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いたがき

店舗と工房、カフェスペースを併設する赤平本店

創業40周年。末永く使える良質な革製品を提供

1982年に創業し、タンニンなめし革にこだわった革製品を製造販売。〝鞄のいたがき〟の愛称で親しまれ、今年で40周年を迎える。

タンニンなめし革とは、植物樹皮から抽出したタンニンを含む溶液に約2カ月間漬け込む製法。型崩れしにくく、使うほどに色合いの変化を楽しめるのが特徴。その革を40年間変わらぬ製法で加工し続ける同社の製品は、定期的に手入れすることで末永く使用できる。

板垣江美社長は「常連客から寄贈され、今も現存する創業者が手掛けたトラベルバッグは、40年前の製品にも関わらず、現在も使用できるほど良好な状態です。そのかばんを見本に今の職人が、製品の作りを通して創業者から技術を学ぶことができ、大変貴重な遺産となっています」と語る。

同社では、このトラベルバッグのリバイバル版を10月に開催を予定している創業祭で披露するため、製品化に向け動き出している。「創業当時に苦心して仕上げ、日の目を見ることがなかったかばんを40周年の節目にリバイバルすることで、社員やお客様に創業の心に触れてほしい」と板垣社長は熱い思いを語る。

一方、同社では50周年を見据えて「良質な素材の調達」と「職人育成」をキーワードに社員一丸となって進化を遂げている。

タンニンなめし革の加工業者が減少の一途をたどる中、同社ではより良い製品を提供し続けるため、素材調達に力を注ぐ。ドイツ在住の板垣社長が、現地で素材調達会社を運営。世界有数の革産地であるヨーロッパから良質な素材を直接仕入れている。

職人育成では、変わらぬ製法を受け継いでいくために働きやすい就業環境の整備にも力をいれる。

その代表がステップアップ制度。キャリアが浅いスタッフでも商品として仕上げられるように、パーツが少ない製品からスタートして徐々にレベルアップ。3年程で研修班の班長として指導する立場に昇格する流れだ。また、評価制度を見直すなど、時代に即した改善により伝統技術の伝承に努めている。

板垣社長は「今後は、より良質な素材調達と人材育成に加え、修理しなくても長く使用できるように手入れの重要性も周知していきます」と呼びかける。

板垣江美社長
創業者が手掛けたトラベルバッグのリバイバル品