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サッポロ不動産開発

「本間ゴルフがお父さんたちに大人気となっています」と語る立山正之札幌事業本部長

「買い物をしたい」という顧客の思いに最大限に応える

コロナ禍の顧客の需要に応え続けた一年

サッポログループで不動産事業を担う「サッポロ不動産開発」。複合商業施設「サッポロファクトリー(以下、ファクトリー)」はその事業の中核に位置している。

20年は、新型コロナウイルス拡大の影響が大きかった。北海道で緊急事態宣言が出された2月からはインバウンド需要が減少。さらに4月に全国で緊急事態宣言が発令されると、入居するスーパーマーケットとドラッグストアを残し、ファクトリー自体も1カ月半の休業を余儀なくされた。合わせてホテルクラビーサッポロを運営するホテル事業も大きな影響を受けた。

しかし、6月以降は次第に客足が戻りはじめている。特に数年前から注力していた「アウトドア&スポーツフロア」を中心に客足が回復。コロナ禍の中でも楽しめるとして、屋外でのスポーツやキャンプ、バーベキュー用品などの需要が高まった。

また、新たな施設も誕生した。9月には託児サービス付きコワーキングスペース「LaSalud(ラサル)」がオープン。働き方改革やリモートワーク増大などで新たな利用に応える。

さらに、10月には日本を代表するゴルフクラブメーカー「本間ゴルフ」がオープン。同社初のインショップ型店舗で、試打室には最新の打球解析器を導入。父親世代を中心に新たな需要を開拓した。

そして、来客数増加の起爆剤となったのがアニメ映画「鬼滅の刃」だ。ファクトリー内の映画館「ユナイテッド・シネマ札幌」には10月中旬から11月末の1カ月半で約10万人が訪れた。その活況はそれぞれの店舗にも波及。10月単月での売り上げは前年を超えた。

立山正之札幌事業本部長は「もともと映画館は換気が徹底しているので、全国的にもクラスターが発生していません。そのことも安心材料になったのだと思います。お客さまにしてみれば、『外に出たい』『買い物をしたい』という欲求は常にあったはず。それらに応え、どう対策していくかがとても重要だった」と振り返る。

また、毎年恒例となっていたジャンボクリスマスツリーの点灯式は無観客で開催した。11月2日の平日の閉店後にオンライン配信という形を取り、例年のようなにぎわいはなかったが、インターネットを通じてたくさんの人の目に触れることができた。

一方で、ファクトリーでは、コロナ禍以前から、脱SC(ショッピングセンター)に向けた取り組みを続けており、「物を売る」から「体験」や「コト消費」への転換を図っている。

近年、創成川イーストエリアでは、ファクトリーに直結する2棟のタワーマンション建設をはじめ、大中小のマンションが急増。周辺住民にはファミリー層が増えた。

さらにJR苗穂駅周辺の再開発や「北ガスアリーナ札幌46」の開業など、周辺環境は大きく変わり続けており、ファクトリーの役割も少しずつ変化しながら、進化を重ねている。前出の「LaSalud」もその1つだ。

また、来店を促すだけではなく、ITやインターネットの活用も進む。「エアタウン」というバーチャルショッピングモールを仮想空間の中につくり、買い物をしてもらう実証実験もおこなった。

安全・安心の取り組みを徹底し出迎える 

このような取り組みを先駆けて取り組んできたことがコロナ禍にも生きている。

立山本部長は「コロナ禍の中でも安心できる場所であれば、お客さまは買い物に行きたいと思っていることがわかりました。その思いに全力に応えるのが私たちの使命です。安全・安心への取り組みは1年かけてやってきていますが、もちろんこれからもさらに対策を進めていきたい。特に21年は、東京オリンピックのマラソン競技が札幌で開催されます。海外を含めてたくさんの人が北海道を訪れるはず。できる限り手を尽くして環境を整え、たくさんのお客さんをお迎えしたい」と抱負を語る。

商品を買ってもらうだけではなく、地域住民のためになるような取り組みも積極的におこなっていく
子どもを遊ばせながら仕事ができ、託児ルームも設置されている「LaSalu」