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札幌円山整形外科病院

小笹 泰宏副院長
おざさ・やすひろ/1998年札幌医科大学医学部卒業。米国Mayo Clinic留学や同大整形外科講師などを経て、2021年4月から現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医。

関節鏡を用いた低侵襲手術で上肢の痛みを改善

脊椎・脊髄、手、膝など、さまざまな整形外科分野の診療にあたる「札幌円山整形外科病院」。疾患別に専門医がいる中で、上肢を担当するのが今年4月に副院長に就任した小笹泰宏副院長だ。

上肢の中でも肘関節から手までの疾患が得意分野。肘の外側から前腕にかけて痛みが生じる「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」をはじめ、親指の付け根にある軟骨のすり減りが原因で痛みが生じる「母指CM関節症」や「野球肘」など、さまざまな手術に対応。札幌医科大学や関連病院から患者を紹介されることもあり、着実に執刀数を重ねている。
これら疾患の手術には、関節鏡視下の低侵襲を採用。テニス肘の手術時間は30分〜1時間ほど。全身麻酔下で行うため、入院期間は最短で2日かかるが、保存療法で改善しないケースに有効だ。
小笹副院長は「テニス肘の術後の結果を左右するのが、病態の正確な確認です。術前と術中に細心の注意を払っています。最近は肘の外側にある靭帯の安定性の有無も影響があると言われます」と語る。

母指CM関節症では、関節面を削ってネジやワイヤーで固定する「関節固定術」と、関節の可動性を温存する「関節形成術」で執刀。症状の進行度と患者の希望を考慮して使い分けている。
「通常の関節固定術は骨を削った後に骨移植が必要ですが、術後に移殖した骨の骨癒合が完全に停止してしまう『偽関節』を引き起こすリスクがあります。一方で関節鏡視下で行う場合は、骨移植の必要がありません。関節を大きく切開する必要がないことから関節周りの血流が温存されて、自身の骨だけで骨癒合に有利に働くからです」と小笹副院長は関節鏡視下手術のメリットを語る。

札幌医科大学の非常勤講師として後進の指導を行うほか、最新のエビデンスに基づき再生医療などの情報収集も積極的に行うことで、知見を広げている。

同院では小笹副院長のほか、山村恵理事長も上肢を専門としている。両者が連携を取り効率的な治療を行うほか、リハビリにも介入することで患者の早期回復に努めている。

母指CM関節症のレントゲン図CM関節の隙間が消失している
関節固定術後。関節鏡視下で骨を削った後、スクリューで固定
地下鉄東西線「西28丁目駅」から徒歩5分