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アイアイ・テー

本社が入る「石狩第2物流センターA棟」は倉庫業の認証を取得している

創業35年の節目。組織変革と輸送網の拡大で幹の太い企業へ

食品輸送道内大手として知られる「アイアイ・テー」。今年12月には創業35年の節目が控えるなど、業界内での存在感は増すばかりだ。従業員数は約650人で、拠点は全道に13カ所。スーパーや量販店への輸送をメーンに、守備範囲は道内全域を網羅している。

原油やエネルギー価格の高騰は物流業界にも影響を与えているが、前期も業績は堅調に推移。売上高、利益ともに前年度と同等を維持した。

外部環境の変化に左右されず、業績を伸長させる理由について石黒茂社長は「状勢が変化しようとも揺るがない企業づくりを目指し、組織体制を見直したことが実を結んでいます」と話す。

例えば、近年着手してきたのが輸送の効率化だ。既存の輸送ルート全体に見直しをかけ、非効率な部分を改善するとともに、コースごとの選任ドライバー制を廃止した。各配送ルートに5~10人のチームを編成し、全ドライバーが短、長距離を分担。偏りがあった日々の労働時間を平準化し、全体的な労働時間を削減できるように制度を一新した。これにより、ドライバーの労働環境改善につなげると同時に、ガソリンなどのコスト削減にも成功している。

加えて、物流ネットワークの強化も推進している。道内各地の食品輸送会社との資本提携により、輸送網を拡大させたほか、協力会社の増加にも注力。直近では網走市や北見市など、道東エリアの協力会社を増やしている。

さらに、将来に向け食品輸送だけではなく〝食〟をテーマとした新規事業や、サプライチェーンの変化に対応した取り組みも検討しているという。

一方で、ドライバーの人材不足や2024年問題に象徴されるように、業界全体が抱える問題は深刻さを増す。石黒社長は「同業者が協力し、業界全体で対処しなければならないと考えています」と物流業界発展のために尽力する。

石黒茂社長
倉庫機能、仕分け検品、配送機能を兼ね備えた物流センター