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會澤高圧コンクリート

低炭素コンクリート「カーボンキュア」のプラント

世界のトップ大学とのコラボで脱炭素と廃プラ問題に切り込む

バクテリアの代謝機能を活用した自己治癒コンクリート「Basilisk(バジリスク)」やコンクリートの3Dプリンターなどユニークな先端ソリューションを次々と打ち出し、全国から注目を浴びる総合コンクリートメーカー「會澤高圧コンクリート」。スマートマテリアル企業への進化に磨きをかける同社が次に切り込んだ先。それが、ポリ袋の有料化や海洋投棄の急増などでにわかに注目を浴びる廃プラスチック問題だ。
マサチューセッツ工科大学(MIT)のオラール・ビューカスターク教授が開発したプラスチックにガンマ線を照射することで表面を改質し、改質廃プラを砂の代替としてコンクリート材料に使用できるようにする注目のマテリアルリサイクル技術「MiCon(マイコン)」。この活用に向け、MITとこの廃プラ改質技術の量産モデルを共同開発する契約を5月に締結し、コンテナ形状の電子ビーム照射機のプロトタイピングに乗り出した。

日本の廃プラのリサイクル率は80%強と世界で圧倒的に高いが、焼却した廃プラも熱利用すればリサイクルにカウントされる〝日本だけ〟の制度に負うところが大きい。実際のリサイクル率は25%程度で、分別回収したペットボトルの多くも実は焼却されている。
脱炭素が叫ばれる今、CO2を大量に排出する廃プラの焼却はますます難しくなる。MiConでは、コンクリート1平方メートルに平均5キロの廃プラを投入でき、廃プラを焼却した際に発生する13キロものCO2を半永久的にコンクリート内に閉じ込める。コンクリートの低炭素化と廃プラの大量リサイクルを同時に達成する画期的な技術だ。

このほか同社では、液化CO2を生コンのミキシングに利用してナノサイズの鉱物を生成して10%増しの強度を出し、逆にCO2の主要な発生源であるセメントの使用量を戦略的に減らしてコンクリートの低炭素化を実現する技術「カーボンキュア」もいち早くカナダから導入した。
オランダのデルフト工科大学と共同開発し、普及フェーズに入った自己治癒コンクリ―トは、〝壊れないコンクリート〟の実現で長期的にセメント需要を削減して行く究極の脱炭素テックともいえる。「脱炭素は経営の最優先課題になった」と會澤祥弘社長。
素材とテクノロジーのかけ算で脱炭素という地球規模の課題に切り込む先陣となる。

會澤祥弘社長
鵡川工場で実施したMiConの実験。左がオラール教授