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顧客満足、 現場主義の徹底で100周年へ

牧野利春グループ代表

 「アイビック」「アイビック食品」「アイビーエム不動産」「総菜開発」などを展開するアイビックグループ(本社・札幌市、牧野利春代表」が株主総会・方針発表会を開催した。万全のコロナ対策下で、全社一体の力強い姿勢を見せた。

3密回避のアウトドアブームで業績好調

1922(大正11)年に創業したアイビックグループ。2年後の創業100周年を見据え、グループが一体となってコア事業の確立と経営基盤強化を進めている。現在は、釣具・アウトドア用品小売、卸の「アイビック」、だし・たれ・調味料製造の「アイビック食品」、賃貸マンション管理・運営を担う「アイビーエム不動産」、総菜製造の「総菜開発」の4社を中心に事業を拡大中だ。

同グループでは透明性の高い経営の一環として全社員参加の株主総会・決算報告会並びに次年度の方針発表会を毎年開催しており、今年も1月16日、札幌市内の「デ・アウネさっぽろ」で実施した。

当日は、新型コロナ対策のため会場参加を約20人限定、リモートでグループ社員244人のほか三菱UFJ銀行、七十七銀行、北門信用金庫、商工組合中央金庫、みずほ銀行などの金融機関関係者が参加した。

発表された2020年度(62期)決算は、グループ売上高が前年同期比119.3%の92億7800万円と増収を達成した。

なかでもアイビックは、売上高が前年同期比129.8%と好調。業績をけん引したのが昨年4月に開業した大型釣具・アウトドア用品店の「COrSO SAPPORO(コルソ札幌)」だ。釣りやキャンプブームなどアウトドア需要をがっちり捉え予想を上回った。コロナ禍の渦中にあり新規大型店出店に踏み切った経営判断が奏功した格好だ。

牧野利春代表は「当グループは利益5分配が基本。設備投資、社員、株主、会社、社会奉仕だ。21年度は社員の豊かさを求める経営を実践するとともに、アイビックに3億円、アイビック食品は新事業向けに3億5000万円を投資する。難しい時代と言われているが、なすべきことは簡単、お客様を満足させることに尽きる。そのためにも経営陣はじめ全社員が現場を知ること。新たな年も創業100周年に向け緊張感を持って臨んでほしい。挑戦の年です」と決意を語った。

100周年で掲げた数値目標も射程圏に

牧野良彦アイビック社長は好調の要因を分析。「コルソのオープニングにはレジ通過客数が1万人を記録。コロナ禍による閉店期間も含め実働7カ月で、初年度の目標を上回った。ローソンなど新たな販売チャネルの展開や企業とのコラボイベント開催なども奏功した。来期は道内外のホームセンター内の売り場増設など、販売を強化する」と意欲的だ。

一方、アイビック食品は、コロナの影響で目標値を下回ったものの、近年は本社工場の拡充などの先行投資に加えM&Aを推進。18年に子会社化した総菜開発も業績に寄与している。また、20年3月に寧波愛金宝食品有限公司(中国)の工業の営業許可を取得。21年1月にはタイASANサービスとの業務提携締結など海外進出も進む。こうした積極経営で経済産業省の「地域未来牽引企業」に認定されたのも大きなトピックスだ。

20年6月に就任した牧野克彦アイビック食品社長は「コロナ禍にあり〝静の年〟と位置づけて体制固めに注力した。感染対策に万全を期し、本社工場に陰陽圧管理システムや自動検温・アルコール噴霧器を導入。また外食応援活動や他社とのコラボ企画も展開した。次期はレシピ開発の情報発信などDX化も推進する」と次代を見据える。

今西輝アイビーエム不動産社長は、所有不動産が3施設増えて35物件となったことを報告。「今後も積極的に投資し、財務基盤を強固にしていく」と力強く語った。

金融を代表して指導総評には北海道銀行と北洋銀行が出席。大木孝志北海道銀行副頭取は「経営陣が現場の最前線をしっかり把握しており、社員へ愛情や思いやりが伝わっている。それが各セクションの力となっている」。また、長野実北洋銀行副頭取は「2年前にテーマとして掲げた不易流行が今に生きている。現場主義など守るべきものを守り、IT活用など変えるべきものを的確に選別している。創業100周年に向けて、それらが花咲くことをお祈りしている」とそれぞれ総評した。

21年度のグループスローガンは「スピード感を持った行動とDX化推進を!」。目標を売上高96億円に設定しており、100周年の売上高100億円到達が射程に入った。

透明性の高い経営の一環として毎年開催されている

貢献が認められた社員の「貢献賞」表彰もおこなわれた

グループ各社を担う経営陣。左から牧野良彦アイビック社長、今西輝アイビーエム不動産社長、牧野克彦アイビック食品社長

釣具とアウトドアを融合した新業態店の「コルソ札幌」(札幌市手稲区)がキャンプブームなどの需要を取り込んだ
次期も食品ラボの拡充など新事業に3億5000万円を投資するアイビック食品の本社工場(札幌市東区)
大木孝志北海道銀行副頭取(写真左)と長野実北洋銀行副頭取(写真右)が総評をおこなった