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弘照院ばらと霊園が札幌市営住宅跡地の4210平米を取得

西5丁目樽川通り沿いの土地。地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩5分の好立地

ばらと霊園(石狩市生振587-1)を運営する宗教法人弘照院(佐藤嘉高代表役員)は、1月12日に札幌市北区北26条西4丁目の札幌市営住宅跡地4210平米を正式に取得。今後は「弘照院北海道別院」として新たな宗教文化発信の拠点とする。

大幅に超える入札金額で落札

今回取得した札幌市営住宅跡地は、幌北団地5棟が建っていた場所で、市有地売却の一般競争入札で落札。用途地域は建ぺい率80%、容積率400%の商業地域で、西5丁目樽川通りに面し、地下鉄南北線「北24条」駅から徒歩圏という超一等地。周囲にはスーパーや医療機関のほか、区役所や区民センター、保健所、保育園などの公共施設がほど近く、住環境に恵まれており、どこが入札するのかが話題となっていた。

2020年11月20日に札幌市役所でおこなわれた入札には、200戸台の新築分譲マンション建設を計画するデベロッパーやコープさっぽろなど5者が参加。入札の結果、弘照院が28億300万円で落札し、1月12日に正式に契約した。

今回の落札額は最低売却価格11億9000万円の約2.4倍で、2番目だったコープさっぽろを大幅に超える金額で落札。関係者を大きく驚かせた。

「当霊園の北1条ビル(中央区北1西3)には 札幌市の新型コロナウイルス対策支援室が入居しており、相談先にも指定され、コロナの終息に向けて取り組んでいます。私どもが高い価格で(市有地を)落札すれば、少しでも感染対策費の足しになるのではと考え、寄付をさせていただくのには絶好の機会だと思いまして提示いたしました」と語るのは代表役員を務める佐藤住職。

公益性ある大寺院を建設

ばらと霊園は1980年に先代住職の佐藤隆宝氏が石狩市生振で開園。管理・運営は1265年の伝統を誇る真言宗醍醐派本山の醍醐寺(京都市伏見区)の直轄である弘照院がおこなっており、約40万平方メートルを超える広大な敷地内には、3万基を超える墓石のほか、国内最大級の羅漢堂「鳳凰五百羅漢堂」や「総本殿三十三間堂」「北海道八十八ケ所総霊場」など、多くの宗教施設を完備。平らな墓所としては全国最大で、その財務力は本山をもしのぐといわれる。

近年では道内で初となる永代供養付き樹木墓地「八十八ケ所桜葬」が人気で、道内各地から申し込みが殺到。毎年満開時期におこなわれる「桜祭り」は、2000人以上が参拝する一大宗教行事となっている。

現住職で2代目の嘉高氏は中央大学法学部卒。子息・息女3人が北海道教育大学附属札幌小中学校に通っていた関係から同校のPTA会長や全国国立大学附属学校PTA北海道地区会長、同理事などを長年務めた功労で、07年6月に文部科学大臣賞を受賞。現在は醍醐寺で修行を積んだ長男の昂紀氏が副住職、次男の宗紀氏が本部長として活躍している。

今回取得した土地では、新たな宗教文化発信の拠点となる「弘照院北海道別院」を建設。長男は本院を継ぎ、次男が別院住職となる。

寺院はもともと「寺子屋」といわれるように地域における福祉や文化、教育の拠点としての役割を担ってきたが、昨今では核家族化や家意識の希薄化、少子化などで、寺院を取り巻く環境は大きく変化しており、生活者の寺離れが進んでいる。

「新寺院は、単なる葬送儀礼の場だけではなく、ひきこもりや不登校、自殺に対する青少年の問題や、介護や看取りなどの高齢者の問題、また世界平和や環境問題も含めて、地域に根差した人々の生老病死に寄り添う公益性のある宗教活動をおこなう寺院としたい。そこは、子どもも成人も老人も、みんなが気軽に集まり、語り、遊び、学ぶ〝ひろば〟となれば本望です」と佐藤住職。

建物は、耐用年数300年以上の強い地震にも耐えうる堅牢なつくりとし、これまでの寺院とは違った斬新な歴史的建造物とするため、寺院専門の業者ではない著名な建築家に設計を依頼するという。

「災害はいつやってくるかわかりません。新寺院が災害や震災時に地域住民の避難所となり、対策時の拠点としての役割りを果たせるものと確信しております」(佐藤住職)。

古来伝統の地域の中心であった〝お寺〟が、5年後に札幌の中心部に誕生する。

左から、佐藤昂紀副住職、佐藤嘉高住職、佐藤宗紀本部長
毎年春におこなわれる「桜祭り」