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日本医療大学

島本 和明 総長
(しまもと・かずあき)1946年10月7日、小樽市出身。71年札幌医科大学医学部卒業。78年同大で医学博士の学位を取得。2004年から同大附属病院長、10年から同大理事長・学長を歴任。2016年から現職。

キャンパスを移転、広大な敷地でチーム医療を学ぶ

――キャンパスを移転しました。

島本 この4月に札幌市豊平区月寒東にキャンパスを移し、大学の生活様式が大きく変化しました。最も大きいのは交通アクセスです。地下鉄徒歩圏となり、恵庭と真栄のキャンパスが一つになることで、学生も教員も便利になりました。
また、スペースが広いのも大きなメリットです。新たに臨床検査学科を開設し、看護学科、診療放射線学科の定数を増やしましたが、それを収容できるスペースがあります。広い環境というのは新型コロナの感染対策にも有効です。

――志願者も増えましたね。

島本 入学定員を270から430に増やしましたが、2021年度の入試はそれを大幅に上回る出願があり、学科にもよりますが競争倍率は2〜6倍となりました。医療従事者がコロナ禍で差別を受け、大変な職場であることが広く知られました。その中で医療職を目指すのですからモチベーションの高い学生が集まっています。志願者が多いからこそしっかり選抜できます。

――敷地内に病院、老健施設のオープンも控えていますね。

島本 8月に「日本医療大学病院」「介護老人保健施設 日本医療大学病院リハビリ」が開設予定です。このキャンパス内で、すべての学部学科の実習ができるようになります。白衣も靴もそのままで、着替えることなく実習に行けるというのはものすごく大きい。
日本医療大学病院はチーム医療の実践の場として、非常に有用な施設です。学生同士がひとつになると同時に、チーム医療におけるさまざまな実習、演習がやりやすくなります。また、後援会費を有効に活用し、在学生の日本医療大学病院での受診料は自己負担0円となる予定です。

――コミュニティーセンター「リアン」の完成も楽しみですね。

島本 学生から要望が多かったコンビニ、ATM、スポーツジムに加えて、パン工房やクリーニング、レストラン、書店も入ります。コミュニティーセンターは、在学生や教職員だけではなく、地域の方にも開放します。

――地域との関わりも重要です。

島本 この地区では最も目立つ建物ですし、地元の方からの期待も感じています。日本医療大学病院や介護老人保健施設日本医療大学病院リハビリなども積極的に利用して欲しい。生涯教育講座も学内で継続・拡大したいと思います。
移転前から月寒地区の町内会の人たちとはコンタクトを取っており、町内会の役員の方には本学の理事になってもらいました。地域の人たちとともに〝健康まち興し〟を一緒にしていきたい。

――学内にPCRセンターを設置しました。

島本 臨床検査学科の品川雅明学科長は、PCR検査の専門家で札幌市のPCR検査にも関与しています。その専門性を生かして、学内にセンターを開設しました。学生が実習に行く際に、PCRによる陰性証明書の持参を求める医療機関や高齢者施設が増えました。実習に関係する全学生に検査をして、陰性証明書を発行しています。
また、大学に来てから熱が出たり、熱はないが体調は悪いという学生に対しても有効です。今後は他の学生、教職員まで検査の幅を広げていきたいと考えています。

――学部学科新設予定は。

島本 臨床検査学科に続き、22年4月開設予定の臨床工学科(仮称)を申請中です。コロナ禍で活用されているECMO(体外式膜型人工肺)や人工心肺、人工呼吸器、人工透析などの高度医療機器を管理する臨床工学技士を養成していきます。
また、真栄キャンパスでも同じく22年春に、新しく医療福祉学部(仮称)を開設する予定です。医療、福祉の現場において経営をマネジメントできる人材、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士など、医療・福祉の道を目指す学生中心の学部です。

――経済的に困窮する学生が増えています。

島本 コロナ禍で保護者の収入が減少し、学生もアルバイトができないことで経済的に困窮する学生が出ています。年収が基準よりも多いことで国の助成が受けられない層に対しては本学独自事業の「授業料減免緊急支援金」で支援しました。
また、グループのノテ福祉会が運営する高齢者施設や学内のアルバイトを募り、昨年度は約50人が働きました。医療人の卵ですから、お金を得るだけではなく、医療や福祉の現場で患者さんの気持ちを知り、将来に向けて役に立つことに時間を使ってもらいたいですね。

2021年4月に移転した「月寒本キャンパス」