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脚光を浴びる電気の宅配便「e-delivery」の全容

自然災害における防災対策は急務だ。そうした中、北海道電気相互(本社・札幌市、高橋伸和社長)が提供する停電時に有効なサービス「e-delivery(イーデリバリー)」に注目が集まっている。その全容に迫る。

企業と自治体が注目の電力供給サービス

北海道電気相互は、自然エネルギーを活用した製品開発や電力制御のEMS(エネルギー・マネジメント・システム)構築が主事業。エネルギーを通して暮らしを支える企業だ。

昨年からサービスを開始した「e‐delivery」は、停電時に発電機を搭載した専用車両と技術者を派遣して、一時的に電力を供給する24時間対応のサービスだ。

マンションやビルのエレベーター、受水槽ポンプ、冷凍・冷蔵倉庫、医療機関など、停電時においても電力供給を止められない場面で効果を発揮。防災対策の需要を的確に捉えたサービスで、注目を集めている。

サービスの大まかな流れは、左写真の通り4つに分類され①電力供給の依頼が専用コールセンターに入電②本部で待機中の技術者が出動③現場での供給作業④作業完了となる。

災害発生時のリスク分散のため、コールセンターは東京に設置。出動する電源車輌は全台にGPSを搭載しており、位置情報をリアルタイムで送信し、本部が現場への最短ルートを指示する。

現場に到着した作業員は速やかに通電作業に着手。サービス契約時に対象施設の電圧や配電機器の調査を実施しているため、迅速に作業が遂行できる。

全ての作業は電気工事の資格を持ち、現場経験が豊富な作業員がチームになり対応する。1回の電力供給時間は3~4時間。常時4グループが待機しており、1グループで1日当たり約4件に対応する計算だ。

対応エリアは札幌市内と近郊の30㌔圏内。契約プランは、年間契約の「プランA」と「プランB」、事前登録のみで利用できる「プランC」の3つを用意した。

電力供給源の車輌は2㌧と4㌧トラック、ワンボックスカー、ライトバンなど7台を常備。復旧先の電源容量に合わせて出動する。

また、需要増大に伴う対応強化を進めており、直近は新たに車輌3台を導入予定。電源車輌のリースやレンタルも計画している。

電源車輌に搭載している発電機と蓄電池は、同社が独自開発したもの。設計段階から携わることで、大容量の電力を高出力かつ効率的に供給できるシステムを実現した。

「マンションの受水槽ポンプや工場の搬送用ポンプ、高層ビルのエレベーターといった大型設備でも稼働できます」と高橋伸和社長。

省エネと新エネルギー部門でダブル受賞

北海道胆振東部地震の発生以降、道内でも行政や企業を中心に、BCP(事業継続計画)策定の意識が高まっている。

実際にサービス開始以降、マンションやビルの管理会社、透析設備を備えた医療機関、介護施設などから問い合わせが増加。自治体からは避難所の電力確保や、イベント時の利用なども検討されている。

10月28~29日には、アクセスサッポロで開催される「北海道災害対策推進展」に出展する。

当日は会場外の「S‐19ブース」に電源車輌を持ち込み、車輌に搭載した電源から大型動力モーターを動かすデモンストレーションをおこなうほか、サービスの申し込みや契約プランの詳細、相談も受け付ける。

電気や電力設備に精通した同社では、これまでさまざまな製品やシステムを開発・販売してきた。

そうした中、道庁が毎年表彰している「省エネルギー・新エネルギー促進大賞」で、今年度の省エネルギー部門の大賞と新エネルギー部門の奨励賞を受賞した。

省エネルギー部門を受賞した「ecomame(エコまめ)」は、商業施設向け省電力システムで、クラウド上から使用電力の〝見える化〟と自動制御を実現。道内の大型ショッピングセンターや工場で導入が進んでいる。

新エネルギー部門を受賞したのは、家庭用電源と自然エネルギー(太陽光、風力)で充電できる発電機「COMBO(コンボ)」だ。防災の備えとして需要が高く、医療機関や企業を中心に導入が進んでいる。

「ダブル受賞できたことを光栄に思います。今後も魅力ある製品開発に注力したい」と高橋社長は語る。

①出動要請を専用コールセンターが受託
②電源車に作業員が乗り込み出動
③現場に到着して通電作業に着手
④異常がないか確認し作業完了
電源車輌内部。高出力の発電機を搭載し、電力を供給する
高橋伸和社長
蓄電池搭載の発電機「COMBO(コンボ)」