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ほくうん

毎月10台前後を増車している

増車で成長。630台を活用した長距離輸送網を構築

積極的な増車で成長を続ける「ほくうん」。1987年に創業した。主に北海道と本州間の長距離輸送を担っており、大手の宅配や引っ越し会社、家具メーカーなどを顧客とする。

コロナ禍では、通信販売に関わる輸送が増大したほか、北海道新幹線の札幌延伸やそれに伴う再開発などで建築土木資材やセメント、杭などの重量物輸送も拡大した。

35周年を迎えた昨年度の年商は、120億円を超えて過去最高。独立系の物流会社ながら、いまや道内トップ10に入る売り上げ規模を有する企業に成長している。

「依頼を断らない体制を整えた結果です。現在は10㌧車を中心に道内外で630台を保有しています」と森高義男社長。

毎月10台前後を増車しており、この3、4カ月で50台を発注した。

「車両はすべて新車で購入しています。中古車に比べ故障が少ないのが利点です」と森高社長。

また、新人や中途入社を問わず全てのドライバーに新車が支給されるため、採用面でもプラスに働いている。

ドライバーには安全運転も徹底させる。後方確認や速度ダウンといった指導のほか「休憩時間を早く切り上げても問題が無いよう30分ではなく40分とする」など独自の決まりも設けた。創業以来無事故を続けているドライバーが3人おり、過去25年間無事故のドライバーも20人以上が在籍。顧客から指名されるケースも増えている。

長距離輸送では可能な限りフェリーを利用するのも特徴だ。

「乗船中はドライバーの休息に充てることができます。運送業の2024年問題にも対応できる」と森高社長。

これらは燃料代や高速料金の節約につながるほか、走行距離が伸びないため、車両が痛まないというメリットもある。

売り上げだけを追うのではなく収益性も高めている。「365日すべてが決算日」という考えのもと、車両1台ごとの損益計算ができる仕組みを構築した。翌日朝には全ての数字が把握できる。

「稼働していない車両は自動車保険を外す」「燃料の仕入れ先は毎週見直す」といった支出に対する細かな管理も怠らない。

これによって2023年度の年商は130億円を予想する。20年連続増収増益を見込む。

森高社長は「今後は車両1000台体制を目指したい」と前を向く。

札幌市東区にある本社
森高義男社長