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札幌第一高等学校

進学校でありながら、スポーツ・文化系の名門校としても実績を築いている

北大47人。東大・京大など国公立大に219人が合格

「目は高く足は大地に」を校訓に、文武両道を実践する札幌第一高等学校。スポーツ名門校としてはもちろん、近年は札幌南・北・西・東高に次ぐ道内私立高校トップの進学実績を誇っている。

2021年度の進学実績は国公立大学が、防衛大2人を含む219人。100人超は17年連続で、今年は200人を超える大幅増となった。難関国公立大では東京大学1人、京都大学1人、大阪大学1人、東北大学2人、九州大学1人。また、北海道大学は現役35人を含む47人と過去最高に。医学部医学科では、北海道大学医学部が1人、札幌医科大学が1人、愛媛大学医学部が1人。私立難関大は早稲田大学が5人、慶應義塾大学が3人となった。

21年度卒業生は高校生活の大半をコロナ下で過ごしたが、好調な進学実績を残したのはその影響を最小限に抑えたことが要因だ。

同校では学力向上を目指す「学習コンパス」や自ら課題を発見し、正解のない疑問に挑戦し自分たちの考えをオールイングリッシュで発表する「探究コンパス」、大学受験の先を見据え、人生設計を自ら描けるよう支援する「進路コンパス」と名付けられた独自の指針で生徒の学習意欲と学力向上に取り組み実績を上げている。

さらに、コロナ禍に効果を発揮したのがICT機器の活用だ。1人に1台提供されるタブレットPCを活用し、一昨年の休校期間中も授業動画を1日5時間・週27コマ配信を実施。学習進度に遅延が出ることはなかった。各クラスではグーグルミートを導入し毎日ホームルームを実施。休校が続いた時期も対面と変わらない生活リズムを守ったことで学習意欲を低下させなかったことも大きな要因だ。

また、5年前に導入したHUPプログラムの効果も発揮した。これは難関大学進学を目標とした学力向上の取り組みで、2次試験の記述力向上のため日常的に添削指導を実施。合宿や研究施設の見学ツアーなども行う勉強会で、より実践的な学力を習得できる。

元々、同校の建学の精神は「日本はもちろん世界にリーダーシップを発揮できる有能な人材の育成」だ。その実現のために英語教育には兼ねてから力を注いできた。オンラインを用いたOST(オンライン・スピーキング・トレーニング)を導入し、海外の講師による1対1の授業や、国内外への研修を実施することで、3年間で日常会話ができる英語力の修得を図っている。こうした取り組みも進学校として確かな実績を築いている基盤となっている。

また、文武両道を実践する高校として、全国および全道でのスポーツ大会で輝かしい成績を収めているが、近年は文化系部活動も注目されている。19年の「第86回NHK全国学校音楽コンクール」の全国大会に出場している合唱部のほか、昨年度は放送局が「第68回NHK杯全国高校放送コンテスト」の創作ラジオドラマ部門で全国優勝の快挙。文化系部活動も全国レベルにあることを証明した。

八木和彦校長