ほっかいどうデータベース

静和記念病院

新病院の外観

新病院が稼動開始。より質の高いがん治療を提供していく

昨年10月で開院60周年を迎えた「静和記念病院」は、11科目の診療を開設。半世紀以上にわたって札幌市西区を中心に地域医療に貢献しており、特に「がんゲノム医療」に精通した医療機関として知られている。慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット長教授の西原広史氏を非常勤医師として招き、指導を得ながら常に新しい情報を取り入れているのも特徴だ。

今年4月には北大病院の診療教授だった神山俊哉氏が院長に就任した。肝臓がんの肝切除を中心とした外科治療や肝移植に携わり、これまでに数多くの肝切除の実績を持つ。スタッフも増員し、新体制の下で各科専門医による質の高い医療を提供しながら、救急医療の拡充と在宅・療養医療施設との地域包括ケアシステムの構築を推進し地域のニーズに応えている。

さらに、5月に西区八軒5条東5丁目へ施設を新築移転。医療法人グループの「平和病院」と統合し、95床から195床に増床した。この移転に伴い、CT・MRI、3D画像解析ソフトや内視鏡外科手術用医療機器など、診断精度の向上を目的に先端機器も導入している。

さらに健診センターと外来化学療法センターも新たに開設。急性期から回復期、慢性期、終末期、在宅まで、施設完結と地域完結を目的に、一貫した治療・療養サービスの向上が図られた。
「センター開設によりさらに質の高いがん治療の提供が可能となった。専門外来は、開設済みの脳神経外科に加え、9月に泌尿器科外来を開設予定です。6月に開設した発熱外来は、新型コロナウイルスの感染拡大防止や院内の感染防止が目的です。これを皮切りに専門外来の充実化も進める計画です。今後は私自身が得意とする肝臓がんや大腸がん、胃がんの治療にもより注力していく」と神山院長は話す。

一方、女性患者に寄り添った医療も提供している。〝女性目線で女性に優しい病院〟をテーマに掲げ、婦人科健診や乳がん検診には、医師や技師、看護師に女性スタッフを採用している。
「都心エリアに移り札幌市の中央区や北区の患者さんも増えています。元来、北大病院と連携していますが、移転したことで立地的にも近くなり、関係はより強固になった。地域医療を担う機関として、社会のニーズに応える医療を提供し続ける」と神山院長。

●診療科目

内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、外科、消化器外科、皮膚科、整形外科、脳神経外科、麻酔科、リハビリテーション科

●診療時間

月〜金 9:00〜12:00、13:30〜17:00
土曜  9:00〜12:00

●休診日

日曜・祝日・年末年始

患者に配慮し、外来待合室も拡充した
神山俊哉院長
胆のう摘出手術の様子