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北海道電気相互

電源車と給電車の製造はさまざまな車体に対応

災害時やBCP対策に有効な4つの電力サービスを提供

災害時に必須の電力供給サービス

電気関連製品の開発や設備工事、サービス提供が主事業の「北海道電気相互」。自然災害に対する防災対策やBCP(事業継続計画)に有効な4つのサービスを展開している。

1つ目が「e‐delivery(イーデリバリー)」だ。これは発電機を搭載した電源車と技術者を派遣して、一時的に電力を供給する24時間対応のサービスのこと。

高層マンションやオフィスビルのエレベーター、受水槽ポンプ、冷蔵倉庫、医療機関など、停電時でも電力供給が止められないシーンで効果を発揮する。北海道胆振東部地震の発生以降、停電時のリスクヘッジに有効な対策として注目を集めており、契約数を伸ばしている。
高橋伸和社長は「本利用は自然災害の発生時のみならず、ビルの定期点検に伴う法定停電にも有効です。例えばオフィスビルでは、24時間稼働しているサーバーやパソコンなどがあり、事前準備をしていないとシステム障害や機器の故障につながります。また、イベントや祭事など、一時的に電力供給が必要なシーンにも利用されています」と語る。

2つ目が、大規模商業施設やビルなどに設置されている消防用設備の非常電源「自家発電設備」の負荷試験と点検だ。
2018年に消防法が改正され、自家発電設備の負荷試験と内部観察の点検周期が、これまでの1年から6年に延長された。
しかし、不具合を予防する保全策として、1年ごとの点検や部品の推奨交換年数の対応が必要といった条件がある。点検を怠ると非常時に発電ができないというリスクがあるため、期間が延長されたといっても定期的な点検は必須といえる。
同社が提供している点検サービスは専用の「発電機負荷試験装置」を自家発電設備に接続し、負荷試験を実施。点検時間は自家発電設備の電力容量にもよるが、2〜4時間で完了する。

また、自家発電設備の燃料は軽油や重油であり、発電設備の経年劣化や不具合を防ぐために、定期的な交換や設備内の循環を徹底。さらに同社の点検は消防庁が定める機器点検(18項目)と総合点検(7項目)規準を満たしており、発電設備の安定稼働にも信頼がある。

EV時代に対応した特別仕様の給電車

3つ目が、太陽光発電の自家消費に必要な「蓄電池とインバーターの設置工事」だ。太陽光発電の固定買取制度(FIT制度)は、19年以降から売電価格が下落。現在では「売電」ではなく「電気代削減」を目的とした自家消費型にシフトしている。
「蓄電池を利用することで、太陽光で発電した電気を一時的に貯められます。災害発生時の緊急電力としても利用できるメリットもあるため、BCP対策の一環として自家消費に移行する企業も多い」と高橋社長は語る。
設置工事は同社のグループ会社の「エイチ・ディ・エス」が担当。工期は2〜3日で、これまでに一般家庭をはじめ、企業向けの大規模発電に対応した設置工事も担当している。

4つ目が、発電機を搭載した電源車と給電車のオーダーメード製造だ。ラインアップは電源車(箱型、ウォークスルー型)、高圧電源車、EV給電車の3つ。災害で発電や送電設備が機能しない場合などに有効だ。
電源車に搭載する発電機の容量は、一般家電などに対応した100ボルトと200ボルトを用意。出力は30〜225キロボルトアンペア(kVA)で、電力供給先に合わせて搭載容量が選択できる。

また、高圧電源車は搭載容量が6600ボルトで、出力は500キロワット(kW)と1000キロワット。搭載する発電機のサイズが大きいため、車両は4トントラック以上を使用。大容量の電力が必要とされるプラントや工場、大規模施設、ショッピングセンターなどに有効だ。

EV給電車は、電気自動車の充電に特化した車両だ。搭載容量は400ボルトで、出力は90キロワット。
世界統一の急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」に対応し、普通充電よりも短時間充電が可能だ。

近い将来、EVの時代が訪れるが、充電スポットの普及は進んでいない。電気自動車を徐々に目にすることになった昨今では、観光地やサービスエリアなどで、充電スポットが混雑して充電待ちが発生するといった問題も顕在化してきた。そうした場所に給電車を配備することで問題解決が図れるほか、災害時の緊急充電にも役立つ。

これらの車両は、設計から製造まで同社が一貫して対応。導入先の企業ロゴなども入れることができ、納車まで約5〜6カ月で完了する。
「暮らしや事業に役立つ電力サービスの提供と追求が当社の使命。今後もサービス向上に努めていきたい」と高橋社長は語る。

「e-delivery」で使用される電源車。顧客からの要請を受けて、現場に向かう
発電機負荷試験装置を自家発電設備に接続し、試験を実施
電源車、EV給電車、高圧電源車のスペック表