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医療法人社団桂翔会 桂林耳鼻咽喉科・中耳サージクリニック

桝谷 将偉院長
ますや・まさより/2006年旭川医科大学医学部医学科卒業後、道内基幹病院に勤務。10年北海道大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学入局。その後函館中央病院医長、仙台・中耳サージセンター勤務などを経て16年開業。

難症例も〝断らない〟。日帰り手術で難聴の完治を目指す

コロナ禍のストレスによるめまいや耳鳴り、難聴が増えている。桝谷将偉院長は「ストレス性の疾患は投薬治療で治るケースが多いのですが、発症から1週間が勝負と言われる突発性難聴の可能性も否定できません。自己診断せず、すぐに受診を」と呼びかける。

難聴は突発性難聴以外にも慢性中耳炎や外耳狭窄症、真珠腫性中耳炎、耳小骨奇形などに起因して発症することもあるが、加齢が原因の老人性難聴以外は手術で治せる可能性が高い。
一般的な手術は入院が必要だが、局所麻酔下で遂行する「耳鏡下耳内耳科手術」は入院不要。道内で唯一、この手術を行えるのが桝谷院長だ。

手術は顕微鏡下で、耳鏡と呼ばれる特殊器具を使用し、耳の深部を6〜7㍉ほど切開して患部にアクセスしていく。従来式の手術に比べ、手術時間は短く、身体への負担も少ない。また、局所麻酔下で聞こえを患者自身に確認しながら進めるため、複数のアプローチを試せることもメリット。再手術のリスクを限りなくゼロに近づけられる。 
また、手術費用も保険適用で70歳以上の高齢者なら1万8000円程度で済むという。

デメリットを挙げるとすれば、医師の執刀技術が必要なことだ。その点、桝谷院長は開院から400例以上(2021年7月末時点)を執刀。難しい手術も躊躇ちゅうちょなく受け入れている。手術前夜のルーティンは、明日のオペを緻密にシミュレーションすることだ。
リスクを恐れて〝診断できない・手術できない〟医師も多いが、桝谷院長は「患者さんは治してもらうために当院に来るわけですから、その期待に応えたい。難しい症例ほど燃えますね」と笑う。
7月には鼻の病変を吸引しながら切除する専用機器を導入。年内には道内初となる副鼻腔炎の日帰り手術もスタートさせる予定だ。

なお、発熱患者専用の出入口と待合場所を設けるなど、コロナ禍での患者心理にも配慮している。

副鼻腔炎の日帰り手術を実現する専用機器を導入
難症例も受け入れる
手術前夜のシミュレーションは欠かさない