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ガレージ・カーポートのダイワ工業が35周年 次なるステージに向けて始動

ダイワ工業社長
荘司光哉
(しょうじ・みつや)1968年生まれ。専修大学北海道短期大学卒業。会社員を経て2007年ダイワ工業に入社。
17年社長に就任。

美唄市に本社を構えるガレージ・カーポートメーカー「ダイワ工業」が35周年を迎えた。ユーザーのニーズが多様化する中、永続企業に向けてのビジョンや戦略を荘司光哉社長に聞いた。

唯一無二のアイアンガレージを供給

——事業内容を教えて下さい。

荘司 当社は1986年に美唄で創業したガレージ・カーポートメーカーで、2021年に35周年を迎えました。物置なども含め、道内のハウスメーカーや工務店などに年間1800棟以上を卸しています。世に流通しているガレージの大半がアルミ製ですが、当社の「ダイワガレージ」は鉄製。大量生産のアルミ製ガレージとは異なり、フルオーダーに対応できる点が強みです。

——ガレージにこだわるユーザーが増えていますね。

荘司 一生に1度の大きな買い物と言えるマイホームですから、随所にまでこだわって自宅を建てられる方が多いでしょう。ですから、ガレージもその一部と考えているのだと思います。せっかくスタイリッシュな外観であっても、家屋に隣接するガレージと調和できていなければ台無しですからね。当社は狭小地や変形地にも対応でき、色味や高さなども自由自在。家屋と調和性の高いものをつくることができます。

——施工も自社で行っているようですね。

荘司 現地での細かな調整なども必要になるため、鉄の特製を熟知した自社スタッフが施工にあたっています。最近は施主様が「ダイワガレージで」とハウスメーカーなどに指名することも増えてきました。私がトップに就いた17年からフルオーダー製作に舵を切りましたが、結果として価格競争とは一線を画すことに成功し、近年は利益体質を確立しつつあります。

——鉄の価格が高騰しています。

荘司 アイアンショックと言われる現象が世界的に起こっています。21年は2度も大きな値上がりがありましたが、これまでの利益を還元するという意味でも、値上げ前と同価格で販売させていただきました。ただ、今後さらに鉄の価格が高騰すれば、値上げせざるを得ない状況になります。お客様にはどうかご理解いただきたいですね。

——コロナの影響は受けていますか。

荘司 おかげさまで21年は、ガレージ、カーポートともに例年並みの販売数を確保できました。また、物置の販売が例年以上に好調でした。住宅の新築時のエクステリア設備としての引き合いが増加したことが要因です。周知の通り、コロナ禍でも道内の住宅市況は好調ですから、その波に乗れたと感じています。

当社では「KZ物置&スターライン物置」という商品を15年から展開しています。カラーリングが特殊で、「ブラック×ブラウン」といったシックなタイプも用意しています。一目で物置とわかる昔ながらの灰色の物置では、近年のスタイリッシュな住宅にはマッチしにくいのではないでしょうか。22年は、カラーバリエーションなども増やしていく予定です。

施工体制を見直し、供給数の倍増を計画

——22年は新たなステージに向けての第一歩ですね。

荘司 そうですね、50年、100年企業に向けて、より強固な経営基盤を構築していくことが私の役割です。その1つが、施工体制の見直しです。前述の通り、自社施工で成長してきた側面はありますが、スタッフの数は限られます。実際、施工が追いつかずに泣く泣くお断りせざるを得ない場面も少なくなく、現状の体制では供給数に限界があります。既製品とは異なるため、設置はなかなか難しいのが現状ですが、メーカーとして、これまでの品質を維持しつつ、ある程度の職人であれば〝誰でも〟施工できるような商品をつくっていきたい。協力会社と施工を分担できれば、供給数は現状の何倍にも増加させられると考えています。 

ボルトの位置や部品1つの形状に至るまで、職人の作業性向上を追求していくと同時に、施工方法を動画で解説するなどの取り組みも行っていく予定です。まずは小型の物置などから着手し、27年には全商品に拡大することが目標です。

——アイアンメーカーとして、新規事業にも挑戦されています。

荘司 20年1月からは社員のアイデアを具現化し、家具製作を事業化し、鉄加工の技術を生かしたアイアン家具ブランド「and o‥‥」を立ち上げました。美唄市のふるさと納税返礼品にも採択され、販売数も徐々に増えつつあります。また、本社敷地内にショールームを設けました。札幌市の百年記念塔にも使われている耐候性鋼「コールテン鋼」をショールームの外壁に採用しました。独特のさびの風合いが特徴で、熱狂的な愛好家が遠方から見学に訪れています。また、同じようなショールームをつくって欲しいとのオファーも複数いただいています。

22年は、一級建築士事務所の登録を行う予定で、今後はショールームをはじめとする建築物の設計も手がけていきたいです。また、本業では雪下ろしが不要な無落雪ガレージの実用化にも挑戦したいですね。

——北海道で無落雪ガレージはニーズが高そうです。

荘司 高価な特別仕様をのぞき、廉価な既製品で雪下ろしが不要なガレージは世にありません。美唄は日本屈指の豪雪地帯。そこに根付くガレージメーカーとして、試作品の実証実験を今シーズンからスタートさせています。近い将来の実用化に向け、社員一同邁進していきます。

ショールームのコンセプトを説明する荘司社長