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齊藤建設が3部門受賞を達成 優秀な人材と頼もしい協力会社に感謝

齊藤 大介
(さいとう・だいすけ)
1968年生まれ。93年東海大学(神奈川県)工学部卒業。同年齊藤建設入社。常務、専務を経て、2013年に社長就任。

道路やトンネル、農業土木分野などの公共工事を手がける「齊藤建設」(本社・函館市)が、今年7月に北海道開発局の「工事成績優秀企業」「優良工事等表彰」「i-con奨励賞」を受賞した。躍進の理由を齊藤大介社長に聞いた。

快挙は社員と協力会社あってのもの

——近年、北海道開発局などから毎年のように表彰されていますね。 

齊藤 今年の表彰で「優良工事等表彰」は2012年から10年連続、ゴールドカードと呼ばれる「工事成績優秀企業」としては5年連続となりました。施工の品質はもとより、工期の遵守や安全対策など、さまざまな基準を満たさないと受賞できません。道内で約100社もの協力会社の方々をはじめ、社員一人ひとりの頑張りの賜物。大変感謝しております。

——初の受賞となった「i-con奨励賞」とはどういったものですか。

齊藤 国土交通省がICT技術の活用を推進する中で、昨年から新たにスタートした評価制度です。当社の場合、受注した農業土木分野の工事でドローンや3Dスキャナーを活用して測量を効率化したことなどが評価されました。

我々は15年からICT技術を取り入れてきました。現在はスタンダードになりつつありますが、当時は国交省も「i-con」の推進を提唱しておらず、地場の建設会社としては先駆けて導入したと言えます。大規模な初期投資になりましたが、結果的には施工品質の向上や生産性の向上、そして何より技術者の職務環境が改善されたと思われます。

また、16年には「i-conプロジェクトチーム」を社内に立ち上げ、測量データの解析や処理などをすべて内製化できる体制を敷きました。各工事の計画などもしっかり練ることで、ロスを最大限減らし、協力会社様の皆様にもしっかりと利益を出していただけるよう努めています。

技術者のリモート勤務で主戦場を拡大

——今回の3部門受賞はこれまでの取り組みが実を結んだ結果ですね。

齊藤 やはり優秀な人材に恵まれていることが、今回の結果につながったと感じています。施工品質の向上や安全対策の徹底など、現場を管理する者としての心がまえである〝齊藤スタンダード〟が社員一人ひとりに浸透しつつあり、特に中間管理職の意識は高い。40代と若くても積極的に幹部に引き上げています。

10〜30代の若手社員とも円滑なコミュニケーションがとれているようで、定着率も上がっています。15年からは毎年、地元高校の新卒者を採用していますが、この6年間の離職率は0%です。若者の3年以内の離職率が高まる中で、これは胸を張れる数字ではないでしょうか。

——採用活動にも力を入れているのですね。

齊藤 もちろんです。私が社長に就いた13年からは、売上目標はありません。多くの職員が優秀な人材に成長していけば、数字は自ずとついてくるからです。人材の拡充なくして成長はありません。

——今年4月からは独自の雇用形態を導入しました。

齊藤 技術者は基本的に現場出勤で、工事量の減る冬季などの待機期間は自由出社とし、出社義務をなくしました。自宅で資格取得の勉強をするもよし、体を休めるも自由です。もちろん、待機期間中の給与に変化はなく、毎月均一に支払います。優秀な人材には投資を惜しみません。

1948年の会社設立以来、道南エリアが主戦場でしたが、リモート勤務の導入により、地域ごとの拠点を設けなくとも全道展開が可能となります。マスコミ媒体などで発信したところ、道内各地から問い合わせが寄せられています。ホームページのリクルートページからのエントリーも増え、実際に遠方に在住しながら当社に入社した方もいます。

また、この働き方であれば、例えば東北エリアからの人材獲得も可能です。もともと建設業界は長期出張が日常的ですから、道外在住でもわが社の社員として道内の工事に参画してもらいたいと思っています。

——〝100年企業〟に向けての大きな一歩ですね。

齊藤 いくら最新の建機や技術を保有していても、扱う技術者がいなければ意味はありません。そのためにも建設業界が目指す〝新3K〟(給与・休日・希望)を追求していきます。

——一方、若者の〝建設業界離れ〟が業界の課題になっています。

齊藤 そうですね、ただ建設業界はコロナ禍でもその影響は極めて少なく、安定した業界と言えます。また、道路や橋、トンネルなど構造物は〝その場〟でつくるものであり、輸入製品に取って代わるということもありません。また、近年は自然災害が増えてきましたが、防災工事や復旧工事を担うのは建設会社です。仕事のやりがいは計り知れないはずです。

もちろん、培った知識や技術は一生モノ。人生において大きな武器になります。一人でも多くの若者が建設業に興味を持ってもらえたらと願っています。業界のイメージアップに少しでも寄与できるよう、今後もチャレンジを続けていきます。