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サッポロビール

森本光俊サッポロビール上席執行役員北海道本社代表兼北海道本部長

ビールに追い風、お酒のおいしさ、楽しさを伝えたい

個性的なホップで味わうビールの魅力

 23年10月、酒税法が改正された。発泡酒、新ジャンルとの価格差が縮まり、ビールの値頃感が高まった。

 同社はそれに合わせて新ブランド「サッポロ生ビール

ナナマル」を新発売。糖質(日本食品標準成分表2020年版〈八訂〉による)とプリン体(同社が通年販売する缶ビールブランド平均値比、23年4月時点)を70%削減した日本初(Mintel GNPDを用いた同社調べ)のビールとして健康志向に応えている。

 森本光俊サッポロビール上席執行役員北海道本社代表兼北海道本部長は「ナナマルは発売1週間で500万本を突破しました。年間計画の6割に相当する売り上げになります」と手応えを口にする。

 23年、上富良野町でホップの試験栽培が始まって100年を迎えた。同社は「NIPPON HOPシリーズ」を展開中で、個性豊かな国産ホップを使用した商品を段階的に発売している。

「ビール特有の香り、にがみ、心地よさなどを左右するホップの特長が際立った『NIPPON HOPシリーズ』で、ビールのさまざまな価値を楽しんでいただきたい」(森本北海道本社代表)

 北海道限定発売の「サッポロ クラシック」は、23年も好調に推移した。とくに業務用では、クラシックを選択する飲食店がとても多いという。

 道内でもコロナが5類に移行し、観光客の姿が多く見受けられるようになった。

「飲食店様にお話をうかがうと、予約の電話で『クラシックありますか』と聞かれるそうです。クラシックは北海道の気候、料理、風土にあわせて商品開発されており、北海道でしか味わうことができません。道内を訪れたらクラシックを飲みたいと思っていただけて、とてもうれしいです」(森本北海道本社代表)

夏祭りで環境配慮のアルミカップを使用

 RTDと呼ばれる缶チューハイ市場は年々、拡大している。同社の「濃いめのレモンサワー」は発売以降、人気を集めている。

 23年は新商品「サッポロクラフトスパイスソーダ」を投入。〝新・食中酒〟という考え方から生まれたもので、甘くないおいしさで食事を引き立てる味わいになっている。9月の発売から1カ月を待たずに1000万本を突破した。

 一方、イベントにも力を入れている。

 夏の札幌大通公園のビアガーデンは通常開催となり、多くの人でにぎわった。7月には、サッポロファクトリーとサッポロガーデンパークで「サッポロビアホリデー」という〝大人のお祭り〟を開催。11種類の生ビールが提供された。新しい取り組みとして会場では百パーセントリサイクルのアルミカップを使用した。

 森本北海道本社代表は「暑い夏でしたが、お客様には冷たいビールを楽しんでいただいた上、当社の環境配慮への思いに共感していただきました。現在、同じ規格のアルミカップをJR札幌駅構内の『ビアスタンドソラチ』で使用しています。今後も商品やイベントなどを通じて、お酒の楽しさを伝えていきたいです」と話す。

23年夏に札幌・大通公園で開かれたビアガーデン会場
2023年10月に新発売された「サッポロ生ビール ナナマル」(左)と不動の人気の「サッポロ クラシック」