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電材重機

新年度は5人の若者を採用

洋上風力など世界の建設現場で働ける人材を育成

重機や建設分野の企業15社で構成されるDENZAIグループ。この1年で青森県、福島県、富山県、兵庫県の企業4社を傘下に加え業容拡大を続けている。

その中核を成すのが「電材重機」。日本を代表するクレーンリース会社で国内最大級のクレーンなどを数百台保有。発電所や橋梁、ダム、製鉄所などの建設には欠かせない存在だ。

特に、風力発電施設では建設予定地への資材搬入から据え付けまでを一貫して手がける国内では極めて少ない企業だ。

海外でも存在感を増している。新興国を中心に大規模な建設プロジェクトに携わっており、日本で導入が期待される洋上風力発電事業も台湾沖でいち早く手がけている。

同社ではさらなる業容拡大を見据え、クレーンなどを操縦するオペレーターを未経験者でも積極的に採用している。10年後には、世界の建設現場で勤務できる人材に育て上げる。

「若者がわかりやすいように、マニュアルを動画で作成しています。操縦手順や安全確認などをスマートフォンで確認できる」と上村正人社長。

創業の地、室蘭はもちろん道央圏でも採用を進める。その一貫として2020年年に札幌支店を開設。21年から登記を移して「札幌本社」と改めた。

「今年は高卒を中心に10〜20代の若者5人を採用しました。1人は江別出身者ですが、室蘭で研修を行った後、道央圏の出身者が希望する場合は、札幌本社で優先的に働けるようにします」と上村社長。

また、座学では特に若い世代の金融リテラシー向上のためマネーセミナーに力を入れており、今年は〝お金のプロ〟である金融機関の支店長を外部講師として招いた。より専門的な講義が提供できる。

従業員の働き方改革も進める。7月末の完成を目指し、手狭になりつつある札幌本社の敷地内に休憩所を新設する予定だ。

上村社長は「年内には同業他社に先駆けてISO45001(労働衛生マネジメントシステム)の取得も目指します。ハードルは高いが国のお墨付きを得ることは、今後の人材確保にもつながる」と語る。

さまざまな研修も充実している
上村正人社長
保有する重機(上)は風力発電施設建設(下)などで活用