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アトラスグループが新たなステージへ

社名ロゴが象徴的な外観。内観もスタイリッシュで洗練されたデザインだ

総合不動産企業の「アトラスグループ」(本社・札幌市、中橋健志社長)が5月に札幌市中央区南20条西11丁目に自社ビルを取得した。新たな環境で経営基盤を強化し、さらなるステップアップを目指す。

マンスリー事業で絶対的な地位を築く

「アトラスグループ」は2006年6月の創業。6月29日で創業15年の節目を迎えた。マンスリーマンションでは道内屈指の実績を築いているほか、投資用新築マンションの企画・販売や中古物件の売買、2000戸以上におよぶ管理業務など幅広い事業領域を持つ総合不動産企業だ。業績も好調を維持しており、前期も増収増益を達成。その勢いは止まるところを知らない。

念願だった自社ビルは3階建てで、国道230号線石山通に面した中央区南20条西11丁目に取得。中橋健志社長は「好条件の物件を取得することができた。これまでは地盤固めの時期でしたが、創業15周年を迎え社屋も新しくなり体制が整いました。社員のモチベーションも上がっており、ここからは攻めの姿勢でいきたい」と力を込める。

これまで同社の業績をけん引してきたのがマンスリーマンション事業だ。マンスリーマンションとは一般的な賃貸マンションと異なり、短期賃貸型マンションを指すが、同社の代名詞ともなっているのが「アトラスマンスリー」シリーズ。道央圏を中心に展開しており、管理室数、累計利用人数、累計契約日数、平均利用日数のいずれも道内トップクラスの実績を誇る。

特徴的なのはリーズナブルな料金設定の「アトラスリーズナブル」、即日入居が可能な「アトラスマンスリー」、ワンランク上の居住性を提供する「アトラスハイグレード」の3グレードの部屋タイプが選択できるシステムだ。〝涼しい夏期期間だけ北海道で過ごしたい〟といった需要も取り込み、口コミやSNSで高評価が拡散されたこともあり、現在の地位を築いた。

的確なニーズの先取で新市場を掘り起こす

もう1つの主軸である賃貸マンション事業は、コンスタントに年間15棟程度を供給している。特にここ数年は、独自の市場調査に基づき札幌市内人気のエリアに物件を供給。なかでも高級賃貸マンション「アトラスシリーズ」は多くの入居者から好評を得ている。

人気の要因のひとつが入居者目線の戦略だ。例えば、19年6月に千歳市に建設した「アトラス千歳」は、「タイムズ24」(本社・東京都品川区)と提携し、道内では先駆けとなるカーシェアリングサービスを導入した。また20年3月に札幌市手稲区のファミリータイプ「アトラス手稲」は、1階のテナント部にコインランドリーが入店。ファミリー層の多い立地条件を的確に把握し、需要の掘り起こしに成功した事例だ。

単なる賃貸ではなく立地や地域特性、市場ニーズに合わせた独自のプランニングを提案。「長期にわたる安定した収益が見込める」とオーナーからの評価も至って高い。

さらに、今年2月には他社に先駆けて競合相手の少ない郊外型賃貸マンションのリリースも敢行。道内不動産投資業界を驚かせた。それが、清田区美しが丘の羊ヶ丘通沿いの単身者向け「ルッソヴィータ」だ。業界では同エリアは、地下鉄からも遠く単身者向け賃貸住宅の需要は低いというのが通説だったが、5階建て全18戸の同マンションは物件完成後すぐに全戸の入居が決定した。

中橋社長は「美しが丘エリアは三井アウトレットパークやコストコが賑わいを見せており、当社の市場調査では必ず需要があると自信を持っていた。郊外型で利回りも高く、多くの問い合わせをいただいています」と話す。

経営基盤の強化に成功し業容拡大へ

元来、同社は創業当初から管理業務を主事業としていただけに物件管理にも定評がある。特にリーシング分野を強化し続けており、管理を手がける全物件で95%という高い入居率を維持している。物件のリニューアルは加盟するLIXILグループ(本社・東京都千代田区)のネットワークを駆使。空き家問題といった社会的問題の解決にも貢献している。

また、20年4月には札幌市内の工務店を傘下に収めマンションやアパート、戸建て住宅の新築・リフォーム事業も強化した。これにより一般的なビルダーとは一線を画した総合不動産企業としての注目度もさらに高まった。

「今年から札幌市以外の地方都市にも物件の供給を開始しました。これは当社初の試みです。それぞれの地域ニーズを汲みとり好物件を供給していく」と中橋社長。創業20周年に向けて視界は良好だ。

従業員は不動産のエキスパートが揃う
「ルッソビィータ」(上)と「ラコンフォルト千歳」