税アップの法案を成立させるということに絶対承諾をいたしません。
――連立の外に出てしまうことはありませんか。
亀井 民主党の政調レベルとも消費税率アップの法案を出す出さんの議論をまだしてません。私がこの段階で閣議決定に賛成する、反対するということにまで言及するわけにいきません。しかし、そういう生身の法律を出すということに、こちらがサインをするということは、成立に責任を持つということと同意語ですから、それはできない。
――増税しないで日本の景気をどうやってよくするのですか。
亀井 簡単ですよ。小泉さんが駄目にして約560兆円あったGDPを約450兆円に減らしてしまった。だが、なお日本の国力は世界一です。金融資産だけではなく、不動産などを含めた資産は、4000?5000兆円あるのに遊ばせている。
だからそういうものを動員していけば、財源なんて簡単に出てくる。私は総理にもそう言ってるのですが、やらないんですよ、彼は。財務省のやってるのは古いソロバン勘定で平時のもの。いまは緊急事態なんだからカネをつくればいい。例えば、一般会計と特別会計を一体運用すれば、20?30兆は出てくる。それなのに、財務省にノーと言われ、したがった。それでマニフェストが実行できない。
私だったら最低50?60兆円は生み出しますよ。予算査定をゼロベースにして、特別会計はゼロ。必要なものは積み上げるというやり方をやれば、あっという間ですよ。アメリカにだって200兆円近い金を貸してるんですよ。そういう国にカネがなぜないんですか。アメリカの国債を日銀が肩代わりして買い上げたらいい。無利子国債の発行というやり方もある。普通の国債と違うから、いくら出したって痛くも痒くもない。国家は永遠に続くんだからいつまでに借金返さにゃならんということはない。国内の人たちから無利子で国債という形で借りれば、100兆円は集まってきます。財務省は消費税を上げたいばっかりにカネがない、財源がないと言う。彼らはやれる手がいくらでもあるのに、やろうとしないのです。

野田総理は殉教者として死出の旅

――TPPについてはどうですか。
亀井 TPPなんて、できもしないことなんです。世界の国々は、この地球上にあって、気候、風土も違うし、国の大きさも違うし、風俗・習慣も違う。そういう人たちがそれぞれの国をつくって生活をしているときに、その交易について全くフリーにやるなんてことは、理想だけれどもできないんです。
そのために国家と国家がお互いに利益を享受しながら、お互いにとってプラスになるあり方、交易の条件を2国間で決めてるわけです。それを多数の国が1つのルールで、お互いに関税をなくして交易をする関係にしましょうなんてことは本来、不可能なことなんですよ。
だから特定の国がやっているルールに日本のような大国があえて参加する必要はない。アメリカもそうですよ。できないことを無理やりやった場合は、大国のエゴがまさにまかり通ることになるわけです。
――TPPは日本の国の経済や制度を、アメリカ型の強者による市場主義に変えるということなのではないでしょうか。
亀井 強者の論理です。弱者は強者に仕えることになってしまう形になる。TPPは結局、市場原理が貫徹してしまって、強者が利益を得るが、弱者に対してはマイナスにしかはたらかないんですよ。
韓国とアメリカが2国間でFTAをやったおかげで、いま韓国は大変な状況です。農業が駄目になって、農民は悲鳴をあげている。中小企業もなくなってしまいますよ。日本では小泉さんがそれを先取りしちゃったんですよ。アメリカとの関係でね。韓国は後追いでそれをやっていたのです。一部の企業は猛烈に強くなる。弱い者の血液を吸ってね。
韓国ではサムスンがいい見本です。日本のパナソニックも対抗できないほど、巨大な企業が出てくるけれど、そういうプラスの面もあるが、負の部分も出てくる。国内の中小企業、零細企業も駄目になる。それで日本の後追いで、やれベトナムだ、中国だと結局、国外に工場を出してしまう。そういう意味で、中小企業が壊滅しちょるわけです。韓国はまさに反面教師として目の前にあるわけです。  私は野田総理本人に言ったんですよ。「TPPだとか、消費税だとか、できもしない、しかもやってはいかんことをやって、あなたは殉教者になって死出の旅に出るのか」と。そういうことをいまの政権がやっていたら、もたないですよ。

新党は石原、亀井、平沼+α

――石原慎太郎東京都知事と平沼赳夫たちあがれ日本代表、そして亀井代表との3人で、新党という話が出ているそうですが、これはどういった経緯の話なのですか。
亀井 石原さんや私や平沼さんが組んで新党をつくったって、それだけじゃ新党ではない。いままでの永田町なり、東京だけの範囲で、そういう離合集散を重ねてきたところで、この日本の危機を脱することのできる新しい政治体制をつくれない。
私は一昨年からこういうふうに言っているのです。
「いまの地球が文明の反逆を受けてる。政治、経済、社会、科学技術。世界中が受けている。そういう中でオバマ大統領もそれを救うだけの力がない。アメリカの国力ではできない。そして胡錦濤にやらせるわけにもいかない。日本がやらにゃあいかんのです。にもかかわらず野田総理はドジョウかなんかになっちゃってるけど、ドジョウになっている場合じゃない。登り竜になって世界を救わないといけない」と。
この際、日本経済を、都市も農村も大爆発させていく。そういうことをやりながら、この世界の状況をきちっとするために乗り出すべきだ。
「20、30兆円のカネなんてギリシャに出してやればいいじゃないか。財務省の金庫を開ければ、ほんの20?30兆くらい隅っこにあるから。そして世界恐慌に入ろうかとしている世界経済をちゃんと立て直す。そういうことをあなたがやらにゃいかんのだ。そういう大きな任務を放棄して、逆のことばっかりやって」と私は野田総理に言っている。
しかし、総理がやらんと言うのならば、新しい政治勢力を結集してやらにゃならん。ただし、これは永田町の政党が離合集散したってダメなのです。
日本中に変えようといううねりが出てきている。北海道にもあると思いますよ。大阪、愛知、東京都、そういう地方のうねりを束ねて、新しい世界的な要請にも応えられる日本をつくる。元気がなく、原発問題1つ解決できないような状況から脱していく、そういう力強い政権をつくっていける政治勢力を結集せにゃいかん。それをわれわれはやろうとしている最中です。
――そこに橋下徹大阪市長の大阪維新の会や大村秀章愛知県知事の東海大志塾などが加わってほしいと考えているのではないかと思うのですが、そういった方向性は見えているのですか。
亀井 ああ、それはもう。でも、マスコミ注視の中、やるわけにもいかんでしょう。はかりごとは密にせにゃならん場合もあるしね。
しかし、これは必ずやります。いつまでも時間をかければいいというものでもないしね。
――総選挙は結構近いという説もありますね。
亀井 選挙がないと本当に日本を変えることができないのです。民主主義国家ですからね。そういうチャンスに間に合うような新しい体制をつくらにゃならんでしょう。  だから私はいつも言っている。「桜の咲くころにやります」と。ただし、桜は沖縄では早く咲くし、松前はゴールデンウイークに静香というきれいな桜が咲くでしょう。いずれにしても桜の咲くころには、ちゃんとやりますよ。
――橋下さんと具体的にお話はされているのですか。
亀井 いま、そういうことをする状況じゃありません。難解ではありますが、お互いに力を合わせようと思っているわけですから、そういう方向になると思います。

=ききて/酒井雅広=