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札幌心臓血管クリニック

手術支援ロボットを用いた遠隔操作による手術を実施

カテーテル治療で「ロボット補助PCI」を新たに導入

定評あるカテーテル治療の領域を拡大

 医療法人札幌ハートセンター「札幌心臓血管クリニック」(藤田勉理事長・院長)は21年、虚血性心疾患の治療で「ロボット補助PCI」を導入。患者負担の少ない低侵襲治療の領域を拡大した。

 PCI(経皮的冠動脈インターベンション)は、動脈硬化などによって血液中の脂肪やコレステロールが固まり、血管が細く狭くなり心臓への血液供給が不十分となって発症する狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療。脚の付け根や手首の血管からカテーテル(チューブ)を挿入し、狭くなっている部位をバルーンでふくらませて血管を広げ、血液の流れを改善する。

 この治療は外科手術で胸を大きく広げて行うバイパス手術に比べ、開胸せずに部分的な麻酔で可能なため、患者の肉体的負担が少ない低侵襲手術として症例が増えている。症状によっては日帰り治療も可能とされている。

 今回導入した補助ロボットは世界各国で使用例が広がっており、狭くなった血管を拡張するために欠かせないステントを1mm単位で留置することが可能だ。操作技術が高まれば、全ての患者に対して同一レベルの治療を提供することもできるという。

 同クリニックにおける低侵襲手術は、ここ数年間に心臓弁膜症治療補助ロボットの導入などにより症例数は国内トップ級を誇る。藤田理事長・院長は「さらに補助ロボット治療の技術を高め、安全な医療提供によって患者負担の軽減に努めていきたい」としている。

サテライト外来を開設し、地域医療に貢献

 22年は、かねてから計画を進めている増・改築を具体的方向に向けて前進させる年となりそう。新病棟の建設によるカテーテル治療室の増設、リハビリセンター開設も具体的プランの検討に入る。

 合わせて外部の検査・診療体制も充実させる方針で、検査機能を持つサテライト施設を札幌市厚別区に開設。厚別区、清田区、北広島市などの心臓疾患診療ニーズに対応していく考えで、従来、全道各地で実施してきた「サテライト外来」の実績を踏まえ、札幌市が進めている新札幌副都心再開発計画で整備される医療モール内に開設する形になる。このほかにも、道外、海外でのサテライト開設も計画している。

 同クリニックは08年の開設以来、高齢者に限らず幅広い年齢層に見られる心臓疾患について、予防や早期検診・治療の大切さを広く市民に訴える「札幌ハートセミナー」を開催。21年はコロナ禍で中止を余儀なくされたが、22年春には再開する予定だ。

 さらに21年は新たに医師6人を招き、30人の医師団による診療体制を整えるほか、札幌市内はもとより道内外各地の医師との交流・連携を深め、幅広く地域医療の充実に寄与・貢献していく考えだ。

二層検出器を搭載した「スペクトラルCT」

ロボット補助PCIを駆使する藤田理事長。コックピットに座り、術者としてカテーテルを操作する
初診から治療まで〝待たせない〟迅速な診療を実践している札幌心臓血管クリニック
TVコメンテーターとしても活躍する藤田勉理事長・院長
カテーテル室は6室を完備