ほっかいどうデータベース

アサヒクリエイト

札幌市中心部の高層ビルにもアサヒルーフヒーターが導入されている

雪国の暮らしをものづくりで支える。技術力と対応力で顧客満足度向上

北広島市に本社を構える「アサヒクリエイト」は、融雪用ヒーターやゴムチップマット、防水ゴムテープなど、幅広い商品の製造・販売を行う。

1965年に販売を開始した「アサヒルーフヒーター」は、通算20万本以上の導入実績を誇るロングセラー商品。落雪や雪庇、つらら防止で雪国の暮らしを支え続けてきた。独自開発した面状発熱体を用い、ムラがなく均一に発熱するよう設計し、高品質の絶縁被覆を採用することで、10年以上使用できる高い耐久性を実現した。完全受注生産のオーダーメードにすることであらゆる屋根にフィットさせられるのも特徴で、病院や幼稚園、高層ビルなどさまざまな場所に設置されている。

生産から製造まで一貫した業務体制により、イニシャルコストは同業他社と比較し安価で、納期の短さは道内トップクラスだ。規模により異なるが、ランニングコストは一般的な家庭で年間800時間使用した場合、約2万5000円。設置までのスピード感と耐久性の高さが顧客満足度につながっている。

山本義一社長は「アサヒルーフヒーターは時代の流れとともに変化してきたヒーターです。高気密・高断熱である最近の住宅に対応して、ヒーターの出力は従来よりも低くしています。年々高まる省エネ志向に対応し、少ないエネルギーで最大の効果を生み出すための開発・研究を続けています」と語る。

今年は大雪の影響で、主力商品の「アサヒルーフヒーター」の他、玄関先・通路の凍結防止として用いられるゴムチップマット「アサヒ融雪マットエコ」も売上を顕著に伸ばしている。 

また、「アサヒルーフヒーター」とともに同社を支える商品が「アサヒハゼテープ」だ。耐久性に優れた防水ゴムテープで、主に屋根の板金工事に用いられる。金属屋根の鉄板と鉄板の重ね部分に同テープを折り込むことで密着度を高めるもので、「悪天候でもちぎれない頑丈なテープを作ってほしい」という職人の声を聞き、開発に至った。原料にカーボンを練り込む独自の手法で、引っ張っても伸び縮みがしないこのテープは職人たちに重宝されている。北海道、東北地方をはじめ、全国にシェアを拡大する製品だ。

山本社長は「当社がここまで生き残れたのは、大手にできない小回り力。お客さまのニーズや地域性に合わせて、適したものを開発できることが最大の強みです。今後もお客さまから喜ばれる〝雪国のあったらいいな〟というものを形にし、身の丈に合った営業を続けます」と謙虚に語る。

山本義一社長
アサヒルーフヒーターの施工風景
幅広い世代の社員が活躍する